Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

鉄道雑誌や書籍で紹介されている東南アジア各国で活躍する日本の中古鉄道車両の記事について

2024年04月29日 20時30分53秒 | フィリピン
以前、2020年6月1日でも述べていますが、ここ20年ぐらいでしょうか、東南アジア各国で活躍する日本の中古鉄道車両の記事が鉄道雑誌に出ていますが、記事の内容には多くのミスがあり、出版の仕事を行っている私からみると、以前からまったく校正されていないことが伺えます。
資料的価値の高いものを必要としている方からただ読み物としている方も居りますが、それらをある程度満足できる内容かと思うと常に疑問を感じております。
また、現地で会話能力に問題があるからと言って、通訳を同行させたとしても、その鉄道に詳しい通訳はほとんど居りませんので、通訳の言ったことを再度間違いがないか確認するか、もしくはご自分で長い間時間をかけて現地の言葉を習得する必要がありますが、そのようなこともしないで書かれておりますので、自然と記事の内容にボロが目立ちます。
今まで私は読者の皆さまのために記事の校正、撮影許可証の取得などに私はそのライターに協力してきたつもりですが、このような読者に対して正しい情報を伝える努力もせず、ご自分の名声だけを世の中に知らしめたい人に協力するのは私はゴメンですので、私はひたすらFacebookやXなども含めて皆さまにはそのようなミスなどがあれば随時指摘したいと思っています。

続いて、私のブログ上で書いたフィリピン国鉄(PNR)の件で、テキストが勝手にそのライターに引用されているということなのですが、これが確たる証拠となります。
私のブログで、2011年12月20日に述べたものが以下の画像のものになりますが、指摘したいのは203系のMGの容量は160kVAではなく190kVAであること。もう1つはPNRの冷房電源供給はMGからではないということです。
鉄道ピクトリアル2012年3月号(No.860)で、そのライターが「フィリピン国鉄南方線はいま」というタイトルで書かれていますが、P.79、左列上段に引用されたということがわかる一文があり、明らかに私のブログで書いた記事を加工して記載しております。

下の画像は私のブログで記述したものです。



確かに参考文献として私のブログ名については掲載のお願いをご本人からいただいていたものの、引用については許可しておりませんし、私はこの冷房電源の供給については、以後、発電機からの直接供給であることをブログ上で述べておりますが、その後のこの方のフィリピン国鉄の記事において、訂正や正誤表としてのお知らせが一切ありません。
また、鉄道ピクトリアル2006年12月号(No.783)において、この方がジャカルタで活躍する日本の中古車輛について記事を出されていますが、P.109左側上段に都営6000形のことを現地では「Hiban Seri 6000」(Hibanとはインドネシア語で”頂きもの”の意)と呼称されと記述されていますが、正しくはHibanではなくHibahということでご本人には知らせて、その後の鉄道ピクトリアル2008年10月号(No.809)P.109の正誤表で「Hiban Seri 6000」は「Hibah Seri 6000」の誤りと記述されているものの、さらにその後の鉄道ピクトリアル2010年12月号(No.842)P.67の一覧表において、HIBAN SERI 6000等の間違った記載がされており、紙媒体の執筆者としての資質に大きな問題があるのではないかと思っています。
要するにこの方が記事を書く上で、過去のテキストの使い回しが常態化しており、私に記事の校正の依頼をいただいても最新の情報になっておらず、私がなぜテキストが最新のものではなく古いままなのか尋ねると、細かいところが直っておらず、ただ申し訳ないとはぐらかす始末ですが、このような古いテキストを使い回し、知らないHibahなどの特殊なインドネシア語に対して気をつけていなければ、自ずからミスは防げないのではないかと思います。
この他、以前、この方が出された書籍においても多くの誤字脱字や事実とは異なる表現がなされており、同じくその後の書籍においても同様で、ご本人と出版社側には数回に分けてミスと思われるリストをお送りしましたが、ご本人からは私の趣旨等については到底受け入れ難いとのメッセージをいただき、出版に携わる私としてもこのような読者に対して正しい情報を提供できない方には、今後においても記事を執筆できる能力や資質に問題があるのではないかと思っています。

おそらく、今後においても読者に対して正しい情報を提供をできないこのライターの記事は来月号以降の鉄道雑誌の中でも必ず記事を出されるはずかと思いますが、資料的価値の高いものを求めている読者にとっては非常に残念なものですので、どうかご承知のほどいただきたく思います。
また、記事の内容も車輛の細部に特化し記述されていますが、日本のある鉄道であればおおよそのことは読者にわかっても海外のある鉄道のことはほとんどの方にとっては知らないのではないでしょうか。
ある程度のその鉄道の概要(路線延長、営業区間、列車本数など)、歴史や社会、今後の計画なども含めて多くの読者にわかってもらえるような記事を必要としているのではないかと思いますが、以前から車輛ばかりにスポットを当てているため、確かにつまらない記事と感じている方もいらっしゃるのではないかと思っています。

