Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

小田栄駅開業

2016年04月17日 19時17分09秒 | 南武線
2週間ぶりのブログ更新となり申し訳ありません。
先月は3月26日にダイヤ改正が実施され、北海道新幹線が青函トンネルを通り北海道の新函館北斗まで開業し、世間はその話題で持切りでしたが、前回も述べたように新幹線にほとんどお世話にならない私にとってはどうでもよい話題で、むしろ南武線のイベントのほうが大事であり、今回は南武支線(浜川崎線)の浜川崎~川崎新町間に開業した小田栄駅について簡単にご報告していきたいと思います。
小田栄駅は南武線としては2009年に開業した西府駅以来の新駅開業であり、おそらく私の予測ではこれ以上南武線に新駅の開業は望めないのではないかと思いますので、南武線最後の新駅開業と言ってもよいのかもしれませんが、今回、この小田栄駅の設置にあたり、通常の新駅設置とは異なるJRと自治体の川崎市が包括連携協定を締結し、事業費の負担について両者折半で開業しました。1日の乗降客数が予測では3500人と都会の駅としてはあまりにも少ない数値ということもあるためか駅の構造自体は簡易なもので、小田踏切を挟んでそれぞれの本線上に長さ50mのホームが設置されています。


上の地図を見ていただければわかると思いますが、JRではこのような踏切を挟んでそれぞれホームを設置するというような駅は見られないのではないかと思いますが、おそらく新駅設置による費用をできるだけ最小限にすることを勘案した上で、このような結果になったのではないかと思います。
また、それぞれのホームと踏切の位置関係は列車が発車してからこの小田踏切を渡ることになりますので、踏切の遮断時間が長くなってしまい、交通渋滞を引き起こすとともに朝のラッシュ時を中心にこの踏切を通る臨港バスの遅延にもつながり、定時運行が阻害されていることも予想されるのではないかと思われます。
この他、駅利用者や周辺の歩行者等の安全性や利便性を考慮する上で跨線橋の設置が望まれますが、南武支線(浜川崎線)の直上と線路沿いには東京電力の高圧線が通っていることから、絶縁距離を確保することが困難であり、跨線橋の設置はされていません。
下の写真は小田第五踏切(尻手側)から小田栄駅を臨んだもので、工業地帯特有というのか南武鉄道特有というのでしょうか高圧線が線路直上にあり、高圧線兼用の独特な架線柱が味わいを見せています。


この小田踏切をもう少し詳細に見ることにしますが、ちょうど4方向の道路が交差する所に踏切が位置し、構造的には矢向~鹿島田間にある塚越踏切にそっくりなのですが、この周辺にはコーナンやイトーヨーカドーの商業施設もあるためか自動車交通量が多く、歩行者・自転車交通量も多いため、観察していると危険と感じたことが時々ありました。


できればこのような踏切は除去するべきだと思いますが、鉄道と道路を立体交差する上ではどうも困難なようで、道路を高架化する上では先程も述べたように高圧線があるため、鉄塔の改良等が必要なのではないかと思うと同時に、上の地図に示すように市電通りの交差点(小田栄町)~田島中西側交差点は市道富士見鶴見駅線の一部で、都市計画道路に指定されているものの未整備区間ということで、将来的に代表幅員36mに整備される計画になっており、この踏切部分においては道路がアンダーパスによって整備されるようですが、この未整備区間の道路整備の予定は目処が立っていないようです。

小田栄駅前には小田踏切のバス停が近接していますが、このバス停において臨港バスの川崎駅行きが日中は約8分置きに運行されており、特に高齢者にとってはフリーパスなどの制度があるため、バスのほうが利便性が高いと思われます。一方、南武支線(浜川崎線)は3年ぐらい前から日中は40分間隔と運転間隔が整理されたものの、40分毎では時間帯によって発車時間が異なり覚えられないことや列車の運転間隔が長過ぎることからせめて毎時30分間隔もしくは20分間隔に改善されること。また、長期的に2000年の国交省の交通網に関する基本計画で整備について検討すべき路線に位置づけられた川崎アプローチ線を整備し、川崎と浜川崎を結ぶことも必要になるのではないかと思いますが、JRと川崎市で締結した包括連携協定の中でこのような点においても協議されるのか注目しています。


