五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2014年06月05日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2014年7月号

 Young_king_ours_2014_07

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら

 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら

 今月の『ドリフターズ』感想はこちら

 

 表紙は、今月号で最終回を迎えた『ワールドエンブリオ』

 陸、柩姫たち、そしてタカオが手を振っている姿が、感慨深く映ります。

 開始は2005年6月号とのことで、長きにわたる連載、お疲れ様でした!

 

 

 『ライプニッツ』は、エウロパのニーナさん。 ボディペイントのような宇宙服を着てます(^^;

 男性陣の反応に笑いましたが、まあ悲しい生き物でありますよね。 女性陣の視線が痛い。

 そして、ニーナ両親の映像が、未知の扉を開く予感をもたらしつつ、つづきが気になります。

 

 『ガーゴイル』は、八瀬童子に追いつめられる土方! でしたが、そこへ現れた助っ人は?

 まさかの斎藤一には驚いた。 なるほど、面白い能力を持っているようで、重宝しますね~。

 そんなこんなで、いよいよ反撃となった展開に燃えました! 「暗殺者」斎藤一、カッコイイ!

 

 『スピリットサークル 魂環』は、オバケを目撃したタリオが、所長室に呼ばれ・・・?

 てっきり、何か危険な話でもあるかと思いきや、口止めくらいですんでいたのは意外でした。

 そして、ラファルたちの前にも現れるオバケ・・・ やはり奴でしたか。 生と死について黙考。

 

 『清々と』は、本八幡先生の過去の恋人の存在を知ってしまった清さん、色々と悩んでます。

 そんな状況を、星野くんに相談するとか、彼がフビンすぎ(´▽`;) でも星野くん、イイ奴だ。

 そして、これまで恋する乙女だった清さんが、恋される立場を自覚したとき、どうなるか・・・?

 

 『こいコイ!~球場ラヴァーズ~』は、長年のファンと初心者ファンの問題についてのお話。

 こういった対立構造は、野球ファンに限らずあるもので、古参ファンからの風当たりが強く、

 ゆえに初心者が委縮したりも・・・ それでも恋子さんは前進。 楠木くんの謝罪もよかった!

 

 『ソレミテ』は、埼玉県秩父湖にある吊り橋をわたる一同でしたが、ここも心霊スポット。

 「視える人」萩原さんの同行もあり、今回こそはと思わせておいて、やっぱり何もなしか~・・・

 なんて読んでいたら、最後のアレってどーゆーことなの?((( ;゜Д゜))) ケンタッキーは笑!

 

 『トランスノイド』は、“戦闘機”同士の戦いが火花を散らし、空に“花火”を咲かせています。

 “戦闘機”に込められた生存本能、そのすさまじさを見せつけるYの迫力が、満点でしたね。

 アダムスの願いに対する自分の願いを語る、Yの心意気に感嘆! 次回、最終回です!!

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

【最終回!】

●ワールドエンブリオ (森山大輔 先生)

 Young_king_ours_2014_07_p131 Young_king_ours_2014_07_p151

 人類に新たな敵が・・・?

 前回、ワスレナグサ回収を成し遂げた陸くんたち。

 しかし、その代償にレナさんの記憶が消えてしまい・・・

 といった展開でしたけど、今回、新たなる人類の敵「スラガ」が登場して、

 最終回なのに何事!? とか思ってしまいましたよ。

 

 たしか前回、何事かを決心した陸くんが描かれていましたが、

 それが今回の話へと、つながっていたわけですね。

 あれから数年後の世界は、“柩”と共に現れたスラガによって混乱が続いている・・・

 というのは、読者視点では「おかしい」話なのだけれども、これが人々の記憶として定着。

 つまり前回、陸くんがねらったのは、この記憶改竄だったということ。

 

 その目的、そして戦いの理由。

 陸くんの悲壮なる決意が、胸に迫る内容となっていた最終回でしたね。

 あのとき“柩”の中にいた者以外は、誰も陸くんのことを覚えていない。

 そうした状況が哀しくも、だからこそ、あの人物によって、

 すべてが明かされる方向へ導かれていたのは、納得かつスッキリする流れでありました。

 彼が登場したとき、「だれ?」と思ってしまいましたが(^^;

 

 などなど、見事なエピローグとなった今回の話。

 ただ、彼女が目覚めた後どうなったのかとか、他のみんなと和解できたのかとか、

 色々気になることも多いシメだったように思えます。

 後日談のような話も読んでみたかったな~なんて感じてしまいますが、

 長きにわたって繰り広げられてきた戦いの物語も、これにて完結。

 私は途中から読み始めた読者ではありましたけど、それでも、楽しませていただきました!

 

 

 

【新シリーズ開幕!】

●超人ロック ラフラール (聖悠紀 先生)

 Young_king_ours_2014_07_p174 Young_king_ours_2014_07_p181

 「風の抱擁」につづく新シリーズがスタート!

 惑星ラフノールで繰り広げられていた戦い。

 その映像舞台劇が描かれる冒頭、飛竜に乗ったロックの姿も確認できます。

 

 そこを訪れたテリーマイヨール、そしてその案内を買って出たプリンセンスサラなど、

 おそらくシリーズにかかわる人物たちも登場し、まずは顔見せ的に進行。

 テリーは、惑星ラフノールについて知っているようで、

 彼によると、戦争で破壊されてもうない星であるとのこと。

 このあたりは、別のシリーズで描かれたりしたのでしょうかね。

 

 新シリーズ「ラフラール」は、ラフノールの物語の続編にあたるようですが、

 申し訳ないことに私は存じ上げないため、そのつながりについてはよくわかりません。

 惑星フレンダールを舞台に、ラフノールゆかりの人々が、

 どのような物語を紡いでゆくのか・・・ 新シリーズ開始ということで、今後も楽しみです!

