Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

キハ52新潟色(Mayon Limited Ordinary)でマニラへ

2012年05月06日 22時19分29秒 | フィリピン
前回はかつてフィリピン国鉄の終点の駅であり、Mayon Volcanoの街であるLegazpiについて報告しましたが、本日はLegazpiからジプニーで現在のフィリピン国鉄の終点であるLigaoまで戻り、Ligaoからキハ52新潟色によるMayon Limited OrdinaryでマニラのTutubanまで簡単にご紹介します。

4月9日、我々はMayon Volcanoを見渡すことができるLignon Hill、Cagsawa Ruinsを散策し、遅い昼食をとったのちLigaoに18時頃到着しました。
駅に到着するとMayon Limited Ordinaryに充当される新潟色のキハ52は既に乗車が開始されており、ボックスシートはほぼ埋まっておりました。こんなに乗客がいるとは思ってもいなかったのですが、その列車の最後部の車両に幸運にも2つだけ空いていたボックスシートのうち1つを占領して、駅本屋で切符をまず購入することにしました。
8日、Legazpiへ行く前にLigaoの駅員が言うとおり夕方18時までに来れば、これから乗車するMayon Limited Ordinaryの切符を問題なく購入できるものだと思っていたのですが、切符を購入しようと駅員に尋ねてみるとこれが「今日のMayon Limitedの切符は売り切れてしまったので売れません」との返事があり、駅員の言っていることが昨日とは矛盾していました。私は「昨日、あなたが18時に来れば切符を購入できると言ったから、それを信じて18時に戻ってきたのだし、購入できなければ日本へあさってに帰れなくなる」と応酬しました。すると駅員は「今日の朝、Naga駅から連絡があり、切符の販売枚数が割当てられてしまって、もうこれ以上は売れないし、急に決まったことなので対応ができない」とのことでした。私はこれ以上、駅員に何を言っても売れないものは売れないんだろうと思い、この列車に乗務する車掌を見つけて話しをしてみることにしました。車掌はサリサリストアー(ソフトドリンクやスナックなどが売られている雑貨屋)の前で一服しているところを見つけ、早速、交渉してみると、車掌は「そういうことであればあとで切符を車内で売りますので乗車していいですよ」と何とも紳士的に対応していただきました。
私はフィリピンと関わって20年ちょっとですが、フィリピンではこのようなことはよくありがちですし、8~9割ぐらい何とでもなるところがありますので、このようなことはサバイバルゲームのように楽しんでいますし、フィリピンで暮らしていくにはある程度、狡賢い考え方がなければフィリピンとうまくやっていけないものだと感じております。
とりあえずは一安心といったところで、連れの仲間にあとで車掌から切符を購入できることを告げ、ボックスシートに腰掛けました。


19:15、キハ52新潟色の4両編成、Mayon Limited OrdinaryがLigaoを定刻に発車すると、続いてPolangui、Iriga、Piliとある程度大きな街に停車しました。各駅では降りる人は皆無で、乗車する人は空いている席に腰掛け、Nagaに到着する頃にはほぼ席が埋まっていました。おそらくNagaではたくさんの人が乗車し、空いている通路などに腰掛けてしまいトイレには行けなくなるから、連れの仲間に「今のうちトイレに行っておいたほうがいいよ」と告げておきました。
Nagaには約15分遅れの20:46に到着すると、私の思っていたようにたくさんの乗客が空いているスペースを争い、車内は一瞬のうちにかつての165系大垣行き夜行列車のように足の踏み場もないくらいの人でごった返しました。Naga駅で写真撮影や予備用のミネラルウォーターを購入しようと思っていたのですが、車内を移動するにも大変ですし、出発時刻の20:45も過ぎていたので断念することにしました。結局、Nagaを出発したのは約25分遅れの21:08でした。