最後に先程も申し上げましたが、鉄道雑誌を出版する会社では第三者校正もできない状況であり、ほとんどがライター任せという状況で、このライターの記事が来月以降も必ず出るはずであり、校正をまともにできない方の記事には今後も多くのミスがあるものと予想され、資料的価値の高いものを求めている私としても黙っていないで、ミスがあればこのブログ上でも公開していきたいと思いますし、出版社に対してもミスと思われる箇所をお知らせするとともに、FacebookやX等のSNSでもお知らせするつもりです。

フィリピン国鉄(PNR)、乗務員室に添乗-その3

2024年04月28日 16時20分35秒 | フィリピン
フィリピン国鉄(PNR)の乗務員室に添乗の記事が途中でしたので、本日はその続きということで進めていきたいと思いますが、マニラ首都圏における先月28日運休後から現在までの動きを簡単に説明しますと以下のとおりとなります。

先月3月27日を最後にPNRはマニラ首都圏の運行を続けてきましたが、28日から運行が休止され、休止後の最初の2、3日は運休準備や南北通勤鉄道(NSCR)の建設に伴う資材等を運ぶ列車が回送されたものの、南方線のTutuban〜Alabang間は4月あたま頃から列車の運行は不可能になり、鉄道敷地界にはフェンスの設置とレールや枕木の撤去作業が徐々に実施されています。
一方、北方線のTutuban〜Gov.Pascual間については、NSCRの建設に伴う動きがない模様で、時々、回送列車が通過するのが目撃されており、Caloocan WorkshopとTutuban Yardの行き来も確保することから、こちらのほうは南方線のような措置は実施されていないようです。


乗務員室に添乗ということで前回はSta.Mesaまで来ましたのでその続きですが、Sta.Mesaからは複線になり、マニラの母なる川であるPasig川を渡ります。ここにはSta.Mesa地区とPandacan地区を結ぶ多くのスケーターがPNRの線路を使って以前から営業しており、時々、列車と接触等の事故が発生していました。スケーターを営むのは沿線周辺の住民で、竹や木工で作成した手作りのスケーターを元に簡単に営業できるのかもしれませんが、特にこのPasig川ではスケーターが多く行き交う姿が見られます。南方線は先程も説明しましたようにNSCR等の整備によりレールや枕木の撤去作業が実施されていますので、いつまで営業できるのか、また、スケーターで生活の糧を得ていた人達の生活はどうなるのでしょうか。


Pasig川を渡るとPandacanに到着です。Pandacanから進行方向右側にSkywayと言われる高速道路がAlabangまで並走するのですが、このSkywayはマニラ北方のNLEXとマニラ南方のSLEXの2本の高速道路を結ぶ道路であり、マニラ首都圏では重要な道路でもあります。
また、Gov.PascualからPNRに沿って位置する高速道路であるNLEX Connector Rd.もPandacanまで近い将来延びることになり、マニラ首都圏を南北に移動する上では2つのルートで利用が可能となります。
下の写真は2010年1月にPandacan付近で撮影したもので、この頃は韓国輸出入銀行の融資により、フェーズ1としてTutuban〜Alabang間の軌道補修、駅舎修繕及びホームの整備、韓国ROTEMから新型気動車18両の導入などが実施された直後でした。
ROTEMの新型DMR1型はTutuban〜Bicutan間で8往復が運行され、一部単線区間が残る中で運行されていましたが、翌月には2倍近い増発とSucatまで延長運転が実施されました。


続いてPacoに停車しますが、Pacoには立派な旧駅舎があり、その隣には新駅舎の建設が途中で長期間ストップしてしまったのか、廃虚化した駅舎が現在も残されていますが、Skywayを挟んで駅舎の反対側にある日本のキリシタン大名である高山右近の銅像もきっと嘆いているのかもしれません。


Pacoを出発し最初の踏切があるPedro Gil St.を過ぎると、列車は左に大きくカーブしますが、それを過ぎるとBicutanまで約10kmの長い直線区間となります。
San Andres、Vito Cruzを過ぎて、以前の駅名はBuendia(Gil Puyat)、現在はDela Rosaに停車します。
駅名で言ったら主要な道路名でもあるBuendia(Gil Puyat)のほうが、小さな通り名であるDela Rosaよりも有名なのですが、以前、ホームがあったBuendia駅はホームの有効長が3両分しかなく、203系等の列車はホーム直近の踏切に停車してしまうことになりますので、新たに旧ホームの南側にホームを整備し、駅名も直近の踏切の道路名からDela Rosaとして、2017年9月より使用されています。
下の写真は手前がBuendia駅のホームで、Buendia(Gil Puyat) Ave.とDela Rosa St.の各踏切に挟まれた位置にあり、向こうに見えるのはDela Rosa駅のホームです。

下の写真は2008年3月に撮影したBuendia駅で、Rotemから新型DMUの導入により、ホームの嵩上工事が実施されていました。
この当時から私は列車が長編成化された場合はこの位置にホームがあるとどちらかの踏切の閉鎖時間を長くするので、Buendia Ave.の北側かDela Rosa St.の南側にホームを整備すべきと思っていたのですが、あとになってからDela Rosa St.の南側に新たにホームを設置するとはフィリピンの人々は深く考えていないのかもしれません。
NSCRのゲージも当初は1067mmゲージで計画されていたものの標準軌の1435mmを採用し、また、Monumento〜North Ave.間の運行をなぜMRT3号線にせず、LRT1号線にしてしまったのか、本当に不可解なところが多くあり、我々日本人には理解に苦しむところがあります。


