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Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

キハ52新潟色(Mayon Limited Ordinary)でマニラへ

2012年05月06日 22時19分29秒 | フィリピン
前回はかつてフィリピン国鉄の終点の駅であり、Mayon Volcanoの街であるLegazpiについて報告しましたが、本日はLegazpiからジプニーで現在のフィリピン国鉄の終点であるLigaoまで戻り、Ligaoからキハ52新潟色によるMayon Limited OrdinaryでマニラのTutubanまで簡単にご紹介します。

4月9日、我々はMayon Volcanoを見渡すことができるLignon Hill、Cagsawa Ruinsを散策し、遅い昼食をとったのちLigaoに18時頃到着しました。
駅に到着するとMayon Limited Ordinaryに充当される新潟色のキハ52は既に乗車が開始されており、ボックスシートはほぼ埋まっておりました。こんなに乗客がいるとは思ってもいなかったのですが、その列車の最後部の車両に幸運にも2つだけ空いていたボックスシートのうち1つを占領して、駅本屋で切符をまず購入することにしました。
8日、Legazpiへ行く前にLigaoの駅員が言うとおり夕方18時までに来れば、これから乗車するMayon Limited Ordinaryの切符を問題なく購入できるものだと思っていたのですが、切符を購入しようと駅員に尋ねてみるとこれが「今日のMayon Limitedの切符は売り切れてしまったので売れません」との返事があり、駅員の言っていることが昨日とは矛盾していました。私は「昨日、あなたが18時に来れば切符を購入できると言ったから、それを信じて18時に戻ってきたのだし、購入できなければ日本へあさってに帰れなくなる」と応酬しました。すると駅員は「今日の朝、Naga駅から連絡があり、切符の販売枚数が割当てられてしまって、もうこれ以上は売れないし、急に決まったことなので対応ができない」とのことでした。私はこれ以上、駅員に何を言っても売れないものは売れないんだろうと思い、この列車に乗務する車掌を見つけて話しをしてみることにしました。車掌はサリサリストアー(ソフトドリンクやスナックなどが売られている雑貨屋)の前で一服しているところを見つけ、早速、交渉してみると、車掌は「そういうことであればあとで切符を車内で売りますので乗車していいですよ」と何とも紳士的に対応していただきました。
私はフィリピンと関わって20年ちょっとですが、フィリピンではこのようなことはよくありがちですし、8~9割ぐらい何とでもなるところがありますので、このようなことはサバイバルゲームのように楽しんでいますし、フィリピンで暮らしていくにはある程度、狡賢い考え方がなければフィリピンとうまくやっていけないものだと感じております。
とりあえずは一安心といったところで、連れの仲間にあとで車掌から切符を購入できることを告げ、ボックスシートに腰掛けました。


19:15、キハ52新潟色の4両編成、Mayon Limited OrdinaryがLigaoを定刻に発車すると、続いてPolangui、Iriga、Piliとある程度大きな街に停車しました。各駅では降りる人は皆無で、乗車する人は空いている席に腰掛け、Nagaに到着する頃にはほぼ席が埋まっていました。おそらくNagaではたくさんの人が乗車し、空いている通路などに腰掛けてしまいトイレには行けなくなるから、連れの仲間に「今のうちトイレに行っておいたほうがいいよ」と告げておきました。
Nagaには約15分遅れの20:46に到着すると、私の思っていたようにたくさんの乗客が空いているスペースを争い、車内は一瞬のうちにかつての165系大垣行き夜行列車のように足の踏み場もないくらいの人でごった返しました。Naga駅で写真撮影や予備用のミネラルウォーターを購入しようと思っていたのですが、車内を移動するにも大変ですし、出発時刻の20:45も過ぎていたので断念することにしました。結局、Nagaを出発したのは約25分遅れの21:08でした。