その他、新駅利用の利便性向上と利用促進を行う上で、下り線ホームの横には駐輪場が整備され、当面の間は無料のようですが、駅勢圏が狭いことややはりいまだに利用しづらい路線であることから、駐輪場の半分以上は平日でも使われていないようです。


最後に南武支線(浜川崎線)の車両に新駅開業を祝してW4編成の1編成のみにヘッドマークが取り付けられており、全ての支線の編成においては車体側面の帯に川崎地区から連想される「音楽と海」をイメージしたデザインのステッカーが貼付けられ、車内のモケットも新たなものに取り替えられていることからその姿を撮影してみました。


浜川崎寄りのヘッドマークは京浜工業地帯の海と川崎のまちをイメージしているのでしょうか。尻手側のヘッドマークも含めて地元の高校生が製作されたようで、なかなか良いデザインではないかと思います。ちなみにヘッドマークの掲出は5月8日までのようで、ここ最近、日中運用にこのW4が1日置きに充当されているようで、今後においても1日置きに充当されることが予想されます。


尻手側のヘッドマークはマンガチックな感じになっており、こちらはほのぼのとしています。


南武支線(浜川崎線)沿線には撮影する場所が少ないですが、南武鉄道時代に建てられた高圧線の架線柱も特徴的であるためその遺構とでも言うのでしょうか、205系とのツーショットということで撮影してみました。
(写真は管理人に許可を得て撮影)

Caloocan工場訪問

2016年04月04日 00時16分56秒 | フィリピン
前回に続いてフィリピン特集ということでこれで最後になりますが、PNRのCaloocan工場訪問の話題を簡単に説明していきたいと思います。
Caloocan工場はPNR(フィリピン国鉄)の起点の駅であるTutuban駅の北方約5kmのところに位置し、TutubanからCaloocan工場の最寄駅に相当するCaloocan駅までは、現在でも列車は運行されておらず休止区間(工場への入出場列車の回送は可能)となっているため、Caloocan工場を訪問する際にはタクシーやジープ、またはLRT1号線のMonumnetoまで利用することになり、少々行きにくいところです。
昨年は5月下旬と9月中旬に訪問したのですが、9月訪問時は写真を多く撮影しておりませんので、5月撮影の写真とともに説明していきたいと思います。
Caloocan工場訪問前に見ておきたいのが、中国の援助で進められていたノースレールの建設現場ですが、2006年から開始された建設はその後工事の遅れや中断などがあり、最終的には事業が中断し、軌道が整備されたのは起点のCaloocan周辺のたった1kmでした。建設されたこの軌道が現在も残されているのかということで確かめるべく行ってみたのですが、下の写真のように現在も複線の軌道が残されていました。ゲージは巻尺のようなもので測っていませんが、確かに標準軌の1435mmはあるようで、昨年、決定した日本のODAによりTutuban~Malolos間約38kmが2021年を目標に完成させる予定ですので、せっかく整備されたこの軌道もゆくゆくは撤去されてしまい、高架レベルで鉄道が整備されるものと思われます。また、調達条件については日本タイドとなっているため車両は日本製であり、ゲージはPNRと同じ1067mm、電気方式は架線方式で直流1500Vもしくは交流25000Vが考えられるのではないかと思います。


続いて、PNRのCaloocan駅もついでに見ておきたいところですが、Caloocan工場の北側、Monumento駅に通じるSamson Roadの南側にその駅が位置しますが、そこには以前までTutuban~Biñan間に使用されていたCommexのボロボロ12系が5両ほど留置されており、その脇では高速道路のSLEXとNLEXを結ぶために南北連結高速道路の基礎工事が行われていました。