今日はこのへんで失礼しますが、次回はもう少し乗務員室での運転士さんや助手さんの仕事の様子についてご報告したいと思います。

フィリピン国鉄(PNR)の現状について

2024年04月22日 11時42分07秒 | フィリピン
フィリピン国鉄(PNR)の現在の状況について簡単ながら述べていきたいと思います。
マニラ首都圏の運行は3月27日で終了し、翌日から完全に運行を中止しています。
現在の運行区間は、Calamba-Lucena間、Sipocot-Naga間及びNaga-Legazpi間の3区間で、マニラ首都圏で使用されていた車輛は現在運行休止中のLucena-Sipocot間や現在運行中の区間で使用される予定です。

現在の運行区間における列車時刻は大雑把に以下の通りです。
Calamba-San Pablo-Lucena(使用車輛はDMU INKA 8001編成)
IPC500 Lucena5:00→San Pablo6:32 6:33→Calamba7:33
IPC1745 Calamba17:45→San Pablo18:45 18:46→Lucena20:18

Sipocot-Naga(使用車輛はDMU INKA 8002編成)
BCT-02 Naga5:20→Sipocot6:32
BCT-01 Sipocot6:40→Naga7:52
BCT-04 Naga10:40→Sipocot11:52
BCT-03 Sipocot12:00→Naga13:12
BCT-06 Naga15:30→Sipocot16:42
BCT-05 Sipocot16:50→Naga18:02

Naga-Ligao-Legazpi(使用車輛はDHL9000+PC8300の3両)
BCT-538 Naga5:38→Ligao7:44 7:45→Legazpi8:42
BCT-545 Legazpi5:45→Ligao6:42 6:43→Naga8:49
BCT-1730 Naga17:30→Ligao19:36 19:37→Legazpi20:42
BCT-1747 Legazpi17:47→Ligao18:44 18:45→Naga20:51
朝夕ともに列車の交換はPolanguiである模様?

ちなみに1日でこの3区間の全列車を乗車することは無理ですね。


現在、マニラ首都圏では南北通勤鉄道(NSCR)の整備促進、高速道路のNLEX Connector Rd.の整備により、PNRの南方線では鉄道敷地界にフェンスの設置、レールや枕木の撤去作業が着々に実施されています。
PNRは5年間の運行休止と報道などでは伝えていますが、将来の予定については詳細に伝えておらず、NSCRがある程度整備されたあとはPNRがNSCRの下や脇を通ることになる予定ですが、およそ10年後の街づくりを考慮すると危険要素や阻害要素が多く、おそらくその計画の実現は困難を要するのではないかと個人的には思っています。
また、5年で全区間の整備は困難かと予測され、現在、建設が実施されているTutuban〜Malolos間の南部区間は基礎工事も実施されていませんので、完成には大幅な遅れが見込まれます。
下の写真はTambay Ng Daang Bakal氏から許可をいただき、掲載させていただきましたが、Alabang駅の様子で、フェンスの設置とレールや枕木の撤去が徐々に実施されており、Blumentritt駅周辺や他の区間でも同様な作業が実施されています。


続いて使用可能な車輛で、今後、Calamba以東でのCalabarzon及びBicol地方で活躍できる車輛の一覧表と編成表をまとめてみました。
DLは一部のみの車輛の掲載であり、報道等によるとDHLを含めて13両程度が使用可能なこと、使用されているPC8300はNaga〜Legazpi間において現在3両編成で使用されていること、組成についても定かではありませんので、その点ご注意いただけたらと思います。
また、Calambaに留置されているKoganeのキハ59は長年稼働しておらず、状態は不調ということを聞いておりますので、この編成表には入れておりません。
この他、DMU ROTEM DMR1の06編成は昨年夏頃から使用されておらず、05編成も昨年末頃から不調のようで、DHL9001もコンプレッサー等に異常があるとのことで長い間使用されていません。


先日も述べましたように、PNR運行部長兼スポークスマンのJoseline氏は7月中にマニラ首都圏で使用された10〜12編成をCalabarzon及びBicol地方で使用予定と述べており、今後はこれらの車輛の移送が実施されるものと思われるものの、それだけの需要があるのかどうかと言うと不安要素が多いところもありますが、203系やDHL9000+PC8300にしても、DMUにおいても編成を短くすることは可能ですので、これらの車輛がCalamba以東で活躍できることを願いたいものです。

次回は、鉄道雑誌に海外で活躍する日本の中古車輛について記事を20年程掲載されている方のことについて述べることを予定しておりますが、現在もその方が書かれた記事がフィリピンも含まれて掲載されており、過去のミスと思われる記述に対してのちの正誤表等でお知らせすることもなく、新たな記事が掲載されていることに資料的価値を求めている読者の方々にとっては甚だ憤りを感じているのではないでしょうか。
一言でご説明しますと校正能力に問題がある、また、過去の記事を見てミスがあった場合には真摯に読者に正誤表でお伝えする努力もしないライターが現在も書き続けていることに大きな問題があると思いますが、私が過去に経験してきたことを元にこの件について、まとまり次第述べていきたいと思っています。