列車は8日に乗車した国鉄色キハ52Ligao行きのような豪快なスピードは出さず、夜間で見通しが悪いのか60km/hぐらいのスピードで進み、ある程度大きな駅であるPamplona、Libmanan、Sipocot………と停車しましたが、徐々に遅れが広がっていきました。
Hondaguaには夜が更けた1:15(定刻12:33)に到着し、この駅でマニラから来たソロ増結のBicol Exp.も同時に到着し、3分後の1:18に発車していきました。我々の列車は1:26、Hondaguaを出発し、次のGumacaに定刻よりも1時間遅れの2:05(定刻1:07)に到着しました。この駅でもMayon Limited De Luxeに充当された「こがね」と交換しました。
車内はクーラーがなくても少々暑い程度で、走っている時は風を感じていいのですが、やはり夜行の大垣行きといっしょで165系のようなシートでは私のような少々神経質なものでは熟睡することは疲れていても難しく、駅に停車するたびに目が覚めてしまいました。(私の連れ仲間は熟睡している感じでしたが)
ましてや通路まで人であふれており、写真を撮りたくても全くできず、私にとっては楽しいはずのキハ52の旅も不完全燃焼といったところでした。
神経質な私でもGumacaを出発するといつのまにか相当疲れていたのか睡魔に襲われ、気がついてみるとAgdanganでした。ここでは臨時列車に充当された国鉄色のキハ52が遅れたおかげで交換できず1時間ほど停車し、既に2時間遅れの4:09(定刻2:05)に出発しました。
Lucenaには夜が明けた5:24(定刻3:09)、San Pabloには6:11(定刻3:46)、Calambaには6:58(定刻4:17)に出発し、遅れがみるみると広がり3時間近くにもなりました。
Alabangに到着すると降りる人もある程度見られ、すし詰め状態が少々解消されました。


Alabangで10分ほど停車したのち7:53(定刻4:49)に出発し、特に回復運転に努めることもなく、相変わらず60km/hぐらいのスピードで走行しました。Pasay Roadに到着するとやはり多くの人が降車し、車内は全員が着席できるような状態になりました。


マニラの母なる川Pasig River(上の写真)を渡るとEspana、Blumentrittに停車し、多くの人が降車し、下の写真のように終点Tutuban到着寸前では今まで混んでいた車内が嘘のようにガラガラになりました。


結局、終点Tutubanに到着したのは8:52(定刻5:30)で、約3時間20分の遅れになりました。
体力があるものでもなく、そんなに若くはない私にとってほぼ半日の旅はしんどいもので、ましてやすし詰め状態の列車でしたら、次回は乗車することをやめておこうかと思ったしだいです。
今回、乗車しましたMayon Limited Ordinaryの時刻表と運転日についてはPNRのウェブサイトに記載されていますので、体力、興味のある方は是非参考にしていただき、お試しいただければと思います。


なお、この編成は以下のとおりです。
Tutuban←キハ52-121+キハ52-102+キハ52-123+キハ52-120→Ligao

Mayon Volcanoの街、Legazpiへ

2012年05月04日 00時46分47秒 | フィリピン
昨日はキハ52国鉄色でNagaからLigaoまでの乗車記を簡単に紹介させていただきましたが、本日はかつてルソン富士とも言われたMayon VolcanoのあるLegazpi周辺のことについて簡単に紹介します。
Ligaoから先は2006年の台風により甚大な被害を受け、それ以来Legazpiへは運行ができない状態が続いており、Legazpiまではジプニーでの移動が強いられます。
ということでLigao駅から5分程歩いて国道にたどり着くのですが、駅へのアクセス道路の近くにジープニーが停車しており、Legazpi行きが5~10分間隔で出発していました。
LigaoからLegazpiまで約30kmほどありますので、1時間程かかるのかと思っていましたが、途中で乗り降りが思ったほど少なく我々の乗ったジープニーは国道を快調に飛ばし、約45分で目的地Legazpiの中心市街地に到着しました。


到着後、我々は早速、ホテルを目指すのですが、ホリーウィーク期間中の現地でのホテル探しは連れ仲間を疲れさせてしまうのではないかということで、あらかじめ日本を出発する前にPNRのLegazpi駅近くにあるHotel Casa Blancaに電話し予約を入れておきました。何度かこの街を訪れていたものの2002年頃を最後にご無沙汰しており、RNRのLegazpi駅がどのようになっているのか見てみたいということもあり、単純にLegazpi駅直近にあるホテルに決めてしまったのですが、チェックイン早々、私が電話で予約を入れた時に会話した相手が「あなたがタガログ語で予約を入れていたことを覚えているよ!」と褒め言葉なのかわかりませんがおっしゃっていました。(フィリピンでは日本人は9割程度、英語で会話しますので)
荷物をホテルに置いて中心地で昼食をとり、そのあとすぐにLegazpi駅の散策でもと思っていたのですが、連れ仲間が慣れない列車などの移動で疲れていたのか、ホテルへ戻って夕方まで寝てしまいました。