 

 

 

【コミックス5巻、発売中!】

●リュウマのガゴウ (宮下裕樹 先生)

 Young_king_ours_2014_07_p216

 ミズガルズ防衛線、いよいよ終結!

 ジンに捕らわれたボス子のピンチ。

 ジンはボス子のお腹にいる、まだ胎児のはずの子を引きずり出しますが、

 すでに赤子の段階にまで成長しているのは、「やはり人の子ではない」ためか・・・

 

 取り返したくとも、体が動かないボス子。

 もはやなす術なしか・・・ と思ったところへ現れたのは、ヤツハ!

 かつて、隻腕のリュウマだった頃の彼に、苦渋と恐怖を与えたジンとの対峙。

 しかし怖じることなく、ジンと戦うヤツハは、確実に“成長”したのだと感じられます。

 繭王の「記憶」を継承したヤツハ。

 リュウマの始まり、ジンの反乱、すべてを知った彼は、特別な存在となったのですね。

 

 そして、ボス子の子と、ミズガルズの新体制。

 人の世に、過ぎたる特別は望まれない。 しかし、それこそが希望となるのか・・・?

 新たなリュウマの誕生は、呪われたものとなりましたが、

 それでも、たぎるものを感じずにはいられない。

 といった感じに、今後も楽しみです!

 

 

 

【コミックス1巻、発売中!】

●師匠シリーズ ~師事~ (原作:うに 先生/漫画:片山愁 先生)

 Young_king_ours_2014_07_p232

 ネットで人気のオカルトホラー作品。

 大学生ウニが出会った先輩に、誘われ踏み入るオカルトの世界。

 そこで体験する不思議な出来事の数々が、恐怖を感じさせる作品です。

 

 今回は、とある小学校の図工の時間に、

 「家族を描く」というテーマの絵に、まつわるお話。

 子供の描いた絵に、何やら言い知れぬ不安感を覚える先生。

 そこに描かれた「家族」に違和感があり、そこに恐怖の一端が隠れている・・・

 なんて感じの内容でありました。

 

 その話を先輩から聞いたウニくん。

 場所が暗い一室ということもあってか、そこに何がいると感じてしまう

 といったことは、よくある話。 けれど、ここで重要だったのが、もう、話を聞いた以上、

 そのイメージから逃れられないということだったのは、なるほど納得でしたね~。

 一種の“呪い”ですよね、これって。

 

 読者にすら、その“呪い”をかけてしまう今回の話は、決してハデな恐怖ではないものの、

 じわじわと心に住み着くような暗闇を感じてしまう、エピソードとなっていました。

 いや、お見事。 コミックス1巻も発売中ということで、ますます今後も楽しみです!

 

 

 

【コミックス9巻、発売中!】

●天にひびき (やまむらはじめ 先生)

 Young_king_ours_2014_07_p308

 ひびきさんのオーケストラに参加しない友田さん。

 入谷くんが参加していることに驚いている様子。

 彼が言うには、ひびきさんの的確な指揮ぶりに、さらに磨きかかっているとのこと、

 そんな話で盛り上がる2人でしたが・・・?

 

 ここで、友田さんの参加しない理由(かもしれない)が明かされていて、

 まさかの真相に、ちょっと笑ってしまったのは申し訳ない(;´∀`)

 ひびきさんのコンマスをつとめる久住くんのことを気にしていたのが、

 そういう理由だったとは・・・ 本人は否定してましたけど、顔赤くなってましたし。

 

 そんな友田さんの話が面白かったりもしましたが、

 久住くんの部屋への突然の訪問者や、梶原くんと波多野さんなど、

 様々な人々の動き・思惑も、ひびきさんを中心にまわっている点が、

 興味深いというか、不思議な感じでありましたね。 やはり、“天才”は渦の中心か。

 そして、ひびきさんの選曲が、マーラーの歌曲であるねらいが、どのあたりにあるのか・・・

 色々と気になりつつ、今後も楽しみです!

 

 

 

【読み切りシリーズ!】

●ライターゴースト (鈴木小波 先生)

 Young_king_ours_2014_07_p338

 ラブレターを書きたいけれど、うまく書けない少女のお話。

 川辺たんぽぽさん14歳、意中のやまぶき君へラブレターを書きたいけれど、

 自分には文才がないとお悩み中・・・ そこへ、手助けに現れたのは?

 

 まさに、「ゴーストライター」といった通りに、ソファがしゃべって、代筆を開始!?

 すらすらと流暢に流れ出る言葉の数々が、ややレトロな趣きながらも、

 心地よく響いてきます。 鈴木先生、文才も豊かでいらっしゃる(^^;

 たんぽぽさんも、はじめは怖がっていたものの、

 じだいに心の内を明かし、やまぶき君への恋文を代筆してもらいますが、

 これが官能小説かってくらいに、あれやこれやで面白かった!

 

 そんなやりとりの中で、打ち解ける2人でしたけど、

 ここで見事な大転換があったのは、さすがでありました・・・

 いやホント、たんぽぽさんが普通に話しているので、一瞬「?」となりましたが、

 これはちょっと怖かった(((((((( ;゜Д゜)))))))) 乙女心って難しいものですね。(結論)

 はじめ、ゴーストが恐ろしいはずだったのに、それが逆転してしまう展開に脱帽。

 なんて感じで、読み切りシリーズ、次回も楽しみです!