フィリピン国鉄(PNR)、Calabarzon及びBicol地方での今後の予定について

2024年04月16日 11時14分39秒 | フィリピン
4月3日、フィリピンInquirerによりますと、フィリピン国鉄(PNR)の今後のCalabarzon及びBicol地方での車輛計画について報道されています。
取材に応じたのは度々テレビのニュース番組にも出演されるPNRの運行部長兼スポークスマンであるJoseline A. Geronimo氏ですが、マニラ首都圏で使用されていた10から12編成を上記の地方へ7月中までに移送する計画であることを述べています。


ここでマニラ首都圏で使用されていた車輛を移送し、上記の地方で使用される予定の車輛について考えてみたいと思いますが、現在、既に使用されているCalabarzonとBicol地方の車輛も含めると下記の車輛が考えられます。

DL13両(DHL9000、3両も含む)
7編成の客車セット、203系4編成ないし5編成、PC8300系3編成
8編成のDMU、8100系4編成、8000系2編成、DMR1の2編成

今年1月中旬のPNR車輛課部長に対しての取材においては、マニラ首都圏で使用された車輛の移送は5月中までに、その後の調整や整備については8月中の予定で、9月からLucena〜Gumaca間77.55kmで運行を開始し、Gumaca〜Ragay間101.82kmについては12月を目処に運行開始が計画され、最後に残るRagay〜Sipocot間28.09kmの運行開始予定は来年頃のようで、Ragay〜Sipocot間はSipocot〜Naga間に運行されている列車がRagayまで延長されるのかどうかは不明です。

Lucena〜Gumaca間、Gumaca〜Ragay間についてもそれぞれの区間で単独運行とするのか、またはLucena〜Ragay間の列車として運行されるのか、こちらも不明ですが、Gumacaは大きな街ではなく2区間に分ける必要性もないかと感じますので、Lucena〜Ragay間で運行されるのかもしれません。
なお、Lucena〜Ragay間の運行に際して使用される形式は計画上203系4本程度(予備編成も含めて)となっていますが、マニラ首都圏のような需要はないことから編成両数も5両ではなく3両程度、列車本数は1往復程度が予想されます。


この他、区間によっては列車増発の計画もあり、かつ不測の事態に備えて予備車輛の確保もありますので、基本的にはマニラ首都圏で使用されていたほとんどの車輛がこれらの地域に移送され今後も活躍するのではないかと予想されますが、私個人的には203系がのどかな田舎を走る姿を見たいものです。

報道は以下参照
https://newsinfo.inquirer.net/1925343/pnr-trains-on-halted-metro-line-moving-to-s-luzon-bicol-routes?fbclid=IwAR3NRmGliWIBigZNWYdepSr6eZFIlnmVrefBvNrQkV_zKr6iR56N-SWkxBk


フィリピン国鉄(PNR)、マニラ首都圏の状況の続報について

2024年04月12日 11時15分27秒 | フィリピン
前回、このブログでもお知らせしましたとおり、南北通勤鉄道(NSCR)の整備を促進すべく、フィリピン国鉄(PNR)のマニラ首都圏の運行休止は3月27日が最終日となり、翌28日より完全に運行を休止しました。

運行休止直後はNSCRの整備、PNRの施設資材を運搬する目的なのか、ほんの数日のみDL+203系が回送列車として運行されましたが、ホリーウィーク後の4月に入ってから各所でフェンスの設置、レールや枕木の軌道の撤去などが実施されているようで、Tutuban〜Alabang間については列車の走行は完全に無理なようです。
また、北方線の途中にあるCaloocan workshop(Caloocan工場)とTutubanの間については軌道の撤去が現在も実施されていないようで、時々、この区間を行き来する列車が目撃されているようです。

マニラ首都圏で活躍を続けてきた203系やINKA製のDMU8100系、同じくINKA製のDHL9000+PC8300の1編成、ROTEMのDMUであるDMRの使用可能な05と06編成はTutuban yardに集結し、下の写真のとおり留置されていますが、PNRの修繕担当の方々が時折、車輛の整備や清掃活動を実施しているようです。
下の写真2枚はRailway Pilipinas 8104様から許可をいただき、掲載させていただきました。


上の写真の姿は4月上旬に撮影されたものですが、203系はTutuban駅の各番線に留置され、2015年の脱線事故後の運休以来見られない姿を見せているようです。
また、Tutuban yardの北方にある最初の踏切は下の写真のとおり、ゲートで閉ざされ、警備員がゲート入口に現在も常駐し、PNR関係者以外の入出場は規制されているようです。


なお、列車の運行休止に伴いHM Transportがバスの運行を2月中旬から運行されているようです。
4月1日改正によるバスの運行時刻はTutuban発の始発が5:00、最終が21:30、一方、Alabang発の始発が5:00、最終が20:00で、バス運行間隔は30分毎で運行され、基本的にはPNRの各駅の最寄に停車しているようですが、駅によっては利用が困難なところもあるようです。

最後にBlumentritt駅やSta.Mesa駅付近では既にレールや枕木の撤去、鉄道敷地界においては高いフェンスの設置が沿線全体で実施されているようで、列車の運行の合間に沿線住民のために違法ながら運行されていたスケーターも、これらの工事により徐々にできなくなるのかもしれません。
下の写真は今年の1月にSan Pedro駅で撮影したものです。