列車は8日に乗車した国鉄色キハ52Ligao行きのような豪快なスピードは出さず、夜間で見通しが悪いのか60km/hぐらいのスピードで進み、ある程度大きな駅であるPamplona、Libmanan、Sipocot………と停車しましたが、徐々に遅れが広がっていきました。
Hondaguaには夜が更けた1:15(定刻12:33)に到着し、この駅でマニラから来たソロ増結のBicol Exp.も同時に到着し、3分後の1:18に発車していきました。我々の列車は1:26、Hondaguaを出発し、次のGumacaに定刻よりも1時間遅れの2:05(定刻1:07)に到着しました。この駅でもMayon Limited De Luxeに充当された「こがね」と交換しました。
車内はクーラーがなくても少々暑い程度で、走っている時は風を感じていいのですが、やはり夜行の大垣行きといっしょで165系のようなシートでは私のような少々神経質なものでは熟睡することは疲れていても難しく、駅に停車するたびに目が覚めてしまいました。(私の連れ仲間は熟睡している感じでしたが)
ましてや通路まで人であふれており、写真を撮りたくても全くできず、私にとっては楽しいはずのキハ52の旅も不完全燃焼といったところでした。
神経質な私でもGumacaを出発するといつのまにか相当疲れていたのか睡魔に襲われ、気がついてみるとAgdanganでした。ここでは臨時列車に充当された国鉄色のキハ52が遅れたおかげで交換できず1時間ほど停車し、既に2時間遅れの4:09(定刻2:05)に出発しました。
Lucenaには夜が明けた5:24(定刻3:09)、San Pabloには6:11(定刻3:46)、Calambaには6:58(定刻4:17)に出発し、遅れがみるみると広がり3時間近くにもなりました。
Alabangに到着すると降りる人もある程度見られ、すし詰め状態が少々解消されました。


Alabangで10分ほど停車したのち7:53(定刻4:49)に出発し、特に回復運転に努めることもなく、相変わらず60km/hぐらいのスピードで走行しました。Pasay Roadに到着するとやはり多くの人が降車し、車内は全員が着席できるような状態になりました。


マニラの母なる川Pasig River(上の写真)を渡るとEspana、Blumentrittに停車し、多くの人が降車し、下の写真のように終点Tutuban到着寸前では今まで混んでいた車内が嘘のようにガラガラになりました。


結局、終点Tutubanに到着したのは8:52(定刻5:30)で、約3時間20分の遅れになりました。
体力があるものでもなく、そんなに若くはない私にとってほぼ半日の旅はしんどいもので、ましてやすし詰め状態の列車でしたら、次回は乗車することをやめておこうかと思ったしだいです。
今回、乗車しましたMayon Limited Ordinaryの時刻表と運転日についてはPNRのウェブサイトに記載されていますので、体力、興味のある方は是非参考にしていただき、お試しいただければと思います。


なお、この編成は以下のとおりです。
Tutuban←キハ52-121+キハ52-102+キハ52-123+キハ52-120→Ligao

Mayon Volcanoの街、Legazpiへ

2012年05月04日 00時46分47秒 | フィリピン
昨日はキハ52国鉄色でNagaからLigaoまでの乗車記を簡単に紹介させていただきましたが、本日はかつてルソン富士とも言われたMayon VolcanoのあるLegazpi周辺のことについて簡単に紹介します。
Ligaoから先は2006年の台風により甚大な被害を受け、それ以来Legazpiへは運行ができない状態が続いており、Legazpiまではジプニーでの移動が強いられます。
ということでLigao駅から5分程歩いて国道にたどり着くのですが、駅へのアクセス道路の近くにジープニーが停車しており、Legazpi行きが5~10分間隔で出発していました。
LigaoからLegazpiまで約30kmほどありますので、1時間程かかるのかと思っていましたが、途中で乗り降りが思ったほど少なく我々の乗ったジープニーは国道を快調に飛ばし、約45分で目的地Legazpiの中心市街地に到着しました。


到着後、我々は早速、ホテルを目指すのですが、ホリーウィーク期間中の現地でのホテル探しは連れ仲間を疲れさせてしまうのではないかということで、あらかじめ日本を出発する前にPNRのLegazpi駅近くにあるHotel Casa Blancaに電話し予約を入れておきました。何度かこの街を訪れていたものの2002年頃を最後にご無沙汰しており、RNRのLegazpi駅がどのようになっているのか見てみたいということもあり、単純にLegazpi駅直近にあるホテルに決めてしまったのですが、チェックイン早々、私が電話で予約を入れた時に会話した相手が「あなたがタガログ語で予約を入れていたことを覚えているよ!」と褒め言葉なのかわかりませんがおっしゃっていました。(フィリピンでは日本人は9割程度、英語で会話しますので)
荷物をホテルに置いて中心地で昼食をとり、そのあとすぐにLegazpi駅の散策でもと思っていたのですが、連れ仲間が慣れない列車などの移動で疲れていたのか、ホテルへ戻って夕方まで寝てしまいました。

結局、次の日の9日の朝にようやくLegazpi駅を散策することができました。駅本屋自体、以前と変わっていませんが、やはり5年も使われていないとなると若干荒廃が進んでいました。