その後、Caloocan工場のゲートで警備員に許可証を見せて工場内に入場したのですが、まず目にしたのがDOST(科学技術省)のハイブリッドトレインで、Bicutanの研究所で見たハイブリッドバスにそっくりな車両です。この車両は各車両に電動機を取り付けて動かすとのことで、昨年5月の時点では取り付けている最中でしたが、9月訪問時においては工場内で起動試験が実施され、工場の脇にあるPNRの線路上でも試験が実施されていたようです。PNRの車両担当者はこの車両を使用して、Tutuban~Caloocan間で運行させ、その後、南方線のTutuban~Alabang間でも運行させるというようなことも述べていたかと思うのですが、果たして今後このような車両が活躍し、普及に至るのか気になるところです。


車内に入ってみると、やはりハイブリッドバスと同じような造りですが、こちらのほうが若干広く感じます。ちなみにこの車両はFIL-ASIA製で、フィリピンで製造されたようです。


運転台にはマスコンやブレーキ弁のようなものは設置されておらず、その後、取り付けが実施されたのかもしれません。また、乗務員室は非常に狭く、1人が入るのがやっとの広さで、ちょっと太めの人にはきついかもしれません。


こちらが連結面で、基本的には各車両間の通り抜けはできないようですが、今後、ホロなどを設置して通り抜けができるようにするのかもしれません。


トラバーサー付近には203系や14系が留置されていましたが、203系は01編成が留置されており、この01編成だけ発電機の搭載位置がTcの後位に設置されているため、運用に充当する上では非常に厄介であり、発電機の位置を後位から前位に移設させるのかもしれません。
また、14系はBicol Expressの運転が昨年末までを目処に運転再開させるというような予定があったもののいまだに運転再開はされていないことから、長い間留置が続いておりますが、ある程度メンテナンスがされているようで、運転再開時には再びこの14系が使用されるものと思われますが、現在のところBicol Expressの運転再開の目処についてはいっさい報道されていないようです。


キハ52は国鉄色3両がこのCaloocan工場に集結しており、昨年6月の報告以来現在も修繕が実施されておらず、今後、修繕が実施されるのか気になるところですが、元新潟色でブルートレイン色に変更されSipocot~Naga間で使用されていたキハ52もエンジンが3基故障し、最近、203系の03編成をその運用に充当させる代わりにブルートレイン色のキハ52をマニラに回送させたという話しを聞いております。したがって、キハ52は現在のところ運用に充当されていないことが推測され、今後の去就がますます気になるところです。


最後に部品取り用となっている唯一新潟色のキハ52-123ですが、倉の中で台車を外されたままになっており、再び運用に就くことは絶望的なのかもしれません。


以上、簡単にCaloocan工場内とCaloocan駅周辺について簡単に説明しましたが、今年も5月下旬頃にでもマニラへ行く予定ですので、その際にはPNRに乗車と撮影を行い、ご報告したいと思っています。

DOST(科学技術省)に訪問

2016年04月02日 23時20分41秒 | フィリピン
3月10日以来のブログの更新となり、このブログも半休業状態となってしまいましたが、ダイヤ改正の3月26日に北海道新幹線が開業し、九州から北海道まで新幹線で結ばれるという華々しいニュースがあったものの、新幹線にほとんど乗車もしないし、興味もない私にとってはそれよりも南武支線(浜川崎線)の新駅である小田栄駅が開業したほうがより身近でありますが、この話題については後日、南武線ウォッチングの中で述べていきたいと思っています。
また、ダイヤ改正前に18きっぷを使って広島へ遠征し、可部線で活躍する4扉の105系の活躍する姿を撮影してきましたので、後日、こちらについてもご紹介していきたいと思っています。

