Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

CC300+新型客車、営業開始

2021年01月19日 00時17分27秒 | フィリピン
前回、インドネシアINKAからディーゼル機関車CC300型3両と客車15両(1編成5両)が到着した話題を提供しましたが、今年1月6日は本来あるべき姿のCC300+客車5両で、南方線のTutuban〜Alabang間約28kmにおいて試運転が実施され、15日には同区間で試運転を兼ねて乗客が乗車可能なフリーライドが実施されました。
INKAからのDMUの導入時と同様に試運転の列車に乗車することが可能ですが、規定の時間の試運転期間中は無料で乗車ができるシステムで、おそらく2週間程度はこのような措置が実施されるものと思われます。

また、これらのPNRでの車輛の形式ですが以下のとおりです。
まず、ディーゼル機関車ですが、左はインドネシアで使用していた運輸省の車輛番号で、右はPNRで使用されている車輛番号です。
CC300 20 01→ DHL 9001
CC300 20 02→ DHL 9002
CC300 20 03→ DHL 9003

客車については以下のとおりです。
TC2にはドア開閉の指令機、車内アナウンスなどの装置が設置されています。
Set 1
TC1-8301-04
TC1-8301-03
TC2-8301-01
TC1-8301-02
TC1-8301-01
Set 2
TC1-8302-08
TC1-8302-07
TC2-8302-02
TC1-8302-06
TC1-8302-05
Set 3
TC1-8303-12
TC1-8303-11
TC2-8303-03
TC1-8303-10
TC1-8303-09
なお、組成は変更される可能性があり、現在、上記の組成ではないようで、私自身、現場で確認していませんので、あくまでも参考程度にしていただければと思います。
(写真は全てMark Chua氏によるもの)


15日の営業運転では、DLは2セット目の車輛と3セット目の客車が使用された模様で、定期列車のMSC708に充当されました。
また、PNRのラインカラーであるオレンジ色のCC300型ディーゼル機関車の愛称は、地元鉄道ファンから「Ponkan」と名付けられているようで、まさにフルーツの柑橘を表しています。


Alabang駅においては203系と同様に機関車の付け替えによる機回しが実施され、機回しの不可能な北方線への乗り入れはできず、北方線には従来どおりDMUのみが使用されています。
また、朝夕1往復運転されているTutuban〜Calamba間の列車に、このCC300型+新型客車が充当されていることは今のところ確認しておりません。


インドネシアINKAからの車輛導入はこれにて完了しましたが、整理しますとDMUの8000系3両編成が2本、同じくDMUの8100系4両編成が4本、そして今回のDL+客車5両編成が3本の合計40両が導入され、NSCR(南北通勤鉄道)整備完了までは日本からの中古車輛とRotemのDMUなども含めてこれらの車輛が任務に当たるわけで、南方線も含めたNSCRの整備完了までに全ての車輛が健全に機能するのか今後の問題となるのかもしれません。

CC300+新型客車、マニラに到着

2021年01月14日 11時33分19秒 | フィリピン
新年、あけましておめでとうございます。
昨年はまったく更新ができませんでしたが、今年も昨年よりはフィリピンの情報を中心にお届けできればと思っております。


早速ではありますが、フィリピンから嬉しい便りが届きましたので、PNR(フィリピン国鉄)の情報をお届けしたいと思います。
当初の予定では2020年初めに納入予定となっていたインドネシアINKA製造のディーゼル機関車CC300型3両と客車15両(1編成5両)ですが、ほぼ1年遅れて昨年暮れの12月21日にマニラ港に到着しました。到着した車輛は試運転や調整などを経たのち、南方線のTutuban〜Alabang間で、203系やINKA製DMUとともに運用される予定のようですが、この3編成のDL+客車5両の導入により、車輛留置場所の確保で、数両の203系はPasay Rd.、14系寝台車はCalambaに送られているようです。
また、マニラ港に到着したこれらの車輛はTutubanのヤードに運ばれたのちに、リサール記念日の12月30日にCC300型2セット目のDLがTutuban〜Alabang間において試運転を実施し、今年1月6日には同区間においてCC300+客車5両という本来の姿で試運転が実施されました。
今後においては規定の時間で試運転が実施され、Tutuban〜Alabang間で運用されるものと思われますが、具体的にデビューはいつになるのかについては報道されておりません。
(下の写真はMark Chua氏によるもの)


Tutuban〜Alabang・Calamba間の運用に充当されている203系ですが、昨年6月に述べたように2編成が従来の冷房装置AU75からINKA製の同等の能力を持ったI-CONDに換装されていますが、別の編成の冷房装置については中国製のものに取り替えと聞いているものの、いまだに冷房装置の取り替えが実施されていません。聞くところによるとINKAの社員が現在もなおマニラに常駐しているとのことで、ひょっとすると別の編成もI-CONDに換装されるということもあり得るのかもしれませんが今後の動向が気になるところです。


この他、昨年6月に報告しましたキハ52-122ですが、その後の様子についてはまったく情報が入っておらず、おそらくCaloocan工場で整備が途中段階のまま現在も変わらぬ状況が続いているものと推測されます。今後はキハ350と同じような姿に変身し、ダイヤ改正とともに日中のTutuban〜Gov.Pascual間往復の運用に充当されるのか注目されます。


以上、PNRの近況について簡単にご報告しましたが、世界中で起こっているコロナ感染が収束しない状況では日本からフィリピンへの渡航はほぼ難しい状況で、早く渡航ができる状況になることを願うとともにINKAから導入された車輛や日本の中古車輛、RotemのDMUがどのような活躍を見せてくれるのか楽しみにしているところです。