駅本屋の天井が剥げ落ちていますが、石造りのせいか多少補修を行えば使用できるのではないかと思います。


ホームは1面2線であり、柱が石造りで屋根が付いた立派なホームです。今では近所の社交の場となっており、下の写真ではトランプで賭け事をしていました。


下の写真は駅本屋を西側から見たもので、2線ともに車止めが設置されています。


Legazpi駅西側のデルタ線がどのようになっているのかということで、Ligao(Manila) 寄りのレールを辿っていったのですが、Tabaco方面とのポイント部分においては下の写真のとおり、軌道上を大きな石や土砂で覆われている部分があり、所々、枕木が路盤と接地せずに宙に浮いているような箇所もありました。


また、下の写真はデルタ線の南方(上の写真のちょうど反対側)ですが、軌道上近くに小屋のようなものが建てられてしまい、開通にあたってはこれらの家屋の移動や取り壊しが伴います。


以上、簡単にご紹介しましたが、Legazpiまでの開通については今年中に開通との予定で、少なくとも開通には早くて半年程度要するのではないかと予測しております。開通時にはMayon LimitedやBicol Exp.、コミュータートレインも乗り入れてくれるのではないかと期待しております。

最後にこの日のお昼過ぎに中心地から北西側3kmのところにある小高い山であるLignon Hillへ行って、標高2421mもあるMayon Volcanoを眺めました。最初のうちは雲があったものの下の写真のように見事に全容を現してくれました。


次回はLigaoに戻り、Ligaoからキハ52新潟色によるMayon Limited Ordinaryでマニラへ戻ります。

キハ52国鉄色で終点Ligaoへ

2012年05月03日 01時40分39秒 | フィリピン
前回はBicol Exp.でNagaまで簡単に述べましたが、本日はNagaから現在のフィリピン国鉄の終点であるLigaoまで簡単に述べたいと思います。
Nagaに到着後、乗車してきたBicol Exp. のデルタ線を使った入れ換えの様子を見てても良かったのですが、小さな子供も一緒でしたので駅から1kmも離れていないNagaの中心地で朝食をまず取ることにしました。朝食後、Naga駅に戻ってみるとBicol Exp.の続行列車のMayon Limited De Luxeとして運転されていた「こがね」は残念ながら、出発してしまったようで乗車することができませんでした。時計の針を見ると7時45分でしたので、ならば土・日曜日に運転されている8時ちょうど発のNaga~Ligao間のコミュータートレインに乗車しようというこで、まずは窓口で乗車券を購入しました。私たちが乗車するLigao行きのコミュータートレインは、Naga~Sipocot~Nagaに充当されている白色の12系客車がそのままLigaoまで行くのだと思っていたのですが、駅員らしき人に尋ねてみるとあそこに止まっている列車がLigao行きと指差しました。指差した方向を見るとホーム寄り線路のホームから外れたLigao寄りに国鉄色のキハ52が止まっていました。さらに詳しく聞いてみるとSipocotから来る列車との接続を図り、この国鉄色のキハ52がLigaoへ行くとのことでした。Ligao行きは通常であればNagaを8時ちょうどに出発し、Ligaoに9時50分に到着するのですが、今回はホリーウィークということもありTutuban~Ligao間に臨時列車として充当されたこのキハ52が抜擢されました。
8時30分頃、ようやくSipocotから大勢の乗客を乗せた列車が到着すると、キハ52の停車位置をホーム中央部に移動させ、駅で待っている乗客を乗せるというので、私はLigao寄りに停車していたキハ52の乗務員室に飛び乗りました。列車はゆっくりとホーム中程へと進み、私はホームで待っていた乗客に乗務員室から思わず「Sakay na kayo(乗りなさい)」と叫んでしまいました。

下の写真はキハ52の乗務員室から撮影したものです。


ホーム寄りの線路にNaga~Sipocot~Naga間で充当された白色12系客車とキハ52国鉄色Ligao行きが縦列停車していました。
ちなみにこの白色12系客車の編成は以下のとおりです。
Naga←DL2535+CAR5+7A-2025+CAR4→Sipocot


ホームで待っていた乗客や私の連れ仲間も一斉に乗車するとほぼボックスシートが埋まりました。
8:47、列車はようやく発車し、Nagaの市街地をゆっくりと進みました。


市街地を抜けると日本のキハ52でも体験したことのないぐらいのスピードで走り、スピードメーターは95km/h近くまでを指していました。
保線状態が良いかというと播但線のような保線状態で95km/hまで出しても大丈夫と言えるようなものとはかけ離れており、ある程度のポンピングも所々あり、ちょっとしたことで脱線でもしてしまうのではないかというぐらいな豪快な走りでした。私は乗務員に「Ayaw ko pang pumunta sa langit!(私はまだ天国に行きたくないよ!)」と言ったのですが、乗務員たちは平気だよ!ベテランだしと簡単にあしらわれてしまいました。フィリピンやインドネシアではバスが結構なスピードで飛ばすのですが、このフィリピン国鉄においてもスピード狂の運転士が何人かいるようで、たまたまその運転士の列車に乗車してしまったようです。