遅くなりましたが、前回のお約束通りフィリピン関連でPNRのCaloocan工場かBicutanにあるDOST(科学技術省)施設内の次世代の乗物を紹介ということで、本日はDOSTに訪問した時のことについて簡単にご紹介したいと思います。
DOSTはマニラ首都圏の南部に位置するTaguigのBicutanに研究所があり、そこでは次世代の乗物というのでしょうか、モノレールや連接のハイブリッドバスが配置され、日々実験や改良が実施されているようなのですが、その施設を是非見に行ってみたいということで、DOSTに勤務する私の友人を通じて訪問させていただくことにしました。

訪問させていただいたのは昨年2015年9月11日でしたが、家内と子供を連れて訪問することとし、DOSTはPNRのBicutan駅から東側すぐのところに位置しますので、家内の実家のあるSta.RosaからジープでAalabangまで行き、AlabangからBicutanまではPNRを利用することにしました。
Alabangで切符を購入すると203系に乗車したのですが、子供は生まれてからこれが3回目のPNR列車の乗車ということで喜んでいたようで、下の写真のように私が幼少時の頃と同様に窓の外を眺めていました。


Alabangから僅か10分ほどで目的地Bicutanに到着し、ちょっとした鉄道の旅になったのですが、子供にとっては普段は利用しない乗物だけに面白かったのか、列車が発車するまで見届け、出発する列車に向かって日本のちびっ子のようにいつまでもバイバイを繰り返していました。
電車や車はどうも好きなようで、約1年前に江ノ電の小さな模型をプレゼントしたのですが、その電車を用水路に落としてしまい拾うことができず、わんわん泣くばかりで大変なようでしたが、日本に来た時にはいろいろな列車に乗せてあげたいと思っています。


Bicutan駅を降りると踏切のある通りを東方向へ歩いて行くと僅か3分ほどのところにDOSTの入口がありますが、警備員に担当者の名前を告げるとすぐに通していただき、担当者にお会いすることができました。
ここの施設では2台のハイブリッド連接バスが配置されており、下の写真のとおり5両で構成される連接バスを見ることができました。
現在も実験中とのことで、昨年の7月あたりにアジア最大のショッピングモールとも言われているモール・オブ・アジア周辺で、このバスが使用され試験運行されたとか言っていましたが、全長が40m近くありますので、曲がる際にはかなりのテクニックと運行される場所がかなり限定されるのではないかと思われます。


車内はというと下の写真のとおりで、プラスティックのシートが設置され、各車両の行き来はできない簡素な造りで、後日、紹介するCaloocan工場及びCaloocan駅付近で実験が実施されているやはりDOST所有のハイブリッドトレインと全くそっくりです。


もう1台のハイブリッドバスは道路を挟んだ北側の施設の通路に留置されており、こちらのバスも5両で構成され、造りはほとんど同じなようです。


続いて、モノレールのほうですが、現在、フィリピンではモノレールにより運行されている路線はないものの、ここDOSTとQuezon Cityにあるフィリピン大学(UP)のDiliman校内にモノレールの実験線が設置されており、DOSTのモノレール施設は直線のみで約400mと短いながらも実験線が設けられています。
今のところDOTC(運輸通信省)の計画の中にモノレールで建設される路線はないものと思われますが、輸送量が少なく、かつ路線延長の短い区間で、今後、モノレールが新設されるのかもしれません。


駅は実験線の中央に1ヶ所設置され、この車両1両のみのようですが、車両の造りとしてはやはり先程のハイブリッドバスにも似ています。


車内には重量実験を実施しているのか、プラスティックの大きな容器がいくつも並べられ、その容器の中に砂もしくは水を入れて実験が繰り返し実施されているのかもしれませんが、車内へ全く入ることができず確かめることができませんでした。


以上、BicutanのDOST施設にあるハイブリッドバスとモノレールを簡単にご紹介しましたが、次回はCaloocanにあるDOSTのハイブリッドトレインとPNR工場内に留置されている車両について紹介していきたいと思っています。