Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

まだまだ頑張るフィリピンのキハ52

2019年06月25日 02時04分43秒 | フィリピン
先日、私がフィリピンを訪問したのは5月中旬でしたが、つい先日嬉しい話題が1つありました。
私が訪問した5月時点で、キハ52は全て運用に就いておらず、昨年は国鉄色のKiha Orangeと称される車両はDLに牽引され、Tutuban〜Alabang間で運用に充当されていましたが、なんとPNRの運転士からの情報によりますと6月8日から北方線のTutuban〜Gov. Pascual間にキハ52-122が1両単独で運用に充当され、Kiha Whiteと称されるキハ350とともにこの区間専用の列車に充当されているようです。
現在もキハ350とともにキハ52-122が充当されているようですが、Tutuban車庫に留置されているもう1両のキハ52-137は機器に不具合があるのか、こちらの車両は運用に入ることは今のところないようです。
下の写真は5月に撮影したもので、Tutuban車庫に留置されていたキハ52-122(左)とキハ52-137(右)で、このあとまさか自走で復活するとは思ってもいませんでした。


下の図がキハ52の配置状況ですが、Tutuban車庫には上記の2両が配置され、Caloocan工場には2両が留置され、ビコール地方のNagaには3両が配置されています。


Caloocan工場に留置されている1両は国鉄色のキハ52-127でエンジンに問題があるようで、もう1両の新潟色であるキハ52-123は部品取用ですが、こちらは倉の中で静かに余生を過ごしているようです。


下の写真はキハ52-127で、この車両の復活も期待したいところです。


また、ビコール地方Naga車庫に配置されているキハ52は元々新潟色として活躍していた車両ですが、2012年に現地ではKiha Blueと称されるブルートレイン色に変更され、しばらくはTutuban〜Alabang間の列車に充当されたあとはNaga車庫に配置され、当時、Naga地区で活躍していた老朽化が目立っていた12系客車を置き換えました。しかしながら、このキハ52も機器の不調から新たに譲渡されたキハ350によって置き換えられ、マニラに戻されることなくNaga車庫に留置されたままの状態が続いております。


こちらのKiha Blueは床に穴が空いている箇所もあったり、車内は荒れ放題の状態でもありますが、一部はセキュリティーガードマンの休憩室としても使用されています。


以上、PNRで活躍するキハ52の状況でしたが、ここ数年自走で走るキハ52の姿は見られなかっただけに、キハ52-122の1両が旅客需要の少ない北方線で活躍することは個人的にも面白いものですが、今後とも他の車両の復活も期待したいところで、いつまで自走するシーンが見られるのか、今度、フィリピンへ行く時までに運用に就いていることを願いたいところです。


気になるキハ59「Kogane」の去就

2019年06月24日 00時26分06秒 | フィリピン
先日のフィリピン国鉄(PNR)の近況報告の際に14系や12系客車、また、キハ59の「こがね」について述べておりませんでしたが、今のところこれらの車両が使用されるべくマニラとビコール地方を結ぶ列車の運転再開の予定は残念ながらないようです。フィリピン国鉄の一部社員の情報としては一部橋脚の修繕が必要とのことで、その修繕が実施されないかぎり列車の運転再開は難しいのではないかとのことのようですが、その橋脚の修繕の入札が既に実施され、修繕が実施されたあとには運転再開の見通しも期待できるのではないかとのことでした。
また、一部報道ではCalambaから東側の区間において、今年の第三四半期から中国政府から整備のための支援が実施されるとのことですが、今後、計画されているPNR及びNSCR(南北通勤鉄道)の標準軌化がどのタイミングで実施されるのかによって、14系や12系、キハ59の運命も大きく左右されるだけに、個人的には今後の計画に目が離せないところです。

ということで、今回は2011年に譲渡され、マニラとビコール地方を結ぶMayon Limited De LuxeやIsarog Limited Expressとして活躍し、マニラとビコール地方を結ぶ列車が途絶えたあともPremiere Trainという名でマニラ首都圏のホームライナーとして活躍したキハ59の「こがね」の様子について、少々述べていきたいところです。
下の写真は2012年7月23日のものです。


マニラ首都圏のTutuban〜Mamatid間のPremiere Trainという名で活躍していた「こがね」は最終的に2014年末を最後に営業列車としては活躍することなく業務用として使用されていましたが、一昨年頃からは車両整備のためにTutuban車庫とCaloocan工場で留置されたままであります。今年5月現在ではCaloocan工場の倉の中に留置されたままであり、整備も中途半端な状態でありますが、先程も申し上げましたようにマニラとビコール間の軌道の整備と橋脚が修繕されたあかつきにはこの区間を結ぶ列車として復活するのではないでしょうか。