Piliに9:03、Baoに9:17に発車し、かなりの回復運転が行われているのですが、それにしても元々Nagaで47分遅れでしたので、5分や10分早まったとしても大したことではありません。
列車停車の際、ドアをどのように開けているのか知りたくなり、切符を販売している車掌の様子を見てみると、足で車両のドアコックを捻り、ドアの開け閉めを行っていました。


豪快な走りは続き、これ以上何を言ってもどうしようもないので諦めて前方の景色を堪能することにしました。
Irigaの手前で前方に富士山のような成層火山が見えてきたので、これは私たちが今日目指すMayon Volcanoかと尋ねてみると、あれは「Mt.Irigaです」とのことで、ビコール地方にはインドネシアのジャワ島のようにいくつかの成層火山があるようです。


NagaとLigaoのほぼ中間点であるIrigaには9:25に発車し、約30分の遅れまでに回復しました。
各駅では降りる乗客がほとんどで、乗車はあまり見られませんでした。

下の写真はIriga到着のシーンです。


Irigaを過ぎても走りが豪快であり、90km/h近いスピードで進みました。
しばらくすると前方に先程見た同じような成層火山が現れ、あの山こそ本物のMayon Volcanoでした。残念ながら山頂付近が雲で覆われており、このあとLegazpiに宿泊したのですが、1日中、山頂付近は雲で覆われており、きれいな姿を目にすることはできませんでした。


現在の終点であるLigaoには10:10に到着し、時刻どおりであれば9:50ですので、遅れが20分となりました。全線をほぼ90km/h近いスピードで走ってきたのですから、約30分も回復してくれたのですが、それにしても走り方が豪快過ぎて私は2度と乗りたくないと思ったしだいです。

下の写真は終点Ligaoに到着のシーンです。
奥には乗り損ねたMayon Limited De Luxeに充当されている「こがね」が停車していました。


Mayon Limited De Luxeに充当されている「こがね」はこの日 の夜、Tutubanへと帰っていきました。


乗車したこのキハ52国鉄色も、臨時列車としてこの日の夜Tutubanへと戻っていきました。
なお編成は以下のとおりです。
Ligao←キハ52-137+キハ52-127+キハ52-122→Naga


翌日の夜、ここLigaoから新潟色キハ52のMayon Limited Ordinary(Ligao19:15発で自由席)に乗車しマニラへと帰りますので、席を確保するためには何時までにこの駅に来たらと良いかと駅員に尋ね、夕方の18時頃までに来れば大丈夫だよと返事をいただくのですが、実は翌日Ligaoの駅で思わぬ問題が発生します。
次回はとりあえずLegazpiへと案内します。

Bicol Exp.に乗車し、Bicol地方へ

2012年05月01日 00時40分33秒 | フィリピン
昨年6月29日に14系寝台車などによるBicol Exp.が運転再開され、昨年7月に乗車し乗車記を書きましたが、本日は4月訪比の際にもBicol Exp.に乗車しましたので、今回は簡単に報告したいと思います。
今年のホリーウィークは4月1日(日)~8日(日)であり、5日(Maundy Thursday)から9日(Bataan day)まで祝日と土日が続くため、多くの地方出身の方々は故郷へ帰ります。その中、私はGood Fridayにあたる6日にマニラに到着したのですが、この6日はフィリピンでは自宅で慎ましく生活する習慣がありますので、大型の商業施設やレストランなどはお休みでマニラ市内を走るLRTやMRTも運休となります。もちろんフィリピン国鉄もコミュータートレインや地方への列車もお休みとなりますが、次の日の7日には大勢の帰省客がフィリピン国鉄を利用することが予想されていました。
6日にマニラでやむを得ない用事がありましたので仕方ありませんが、次の日の7日に交通機関で移動するには大変さが強いられることは想像できました。訪比する前から7日に列車でBicol地方へ出かけようと思っており、それも私1人だけでなく現地の友人など私含めて計4人(+2歳の子供1人)でした。3月25日頃にフィリピン国鉄の指定券窓口に電話してみるとBicol Exp.の寝台車は「fully booked」との返事がありましたが、そこはフィリピンのことだから何とでもなるだろうということで、知り合いのフィリピン国鉄の方に直接電話してみると「いいよ、切符売ってあげるよ」との返事があり、4人分のB寝台(Family Class)を難なくゲットできました。