結局、次の日の9日の朝にようやくLegazpi駅を散策することができました。駅本屋自体、以前と変わっていませんが、やはり5年も使われていないとなると若干荒廃が進んでいました。


駅本屋の天井が剥げ落ちていますが、石造りのせいか多少補修を行えば使用できるのではないかと思います。


ホームは1面2線であり、柱が石造りで屋根が付いた立派なホームです。今では近所の社交の場となっており、下の写真ではトランプで賭け事をしていました。


下の写真は駅本屋を西側から見たもので、2線ともに車止めが設置されています。


Legazpi駅西側のデルタ線がどのようになっているのかということで、Ligao(Manila) 寄りのレールを辿っていったのですが、Tabaco方面とのポイント部分においては下の写真のとおり、軌道上を大きな石や土砂で覆われている部分があり、所々、枕木が路盤と接地せずに宙に浮いているような箇所もありました。


また、下の写真はデルタ線の南方(上の写真のちょうど反対側)ですが、軌道上近くに小屋のようなものが建てられてしまい、開通にあたってはこれらの家屋の移動や取り壊しが伴います。


以上、簡単にご紹介しましたが、Legazpiまでの開通については今年中に開通との予定で、少なくとも開通には早くて半年程度要するのではないかと予測しております。開通時にはMayon LimitedやBicol Exp.、コミュータートレインも乗り入れてくれるのではないかと期待しております。

最後にこの日のお昼過ぎに中心地から北西側3kmのところにある小高い山であるLignon Hillへ行って、標高2421mもあるMayon Volcanoを眺めました。最初のうちは雲があったものの下の写真のように見事に全容を現してくれました。


次回はLigaoに戻り、Ligaoからキハ52新潟色によるMayon Limited Ordinaryでマニラへ戻ります。

キハ52国鉄色で終点Ligaoへ

2012年05月03日 01時40分39秒 | フィリピン
前回はBicol Exp.でNagaまで簡単に述べましたが、本日はNagaから現在のフィリピン国鉄の終点であるLigaoまで簡単に述べたいと思います。
Nagaに到着後、乗車してきたBicol Exp. のデルタ線を使った入れ換えの様子を見てても良かったのですが、小さな子供も一緒でしたので駅から1kmも離れていないNagaの中心地で朝食をまず取ることにしました。朝食後、Naga駅に戻ってみるとBicol Exp.の続行列車のMayon Limited De Luxeとして運転されていた「こがね」は残念ながら、出発してしまったようで乗車することができませんでした。時計の針を見ると7時45分でしたので、ならば土・日曜日に運転されている8時ちょうど発のNaga~Ligao間のコミュータートレインに乗車しようというこで、まずは窓口で乗車券を購入しました。私たちが乗車するLigao行きのコミュータートレインは、Naga~Sipocot~Nagaに充当されている白色の12系客車がそのままLigaoまで行くのだと思っていたのですが、駅員らしき人に尋ねてみるとあそこに止まっている列車がLigao行きと指差しました。指差した方向を見るとホーム寄り線路のホームから外れたLigao寄りに国鉄色のキハ52が止まっていました。さらに詳しく聞いてみるとSipocotから来る列車との接続を図り、この国鉄色のキハ52がLigaoへ行くとのことでした。Ligao行きは通常であればNagaを8時ちょうどに出発し、Ligaoに9時50分に到着するのですが、今回はホリーウィークということもありTutuban~Ligao間に臨時列車として充当されたこのキハ52が抜擢されました。
8時30分頃、ようやくSipocotから大勢の乗客を乗せた列車が到着すると、キハ52の停車位置をホーム中央部に移動させ、駅で待っている乗客を乗せるというので、私はLigao寄りに停車していたキハ52の乗務員室に飛び乗りました。列車はゆっくりとホーム中程へと進み、私はホームで待っていた乗客に乗務員室から思わず「Sakay na kayo(乗りなさい)」と叫んでしまいました。

下の写真はキハ52の乗務員室から撮影したものです。


ホーム寄りの線路にNaga~Sipocot~Naga間で充当された白色12系客車とキハ52国鉄色Ligao行きが縦列停車していました。
ちなみにこの白色12系客車の編成は以下のとおりです。
Naga←DL2535+CAR5+7A-2025+CAR4→Sipocot