この車両の組成状況は以下のとおりでありますが、綺麗に整備された姿と再び営業列車として活躍する姿を見たいものです。
←Tutuban       Naga→
キハ59-510 キハ29-506 キハ59-511


車内は埃まみれなものの掃除をすればまだまだ使えますし、私自身はPremiere Trainとして活躍していた列車しか乗車したことがありませんので、この車両でビコールへ行ってみたいものです。


PNR(フィリピン国鉄)近況報告-2019年5月

2019年06月02日 15時35分44秒 | フィリピン
大変ご無沙汰しております。
前回のキハ52でAlabangへの記事も中途半端に終わってしまい大変申し訳ございません。
今日は久しぶりにフィリピン国鉄(PNR)の話題について近況報告させていただきたいと思います。

実は私の家内と子供はマニラの郊外に現在も住んでおりますが、家内が4月下旬に高血圧のせいか急な目眩を起こし病院へ3日館ほど入院してしまいました。
その時の家内との会話の中では人生に対して悲観的なことばかりを言うものですから、まったくマニラへ帰ることは予定していないかったものの心配になってしまい、急遽、ほぼ1年ぶりになりますが5月16日から21日までの6日間滞在することにしました。

私は貧乏人ですから、飛行機のチケットを取るにあたってはまずはトラベル子ちゃんなどのウェブサイトでできるだけ安いものを探すのですが、セブパシフィックやジェットスターのLCCで預荷物を入れると3万円ちょっと、レガシーキャリアですとJLの4万前後がありましたので、時間を有効に活用する上では羽田深夜便を使うと便利ということで思い切ってJLを使ってみることにしました。JLにしては値段も安く、機内でのサービスは日本のモットーである「おもてなし」のサービスも行き届いていることから搭乗率も行き帰りともに8割程度と深夜便にしては高い搭乗率でした。

まあ、そのようなことはともかく、いざ家内の自宅へ行ってみると家内は病気からある程度快復しており、まったく悲観的なことを言っておらず、私の子供もすぐに肩車やお馬さんごっこを要求され大変でした。
家内の健康状態も良かったので、私にとってはお決まりのコースですが、さっそくフィリピン国鉄探訪ということで、家内と子供を残しフィリピン国鉄の本社へ列車で訪問することにしました。

実は飛行機のチケットを購入してから、すぐにフィリピン国鉄の広報担当の方にPNR車庫や工場、列車内での撮影許可証を取得すべくタグリッシュでリクエストレターを送ったのですが、許可してもらえたのかどうかまったくわからず、前日にこの担当者に連絡をして本社へ訪問してみることにしました。
担当者にお会いしてみると、やはり想定していたように「あなたからのリクエストは私に送ったの?」という感じで、「これからそのリクエストレターを
GMに見てもらうべく、常駐のアトルニーに審査してもらうから待っていてね」という状況でした。
今や幹部と知り合いであっても簡単には撮影許可が出ない状況になってしまったことはジャカルタのKCIと同じで、雑誌に掲載する記事を書くから施設内での撮影をお願いしても難しい状況になってしまっています。あとはできるだけ丁寧な表現、理由もある程度正当な理由で説明しなければなりませんが、私の言語能力は現地の言葉を30年ほど勉強したからって上達しておりませんし、あとは神に祈るばかりです、
30分以上、GMの執務室脇で待たされたあと、以前、何度か会ったことのあるアトルニーが出て来ました。
「あなたのリクエストは今では本当に難しいのよ」と言うので、ダメだったかなと思っていたところ「Congratulations!」とアトルニーが言うので、「でも、今回だけは許可します。ただし次回はわかりませんよ」とのことで、今回特別な配慮のもとで許可をいただくことができました。
許可証をゲットするとともに水戸黄門の印籠的な効果のあるリサーチャーズパスを受け取ると早速Tutuban yardの車両の状況確認と撮影を楽しみました。
その後においても、Caloocan工場訪問とビコール地方で活躍するキハ350のコミュータートレインに乗車したのですが、これらについては後日ご報告することとし、まずは形式別に簡単にご報告します。

まずは203系ですが、稼働できる編成は5編成になっています。
ちなみに203系の編成は以下のとおり
編成番号はTcT'c基準(左はTutuban 右はAlabang/Calamba、(G=gen set))

Tutuban yard(計34両)
02 M'12 T5 M9 M'9 T'c4(G)
04 M12 T6 M’15 M10 Tc4(G)
05 M14 T114 M’120 M121 Tc3(G)
06 M’8 T7 M11 M’11 T'c3(G)
08 M’119 T9 M13 M’10 T'c5(G)(M13=シルバー・オレンジ帯) 
予備
01 T10 Tc107(G)
07 T8 M7 M’14 T'c107(G)(T8 M'14=シルバー・オレンジ帯) 
M15
留置、荒廃している
T113 M’13