フィリピン国鉄(PNR)マニラ首都圏の運行休止及びCalamba〜Lucena間で運行再開

2024年04月01日 18時46分36秒 | フィリピン
カトリックの国、フィリピンでは先週はホリーウィークに入り週末を中心に公共交通機関の輸送はストップしましたが、フィリピン国鉄(PNR)はこのホリーウィークに乗じて、マニラ首都圏の運行を3月27日の運行をもって終了し、28日より南北通勤鉄道(NSCR)の建設工事を促進するため運行が休止されました。

当初、PNR、マニラ首都圏の運行最終日は各メディア報道でもあるように今年1月中旬と報道され、PNR運行部の方からも暫定ながら今年1月15日と知らせをいただき、私もその暫定日を最終運行と信じて訪比しましたが、実際には運行最終日は延びてしまい3月27日となりました。
マニラ首都圏における運行区間については、南方線、Tutuban〜Alabang間の28.08km、北方線、Tutuban〜Gov.Pascual間の8.80km、北方線のSolis〜南方線のBlumentrittを結ぶ短絡線の数百mが営業区間であります。
運行最終日の運行体系としては、主にTutuban〜Alabang間に1日22本の列車が運行され、その他、Tutuban〜Gov.Pascual〜Bicutan間に1日8本(列車番号別に)の列車が運行されており、1日の合計列車本数は30本でした。

下の写真は2018年5月30日にPandacan〜Sta.Mesa間にあるマニラの母なる川であるPasig Riverの橋梁から撮影した203系です。


2月下旬、PNRの運行部の方に運行最終日に尋ねてみたところホリーウィークの3月27日が最終日になるという知らせをいただきましたが、やはり仕事の関係上休みを取ることは困難であり、静かに運行最終日を見守ることにしました。
となると運行最終日にどの列車がファイナルトレインになるのか興味深いところですが、通常ではAlabang駅では夜間滞泊する列車が2本あり、Alabang行き最終1本前と最終列車がAlabang駅で夜間滞泊し、それぞれ翌日朝のTutuban行き1番列車と2番列車になります。
昨年7月のCalamba〜Biñan間、Biñan〜Alabang間の運行休止時において、翌朝はTutubanへ戻す列車だけが運行されましたので、今回も同様な措置かと私は推測していたところ、27日の夜、通常最終列車になる列車番号MSC2038、Tutuban20:36発、Alabang22:11着がファイナルトレインになり、Alabang到着後はTutubanへ回送列車として最後の運行となりました。
(最終1本前の列車もAlabang到着後、Tutubanに向けて回送列車となりました。また、この時刻表は標準時刻表であり、今年1月13日からデータイムを中心に列車が減便されました。

この他、前回、記述しましたファイナルトレインの予想、ハズレましたので上記のとおり訂正いたします。)

このファイナルトレインに充当された車輛はDL921+203系07編成の5両で、Alabang発車時は運転士が何度も警笛を鳴らし、数人の鉄道マニアを乗せた回送列車は静かに別れを告げ、Tutubanには翌日深夜1時頃に到着したようです。
運休後は下の写真のようにTutuban駅各ホーム発着番線に車輛が留置されているようですが、運休後も資材搬入等でTutuban〜Alabang間で列車が運行されているようです。


この他、今までマニラ首都圏で使用されてきた車輛の今後はCalamba以東のCalabarzonとBicol地方で使用される予定で、早くて今年9月頃から車輛をCalambaへ移送されるものと予想されますが、PNRの車両課では各形式の使用予定区間、列車本数等の計画はあるものの、全ては旅客需要に応じて変更される可能性がありますので、その計画については示さず今後のお楽しみということで、何か動きや予定があれば随時ご報告させていただきたいと思います。


その他の話題ですが、昨年12月下旬にCalamba〜San Pablo間で突如と列車の運行が休止されましたが、4月1日からCalamba〜San Pablo〜Lucena間で、列車が運行開始されました。
San Pablo〜Lucena間は従来の運行スケジュールでは、朝、San PabloからLucenaへ、夕方、LucenaからSan Pabloへ列車が運行されていましたが、4月1日から以下のようになります。
IPC500 Lucena5:00→San Pablo6:32 6:33→Calamba7:33
IPC1745 Calamba17:45→San Pablo18:45 18:46→Lucena20:18

使用される車輛はSan Pablo〜Lucena間で使用されているINKAのDMU8000系3両編成のようですが、運行時刻から考慮するとSan Pablo〜Lucena間での利用者にとっては非常に利用しづらいものであることから乗客は極めて少ないのではないかと推測されますので、数ヶ月後にはSan Pabloで運転打ち切りもしくはこの運行も休止になってしまうことも予想されます。

マニラ首都圏におけるフィリピン国鉄(PNR)の最終運行は3月27日、28日から運行停止

2024年03月25日 20時25分16秒 | フィリピン
マニラ首都圏におけるフィリピン国鉄(PNR)の運行は3月27日で終了し、翌日28日からは完全に運行が停止されるようです。