7日当日、16時頃Bicol Exp.の始発駅であるTutuban駅へ行ってみると大勢の乗客が待合所で待っていました。地方への切符売場でも切符を購入するため行列ができていましたが、寝台車の切符は問題なく買えたようです。早速、Tutuban駅の南側にあるTutuban Centerで夕飯と夜食などを買い物し、再びTutuban駅へ戻るとBicol Exp.とMayon Limited De Luxe(通常、Tutuban発は月、水、金曜日運行)に充当されるキハ59の「こがね」が入線していました。
Bicol Exp.の編成を早速眺めてみるとソロ1両が組み込まれており、編成は以下のとおりでした。
Naga←DL918+スハネフ14-28+スハネ14-752+スハネフ14-30+オハネ14-89+CAR2(リクライニングシート)→Tutuban


ソロ1両が組み込まれているのであれば、B寝台からソロへ移れないかとマニア魂が漲ってくるのですが、まずは連れの仲間に相談してみるとやはりソロに移りたいというので、切符売場の窓口で聞いてみると判断ができないという返事がありました。ならばBicol Exp.に乗車する車掌を見つけて相談してみると、途中、Alabangまでソロに乗車する人がいるかもしれないので、Alabangを過ぎて乗客がいなかったら差額分(ソロはExecutive Class)を払った上で移っても良いとのことでした。
18時頃、乗車が開始されると私たちもまずはB寝台の指定された場所でおとなしく席に着きました。車内を散策してみるとリクライニングシートで7割程度、B寝台で5割程度が埋まっており、途中停車するEspanaやPasay Roadなどからも乗り込み、最終的にリクライニングシートが満席、B寝台で8割程度となりました。
列車は定刻18:30にTutubanを出発し、マニラの市内をゆっくりと進みました。


普段は停車しないと思うのですが、なぜかEdsaで20分ほど停車し、あとで車掌に聞いてみると冷房装置の調整で停車したようで、昨年7月に乗車した時に比べ車内が寒すぎず適度な温度でした。Alabangに約30分遅れの19:50頃に到着し、ソロの状況を見に行くと空き部屋が多いようですので車掌に聞いてみました。すると「移っていいよ」というので移ることにしたのですが、仲間で乗車しておきながら1人1部屋ではなんとも淋しいものですし、2人1部屋でも十分ですので、2部屋だけ陣取ることにしました。ソロは2階建ての個室になっており、2階のほうがサンルーフのようになっているので2階のほうが眺めが良いのですが、1階に比べ揺れが激しく2階でも大丈夫かなと心配しておりました。それでも出来るだけ揺れの少ない車両中央部の部屋を陣取ったので、揺れは酷くないかと思っていたのですが、Calambaあたりを過ぎた先からジェットコースターのように激しくなり、連れてきた2歳の子供が酔ってしまいました。昨年7月のB寝台利用時はへっちゃらだったのですが、やはり2階ともなると揺れがさらに増幅されるようで、私でさえも乗り物酔いした気分に若干なりかけていました。それでも唯一救いだったのがサンルーフのような窓から見える満月で、月の明かりが真っ暗な部屋の中に射し込んでおり、なんともロマンチックな感じでした。


切符の清算はのちほど行うと車掌が言っていたので起きて待っていたのですが、ウトウトしていた頃、ドアを叩く音が聞こえました。ドアを開けるとやはり車掌で、ソロの利用については原則1人1部屋の利用なので、4人分つまり4部屋分の料金(この場合ソロからB寝台の差額分)を払わなければならないのかと思っていましたが、私たちの場合2部屋分の利用ですので、2人分の差額分(P333×2人=P666)のみで済んでしまいました。
その後も激しい揺れは続いていたのですが、睡魔に襲われ気がついてみたら、どこかの駅に停車していました。


Sipocot手前でハイケンスのセレナーデが聞こえ、車掌がタガログ語での案内を始めると完全に目が冴えてしまいました。
Libmananに5:45頃に到着し、1時間45分ほどの遅れがでておりました。


Libmananを出るときれいな朝日を拝むことができました。


前回と同じように洗面所で頭を洗うと30分ほどで終点のNagaに到着しました。
Nagaに到着したのは6:15で、予定よりも1時間45分ほどの遅れでした。
時刻通りでしたら4:30の到着ですので、もちろん遅れてもらったほうが私のような日本人にとっては何かと都合が良いのですが。
このあとLegazpiまで行くため、続行のMayon Limited De Luxeか土・日曜日に運行されているコミュータートレインで終点のLigao駅まで乗車することとし、ひとまずはNagaで朝食を取ることにしました。
この続きは次回へ。