Caloocan rolling stock(計6両)
予備
03 Tc5(G)
M119 M’121 M120(M120=シルバー・オレンジ帯)
倉庫の中(ほぼ部品取り?)
M8(シルバー・エメグリ帯)
損傷(復帰はほぼ無理?)
M’7

203系40両の状況はこんな感じです。
なお、朝夕に運転されているTutuban〜Mamatid間の列車(従来203系使用)は運休が続いており、Tutuban〜Calamba間の列車は従来RotemのDMU3両が使用されていましたが、最近ではMamatid始発の代わりをすべく203系が充当されています。
日中時間帯においても運休の列車があり、Alabang14:00発は運休が多いようで、日中1時間置きの運転が実施されておらず、しかも1年前は日中においても臨時列車を運行させ30分間隔の輸送サービスをしていた頃の時代と比べてかなり輸送サービスが落ちています。




続いて、元関東鉄道のキハ350について簡単にご報告します。
マニラで活躍するキハ350の4両はキハホワイトと称されていますが、残念ながらそのうち2両はエンジンの故障などによりCaloocan工場に収容されています。
一方、もう2両についてはTutuban〜Gov. Pascual間の運用に充当され、元気な姿で活躍していますが、輸送需要の多い南方線には充当されていないようです。
また、Bicol地方のNaga地区で活躍するキハ350の2両はSipocot〜Naga間でDL牽引のもとで1日3往復の運用に充当されていますが、キハブルー(キハ52)が使用できない状態のため、このキハ350もしくはDL5001が故障した場合は運休となります。

運用中(Tutuban yard常駐)
キハ3518 キハ3519

Caloocan rolling stock
キハ353 キハ354

運用中(Naga yard常駐)
キハ3511 キハ358




キハ52の状況については、キハブルー3両はNagaに留置され休車状態で、修繕にはかなりの時間と費用がかかりそうということで、このままでは復帰は難しいかもしれません。一方、キハオレンジ3両は昨年1月の滞在中においてはDL牽引のもとで運用に充当されていましたが、昨年のちょうど今頃はTutubanで休車状態となり、先日の滞在期間中においてはキハ52-127のみCaloocan工場に収容されていました。
まとめてみると以下のとおりです。(左がTutuban、右がLegazpi)

Naga yard
キハ52-102 キハ52-120 キハ52-121

Tutuban yard(バラ)
キハ52-122
キハ52-137

Caloocan rolling stock(バラ)
キハ52-127
キハ52-123(新潟色、部品取用)

ということで、キハ52の走っている姿は見られませんでしたが、やはり部品不足、エンジンの故障というのが運用に充当できない大きな原因であり、今後、INKAから新型DMUが到着するとますます運用に入ることは難しくなるのかもしれません。




最後に2009年に導入されたPNRの韓国Rotem社のDMR1型車両について簡単にご報告します。
導入されてから10年を迎えるDMR1型ですが、現在、マニラ首都圏のTutuban〜Alabang間と北方線のGov. Pascual〜南方線のFTI間、そしてその運用の入出庫を兼ねてTutuban〜Gov. Pascual間の運用に充当されています。
使用できる編成は3編成のみで、使用できない車両の修繕の予定については未定のようです。
各車両の状況については以下のとおりです。
左がTutuban 右がAlabang/Gov. Pascual
車両の向きは5月中旬のもので、Tutuban、Blumentritt、Solisのデルタ線の使用状況によって向きが変わります。

Tutuban yard
DMR-05 ITR-05 DMR-09 使用可能(ブルー)
DMR-06 ITR-06 DMR-04 使用可能(ブルー)
DMR-02 ITR-04 DMR-10 使用可能(ブルー)
DMR-03 ITR-01 DMR-07 使用不可(シルバー)
     ITR-02 DMR-08 使用不可(シルバー)
     ITR-03 DMR-12 使用不可(シルバー)
          DMR-11 使用不可(シルバー・損傷)

Caloocan rolling stock
DMR-01 使用不可(ブルー)

また、Gov. Pascual〜FTI間に充当される時刻については以下のとおりです。
停車駅は北方線内の各駅、Blumentritt、España、Sta.Mesa、Paco、Dela Rosa、EDSA
Gov. Pascual 5:05→FTI 6:03
FTI 6:08→Gov. Pascual 7:06
Gov. Pascua l7:11→FTI 8:09
FTI 8:16→Gov. Pascual 9:14
Gov. Pascual 15:05→FTI 16:03
FTI 16:08→Gov. Pascual 17:06
Gov. Pascual 17:11→FTI 18:09
FTI 18:16→Gov. Pascual 19:14


以上、簡単にご報告しましたが、また、時間がありましたらフィリピン国鉄の話題についてご報告します。