ホームで待っていた乗客や私の連れ仲間も一斉に乗車するとほぼボックスシートが埋まりました。
8:47、列車はようやく発車し、Nagaの市街地をゆっくりと進みました。


市街地を抜けると日本のキハ52でも体験したことのないぐらいのスピードで走り、スピードメーターは95km/h近くまでを指していました。
保線状態が良いかというと播但線のような保線状態で95km/hまで出しても大丈夫と言えるようなものとはかけ離れており、ある程度のポンピングも所々あり、ちょっとしたことで脱線でもしてしまうのではないかというぐらいな豪快な走りでした。私は乗務員に「Ayaw ko pang pumunta sa langit!(私はまだ天国に行きたくないよ!)」と言ったのですが、乗務員たちは平気だよ!ベテランだしと簡単にあしらわれてしまいました。フィリピンやインドネシアではバスが結構なスピードで飛ばすのですが、このフィリピン国鉄においてもスピード狂の運転士が何人かいるようで、たまたまその運転士の列車に乗車してしまったようです。


Piliに9:03、Baoに9:17に発車し、かなりの回復運転が行われているのですが、それにしても元々Nagaで47分遅れでしたので、5分や10分早まったとしても大したことではありません。
列車停車の際、ドアをどのように開けているのか知りたくなり、切符を販売している車掌の様子を見てみると、足で車両のドアコックを捻り、ドアの開け閉めを行っていました。


豪快な走りは続き、これ以上何を言ってもどうしようもないので諦めて前方の景色を堪能することにしました。
Irigaの手前で前方に富士山のような成層火山が見えてきたので、これは私たちが今日目指すMayon Volcanoかと尋ねてみると、あれは「Mt.Irigaです」とのことで、ビコール地方にはインドネシアのジャワ島のようにいくつかの成層火山があるようです。


NagaとLigaoのほぼ中間点であるIrigaには9:25に発車し、約30分の遅れまでに回復しました。
各駅では降りる乗客がほとんどで、乗車はあまり見られませんでした。

下の写真はIriga到着のシーンです。


Irigaを過ぎても走りが豪快であり、90km/h近いスピードで進みました。
しばらくすると前方に先程見た同じような成層火山が現れ、あの山こそ本物のMayon Volcanoでした。残念ながら山頂付近が雲で覆われており、このあとLegazpiに宿泊したのですが、1日中、山頂付近は雲で覆われており、きれいな姿を目にすることはできませんでした。


現在の終点であるLigaoには10:10に到着し、時刻どおりであれば9:50ですので、遅れが20分となりました。全線をほぼ90km/h近いスピードで走ってきたのですから、約30分も回復してくれたのですが、それにしても走り方が豪快過ぎて私は2度と乗りたくないと思ったしだいです。

下の写真は終点Ligaoに到着のシーンです。
奥には乗り損ねたMayon Limited De Luxeに充当されている「こがね」が停車していました。


Mayon Limited De Luxeに充当されている「こがね」はこの日 の夜、Tutubanへと帰っていきました。


乗車したこのキハ52国鉄色も、臨時列車としてこの日の夜Tutubanへと戻っていきました。
なお編成は以下のとおりです。
Ligao←キハ52-137+キハ52-127+キハ52-122→Naga


翌日の夜、ここLigaoから新潟色キハ52のMayon Limited Ordinary(Ligao19:15発で自由席)に乗車しマニラへと帰りますので、席を確保するためには何時までにこの駅に来たらと良いかと駅員に尋ね、夕方の18時頃までに来れば大丈夫だよと返事をいただくのですが、実は翌日Ligaoの駅で思わぬ問題が発生します。
次回はとりあえずLegazpiへと案内します。