通常、Alabangで2本の列車の夜間滞泊があり、その2本の列車は翌日朝にTutubanへ営業列車として返しますが、翌日28日から完全に列車の運行は停止されるようです。
ですので、ファイナルトレイン(最終列車)は27日夜の列車番号MSC1818、Tutuban18:16発→Alabang19:51着が下りの最終、列車番号MSC2131、Alabang20:03発→Tutuban21:38着が上りの最終となるようです。
使用される予定の形式についてはEMUの203系ですが、場合によってはINKAのDMU8100系が使用されることも想定されます。
また、最終日の27日、Tutuban-Gov.Pascual-Bicutanルートの列車も運行されるようですが、同ルートの列車が運行された場合、Gov.Pascualからの列車はTutuban着が20:53ですので、実質のファイナルトレインはMSC2131になります。


1892年、約350年のスペイン植民地支配から開放されようとしていた時期に米西戦争によりアメリカが新たな支配者となり、そのような時期に開業したのがフィリピン国鉄でしたが、132年にもおよぶ長い歴史の中で、フィリピン国鉄は新たな場面を迎えます。
マニラ首都圏においてはClark〜Manila中心部〜Calambaを通る南北通勤鉄道(NSCR)の整備が実施されていますが、今後はこの南北通勤鉄道がマニラ周辺の大きな大動脈になりうる鉄道として生まれ変わる予定です。
また、今まで活躍してきたフィリピン国鉄の203系をはじめとする車輛はCalamba以遠のCalabarzonやBicol地方で活躍が期待されていますので、今後もこれらの車輛の動向に注目しておきたいところです。
まずは、ファイナルデーに向けて残り2日間のフィリピン国鉄の終焉に注目です。


写真は今年1月に撮影したもので、ファイナルトレインには非常に残念ながら乗車ができませんので、私なりにお別れということで、私が作成したヘッドマークを飾ってみました。
ヘッドマークはフィリピン国鉄のエンブレムにフィリピン語でさよならを意味する「Paalam」、日本語の「さよなら」と添えて作成してみました。



フィリピン国鉄(PNR)、乗務員室に添乗-その2

2024年02月27日 15時59分32秒 | フィリピン
昨日はTutubanとGov.Pascual間を結ぶ北方線について簡単に説明しましたが、本日はTutubanとAalabang間を結ぶ南方線について簡単にに述べていきたいと思います。

現在、この区間で使用されている車両はDL+EMU203系の5両もしくはINKAのDMU8100系4両編成で、昨年7月下旬の訪問時において両形式ともに使用され、今年1月中旬においては203系しか確認できませんでした。
昨年7月下旬ではINKAのDMU8100系に、今年1月中旬では203系を牽引するDLの乗務員室に添乗しましたので、それを元に話しを進めていきたいと思います。

Tutuban〜Alabang間の距離は約28kmあり、現在の所要時間は1時間25分ですが、ROTEMのDMUが配置されたあとの2010年6月現在の時刻表を見ますと、所要時間は僅か55分で、現在ではその当時の1.5倍くらいかかっています。
これは2015年4月29日にEDSA~Nichols間において、何者かによってレールとレールを結ぶ継目板を盗んだことにより、列車の脱線事故が発生し、その後5月5日より全線にわたり運行中止となり、マニラ近郊区間の全線において、軌道や車両等のメンテナンスが実施されましたが、2015年の7月23日の運行開始から安全性の確保を高めるため、基本、全線に渡って最高速度40km/hとなり、以前のように60km/hぐらいで走行することはなくなりました。


また、Tutuban〜Alabang間の1日の運行本数については、今年1月12日までは28本、2月12日からは22本となり、データイムの運転間隔がほぼ1時間間隔であったのが2時間〜約3時間半置きになってしまい、Tutuban11:26→Bicutan12:40 13:04→Tutuban14:18の列車も1月13日からの運休で非常に利用しづらいものになりました。

基本的な情報はここまでとし、下の写真の列車の乗務員室にお邪魔しました。


列車はTutuban15:06発で、定刻時刻に発車しました。Tutuban駅北方のデルタ線で列車は右に90度曲がり、LRT1号線の高架駅が見えてくるとBlumentrittに停車しました。
続いて、ここから以前までは複線であったものが現在では単線になりますが、NLEX支線の高速道路建設によって資材置場の確保、建設工事場所の確保等行う上でPNRの軌道の一部がそのスペースに転用され、単線になることを余儀されなくなってしまったようです。元々はこの高速道路は標準軌用の鉄道用地として計画されていたのですが、フィリピンの都市・交通計画には一貫性なしでその場凌ぎのところが多く、計画は変更されてしまいました。

次の停車駅はLaon Laanですが、この駅はいつの日からか停車しなくなり、旧駅舎の北西側に仮のプラットホームが建設され、いつしか使用されるものと思われていたものの停車していませんでした。その後の一般メディアでのマニラ首都圏におけるPNRの2014年1月中旬の運行休止予定の報道があった後も結局使用されないものと誰もがそのように思っていたところ2023年10月17日に突如と営業開始されました。


軌道の北東側にも高速道路のギリギリ真下あたりに仮ホームが設置されていますが、下の写真のようにこちらには屋根がなく、駅南東側の2本の軌道は緩衝するようですので、おそらく北東側のホームはこのまま使用されないのではないかと推測されます。


