Asian Railway Plaza

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203系CommexでBinanへ

2012年10月05日 00時31分31秒 | フィリピン
前回のお約束どおり今回は203系Commexで終点Biñanまでの乗車記を簡単にご紹介します。
10月1日夕方、たまたまRizal(Luneta) Parkまで来ており、友人の住むLaguna州Sta. Rosaまで帰る予定でしたので、これはTutuban18:45発のBiñan行き203系Commexを利用するしかないということで、始発駅のTutuban駅へ向かいました。Tutuban駅には17時ちょうどに着いてしまい、Commexの発車までは2時間近くあるので、よっぽどの鉄道好きでなければCommuterのAlabang行きに乗車するほうが懸命なのですが、やはり私も鉄の血が入っているのか連れの友人にお構いなく、一先ずはTutuban駅構内にたむろしている車両を警備員に頼み込んで撮影させてもらうことにしました。(26、29日も撮影していたのですが)30分程で撮影を済ませ、それでも出発までには1時間程ありましたが、10月1日から運行再開した「こがね」によるIsarog Express(この列車の説明は後日述べます)を見たり、駅構内をぶらぶらするうちに時刻は18:30になっていました。
てっきり私たちがこれから乗車する203系CommexはTutuban駅構内に留置されているのかと思いきやTutuban~Alabang間のCommuterに充当されており、しかも出発時刻近くになっても203系はもどって来ませんでした。出発時刻の18:45頃、ようやく203系が入線し、Tutuban方のDLを切り離したのち、すぐに別のDLがAlabang寄りに連結されました。


このCommexに乗車する大勢の乗客がホーム入口のゲートで待っていましたが、私たちは別の入口から侵入し、難なく腰掛けることができました。車内はあっという間に席は埋まり、下の写真のようにちらほらと立っている乗客がいる程度で、混雑率で表すと80%と言ったところでしょうか。


列車は定刻よりも15分遅れの19:00ちょうどに出発し、30km/h程のゆっくりしたスピードで進みました。車内は車両によって温度差があるもののRotem製DMUに比べ冷えており快適でしたが、Blumentritt、Laon-Laan、Españaと進むうちに乗客が増加し、Sta.Mesaでは混雑率が160%程となりました。ここまでくると今まで冷えていた車内も少々ムシムシするような状態になり、隣に座っていた乳児連れの両親がその子供の様子を気にするようになり、暑さのせいかとうとう泣き出してしまいました。私の連れが簡易性Pamaypay(扇子)をその親子に差し出し、扇ぐとその乳児も機嫌を取り戻し泣き止みました。
Sta.Mesaを19:20(定刻19:04)に出発し、Paco、Buendiaなどの駅を進むうちに乗客は増え、Pasay Rd.では185%程になりました。Edsa(Magallanes)では混雑率がピークに達し、おおよそ190%となりました。本当は各駅での状況を撮影したいと思っていたのですが、このような混雑では身動きをとるのですら出来ませんので諦めてしまいました。
Edsa(Magallanes)を19:48(定刻19:31)に出発し、列車はRotem製DMUよりも若干ゆっくりの50km/hのスピードで進みました。やはり機関車との総括制御ができないせいか、恐る恐るといった運転なのですが、それでも50km/hもスピードを出し、203系や201系でおなじみの「ヒューヒュー」というあの音を発していました。また、死重ながらかすかにモーターの音も聞こえるのではないかと思っていたのですが、こちらのほうは残念ながら列車の振動や線路のジョイント音が大きいせいか、全く聞くことができませんでした。
Nichols、F.T.I.と進むとかすかに降車する乗客が見られ、混雑率も180%程と僅かに少なくなりました。次のBicutanに近づくと車掌がフィリピン語で「Malapit na tayo sa Bicutan. Wake up na!(間もなくBicutanです。もう起きてください!)」というなんともフィリピン人らしいアナウンスを聞くことができました。
Bicutanに到着すると大勢の乗客が降車し、混雑率は一気に140%程となりました。これぐらいの混雑率になれば何とか車内を移動できるということで、DLを除いてこの列車の先頭にある発電機の搭載されているところまで行ってみました。発電機搭載車の貫通扉を開けるととてつもない轟音が響き渡り、1分以上いると耳がおかしくなりそうでした。


マニラ南部の交通拠点であるAlabangに到着するとBicutanと同様に大勢の乗客が降りていきました。車内はほとんど立つ乗客はあまり見られず、混雑率70%といったところでしょうか。定刻よりも約30分遅れの20:28(定刻20:00)に発車し、線路の状態が悪いのか、揺れのほうもより酷くなりました。


車内も空いたことから車内の移動が簡単になり、車掌の動きを観察してみることにしました。車掌は切符の検査をするとともに車内で切符を売っているようです。


Alabang以南の駅では高床式のホームでないため、乗客がどのように降りるのか見ておりましたが、皆さん降り慣れているのかジャンプするなり、手摺とステップを使って難なく降りていきました。また、車掌は運転士に出発の合図をペンライトを使って送るのですが、ペンライトを横に振った場合は「出発するな」、縦に振った場合は「出発ヨシ」とのことでした。


列車は終点のBiñanに近づくと車内は混雑率おおよそ30%で閑散とした状況で、30分遅れの21:00ちょうど側線側に到着しました。
私はすぐにでも機回しをするのではないかと思っていたのですが、後続列車のBicol Expressが通過するまでは機回しができないとのことで、しばらく待つことにしました。Bicol Exp.は20分遅れの20:23に到着し、下の写真のようにCommexと並びました。(右の列車がBicol Exp.)


Bicol Exp.は寝台車3両とリクライニングシート車1両の構成であり、車内を覗いてみたい気持ちがあったのですが、いつ発車してしまうのかわかりませんでしたので諦めてしまいました。


Bicol Exp.が発車し去って行くと、早速、機回し作業が開始されました。


DLがTutuban側に引き上げ、Biñan側のTc203-107の顔が拝めました。


DLが側線に移り、203系にゆっくり近づいて連結作業が開始されました。


連結作業も無事に終了し、本日の業務は終了です。
明朝の出発は夜も開けきらない4:50です。