次のEspaña駅に近づきますと、現在のNLEX支線の高速道路の終点出入口があり、ここから先は建設中ですが、将来的にはNLEXとSLEXを結ぶSkywayと結ばれることになります。

QuiapoとQuezon Cityを結ぶEspaña Blvd.の通りを通過しますとEspaña駅に到着します。
ここはSampaloc地区の中心地であり、Sampalocとはタマリンドを意味しますが、タマリンドはフィリピン料理には欠かせないもので、味は酸っぱく、シニガンスープなどに入れます。
また、アジア最古の大学とも言われ、フィリピンの最も英雄とされているホセ・リサールも学んだサントトーマス大学が近くにあります。

Españaを出発しますと、単線区間は次の駅のSta.Mesaまで続きますが、軌道は高速道路の建設で変えられてしまったのか、ヘロヘロの状態となります。
左側の軌道は使用されていませんが、右側のレールがほとんど見えないようなところを20km/hぐらいでゆっくりと進みます。


LRT2号線の高い高架橋が見えてくると間もなくSta.Mesaに到着し、この駅手前から複線区間に戻ります。
本日はここまでとし、その続きは後日に説明などさせていただきたいと思います。

フィリピン国鉄(PNR)、乗務員室に添乗-その1

2024年02月26日 00時50分58秒 | フィリピン
フィリピン国鉄(PNR)の話題の続きですが、先日も述べましたように最近のマニラ訪問はコロナ以降は昨年7月下旬と今年1月中旬で、いずれの期間においてもPNRの事務所を訪問し、PNR敷地内での撮影と列車への添乗許可証をいただき、両方の許可をなんとかいただきました。
フィリピンもインドネシアもそうですが、2005年頃までは車庫や駅構内などの鉄道敷地内では撮影に対しては全くお咎めもなく自由に撮影でき、乗務員室への添乗、運転士にチップを渡せば自由に乗り降りも可能でありましたが、年々、鉄道会社での規律も厳しくなってきたのか、乗務員室への添乗許可は許可証がないかぎり難しいもので、車庫内など鉄道敷地内での撮影においてもやはり許可証が必用で、許可証の申請においては担当部署にフォーマルなレターの提出が求められます。そんな面倒くさいことをしてまでも取得する必用があるのかというと、やはり最近の鉄道雑誌に出される記事にはいい加減なことをお書きになる糞ライターさんもおり、しかも勝手に私のブログの記事をそのまま引用する者も居るのですが、私はできるだけこのブログをご覧いただいている方々に対しては正しい情報をお届けすべく、訪問時の様子を的確かつ詳細に発信できればという考えのもとで、列車への添乗を実施し、皆様にその様子を少しでも味わっていただきたく、参考にしていただけたらと思っております。

皆様にはその糞ライターさん、あえて名前を出さなくてもわかる方はいらっしゃるかと思いますが、私は読者のためにと思いそのライターさんには一部記事の校正、取材や撮影で必用な撮影許可証の申請方法の伝授など協力いたしましたが、お金を払って購入していただいている読者に対してできるだけ正しい情報をお伝えしようという努力がまったくないこと、ご自分の名誉や原稿料、印税など金銭的なものを優先していることが明らかであり、毎月のように平然と鉄道雑誌等に記事を出されていることに、私も読者の1人として我慢ができないわけです。
まあ、そのようなことについては今回この場で長々と書く必用もありませんので、この辺で終わりにして次に進めたいと思います。

下の地図は複線区間は2本線、単線区間は1本線で表現しています。


ということで、昨年7月下旬はBicutan発の列車でGov. Pascualに乗り入れる列車に添乗しましたが、北方線部分に関して述べますと、Tutuban〜Gov.Pascual間は南方線の分岐部までは西側の線路(南方線の上り)を使用し、分岐部から終点Gov.PascualまでとBlumentritt〜Solis間のデルタ線は棒線状態の単線で、途中、列車の行き違いができる施設もなく、終点、Gov.PascualでのDLの機回線もないため、DMUしか乗り入れることができません。
CaloocanにあるPNRのWork shop付近から線路は終点Gov.PascualまでNLEX支線の高速道路の直下をひたすら走ります。


Bicutan発Gov.Pascual行きの列車はBlumentrittまではそこそこの乗車率で、乗客がほぼ座れる程度でしたが、Blumentrittを過ぎると乗客は0に近く、空気と乗務員、レールウェイポリスを運ぶだけのような列車になってしまいました。


また、北方線に乗り入れるTutuban〜Gov.Pascual〜Bicutan間の列車には昨年7月下旬時点ではROTEMの05編成が主に充当されていましたが、ROTEMの車両の不調により、現在ではINKA8100系の4両編成が充当されているようです。
終点、Gov.Pascualでの折り返しは夕方のBicutan行きを除けば10分にも満たないうちに発車しますので、ちょっと駅周辺を散策するとか、おやつタイムにするとかもできず、すぐに列車に乗り込むしかありません。


また、Gov.Pascualを発着する列車は限られますが、以下のとおりです。
Tutuban6:41→Gov.Pascual7:04 7:12→Bicutan8:46 9:02→Gov.Pascual10:26 10:35→Tutuban10:58

Tutuban16:21→Gov.Pascual16:44 17:14→Bicutan18:45 18:55→Gov.Pascual20:19 20:30→Tutuban20:53

フィリピン国鉄(PNR)、マニラ首都圏の状況について

2024年02月21日 02時03分00秒 | フィリピン
一昨日はフィリピン国鉄(PNR)のBicol地域の状況について、昨日はCalabarzon地域の状況について述べていきましたので、最後はマニラ首都圏について簡単に述べていきたいと思います。

先日も述べましたとおり、私は昨年7月末と今年1月中旬にフィリピンに訪問し、2度の訪問でフィリピン国鉄の状況を見てまいりましたが、マニラ首都圏においては南北通勤鉄道(NSCR)の建設工事を加速するため、各メディアの報道によりますとPNRは2024年1月中旬を目処に運行を中止するという報道を受け、運行最後のXデーを1月15日と仮定し、最後の活躍する姿を撮影すべく1月11日に東京からマニラを訪問しました。しかしながらそのXデーが過ぎても現在でも運行されており、いったいいつになったら最後の運行を迎えるのかまったくわかりません。
マニラ首都圏の運行状況としては下の地図のとおりで、列車の運行体系として1つはTutuban〜Alabang間、もう1つはTutuban〜Gov.Pascual〜Bicutan間、そして現在では運行が中止されているTutuban〜Bicutan間の3つのルートで、Alabang〜Calamba間については昨年7月より順次運行が中止され、現在、この区間では工事を推進すべくレールが一部撤去されています。


また、基本の1日の運行本数は今年1月12日までは、Tutuban〜Alabang間が28本、Tutuban〜Gov.Pascual間が4本、Gov.Pascual〜Bicutan間が4本、Tutuban〜Bicutan間が2本の合計38本でしたが、13日から下の表のようにデータイムを中心に徐々に運行本数が削減され、1月20日から2月10日頃までは26本まで落ち込みましたが、ここ最近では4本増えて合計30本になりました。
昨年から今年1月12日までの基本が38本で、データイムはおおよそ1時間置きの運転間隔であったものの現在では2時間〜約3時間半置きというのは淋しいものになってしまいました。

続いて車両についてですが、Tutuban〜Alabang間に充当される車両は昨年7月下旬では203系とDMU8100系が使用され、今年1月中旬においては203系のみが使用されていました。


203系で使用可能な編成は下の編成表のとおり02、04、05、06、07の5編成で、04と07の編成には車体色が塗られていないグレーの車両が今年1月でも存在しましたが、2月にはその2編成にPNR203系では基本の色で塗装され、オレンジ帯については従来どおり腰部ではなく裾部分に塗られて2種類を楽しむことができるようになりました。


04と07編成は長い間グレーのままでしたが、今年2月にPNRの基本色に塗り替えられ、グレーの203系は見られなくなってしまったようです。
また、前面窓部分にも青色で塗られてしまい見た目はあまりカッコいいものではないようです。


最新の編成表は以下のとおりです。詳細な組成状況については確認しておりませんので、あくまでも参考程度にお願いいたします。


また、08編成もTutubanヤード内に留置されていますが、基本は部品取り用の車両です。


DMU8100系については8101Fから8104Fの4本がTutubanに配置されており、昨年7月下旬ではTutuban〜Alabang間の運用に充当されることもありましたが、今年1月中旬では充当されておりませんでした。しかしながらROTEMのDMUであるDMR1型の05編成の不調により、Tutuban〜Gov.Pascual〜Bicutan間の運用にこの8100系が充当されていました。


先程述べました韓国ROTEMのDMUであるDMR1型は昨年7月では05と06編成が稼働できる状況だったと思いますが、06編成は昨年の夏あたりから稼働できていないようで、05編成のほうについても昨年末あたりから稼働していないようです。


05編成はブラックフェイスに変更され、INKAのDMUである8000系や8100系と同じような塗り分けになりました。


最後にINKA製造のDHL9000+PC8300の第1編成がTutubanヤード内に留置され、長い間運用についていませんが、こちらも機器の不調があるようで、どうもDHLのCPの調子が悪いとPNRの社員が述べていました。


以上がマニラ首都圏における車両の状況ですが、短時間で観察したり、人から聞いた情報ですので、あくまでも参考程度にお願いいたします。
また、今後予定されているマニラ首都圏の運行休止に伴いINKAのDMU8000系及び8100系、ROTEMのDMR1型、INKAのDHL9000+PC8300、EMUの203系についてはCalamba以東で使用する計画があり、現在運休区間での使用と現在運行区間での列車増発用としての使用が早くて9月頃から予定されております。
しかしながら、現在もマニラ首都圏では運行が続行されており、運行休止が3月以降になりますと、車両の運搬や整備などにも時間を要すため当初の予定時期が遅れたり、運休区間で運行開始したとしても利用状況が芳しくない場合は運休となることも想定されるため、まったく先の状況が読めません。
車両関係については以上になりますが、Tutuban〜Aalabang間でも乗務員室への添乗をさせていただきましたので、また、時間がありましたらそちらの話題でも述べていきたいと思います。