Bicol Exp.に乗車し、Bicol地方へ

2012年05月01日 00時40分33秒 | フィリピン
昨年6月29日に14系寝台車などによるBicol Exp.が運転再開され、昨年7月に乗車し乗車記を書きましたが、本日は4月訪比の際にもBicol Exp.に乗車しましたので、今回は簡単に報告したいと思います。
今年のホリーウィークは4月1日(日)~8日(日)であり、5日(Maundy Thursday)から9日(Bataan day)まで祝日と土日が続くため、多くの地方出身の方々は故郷へ帰ります。その中、私はGood Fridayにあたる6日にマニラに到着したのですが、この6日はフィリピンでは自宅で慎ましく生活する習慣がありますので、大型の商業施設やレストランなどはお休みでマニラ市内を走るLRTやMRTも運休となります。もちろんフィリピン国鉄もコミュータートレインや地方への列車もお休みとなりますが、次の日の7日には大勢の帰省客がフィリピン国鉄を利用することが予想されていました。
6日にマニラでやむを得ない用事がありましたので仕方ありませんが、次の日の7日に交通機関で移動するには大変さが強いられることは想像できました。訪比する前から7日に列車でBicol地方へ出かけようと思っており、それも私1人だけでなく現地の友人など私含めて計4人(+2歳の子供1人)でした。3月25日頃にフィリピン国鉄の指定券窓口に電話してみるとBicol Exp.の寝台車は「fully booked」との返事がありましたが、そこはフィリピンのことだから何とでもなるだろうということで、知り合いのフィリピン国鉄の方に直接電話してみると「いいよ、切符売ってあげるよ」との返事があり、4人分のB寝台(Family Class)を難なくゲットできました。

7日当日、16時頃Bicol Exp.の始発駅であるTutuban駅へ行ってみると大勢の乗客が待合所で待っていました。地方への切符売場でも切符を購入するため行列ができていましたが、寝台車の切符は問題なく買えたようです。早速、Tutuban駅の南側にあるTutuban Centerで夕飯と夜食などを買い物し、再びTutuban駅へ戻るとBicol Exp.とMayon Limited De Luxe(通常、Tutuban発は月、水、金曜日運行)に充当されるキハ59の「こがね」が入線していました。
Bicol Exp.の編成を早速眺めてみるとソロ1両が組み込まれており、編成は以下のとおりでした。
Naga←DL918+スハネフ14-28+スハネ14-752+スハネフ14-30+オハネ14-89+CAR2(リクライニングシート)→Tutuban


ソロ1両が組み込まれているのであれば、B寝台からソロへ移れないかとマニア魂が漲ってくるのですが、まずは連れの仲間に相談してみるとやはりソロに移りたいというので、切符売場の窓口で聞いてみると判断ができないという返事がありました。ならばBicol Exp.に乗車する車掌を見つけて相談してみると、途中、Alabangまでソロに乗車する人がいるかもしれないので、Alabangを過ぎて乗客がいなかったら差額分(ソロはExecutive Class)を払った上で移っても良いとのことでした。
18時頃、乗車が開始されると私たちもまずはB寝台の指定された場所でおとなしく席に着きました。車内を散策してみるとリクライニングシートで7割程度、B寝台で5割程度が埋まっており、途中停車するEspanaやPasay Roadなどからも乗り込み、最終的にリクライニングシートが満席、B寝台で8割程度となりました。
列車は定刻18:30にTutubanを出発し、マニラの市内をゆっくりと進みました。


普段は停車しないと思うのですが、なぜかEdsaで20分ほど停車し、あとで車掌に聞いてみると冷房装置の調整で停車したようで、昨年7月に乗車した時に比べ車内が寒すぎず適度な温度でした。Alabangに約30分遅れの19:50頃に到着し、ソロの状況を見に行くと空き部屋が多いようですので車掌に聞いてみました。すると「移っていいよ」というので移ることにしたのですが、仲間で乗車しておきながら1人1部屋ではなんとも淋しいものですし、2人1部屋でも十分ですので、2部屋だけ陣取ることにしました。ソロは2階建ての個室になっており、2階のほうがサンルーフのようになっているので2階のほうが眺めが良いのですが、1階に比べ揺れが激しく2階でも大丈夫かなと心配しておりました。それでも出来るだけ揺れの少ない車両中央部の部屋を陣取ったので、揺れは酷くないかと思っていたのですが、Calambaあたりを過ぎた先からジェットコースターのように激しくなり、連れてきた2歳の子供が酔ってしまいました。昨年7月のB寝台利用時はへっちゃらだったのですが、やはり2階ともなると揺れがさらに増幅されるようで、私でさえも乗り物酔いした気分に若干なりかけていました。それでも唯一救いだったのがサンルーフのような窓から見える満月で、月の明かりが真っ暗な部屋の中に射し込んでおり、なんともロマンチックな感じでした。


切符の清算はのちほど行うと車掌が言っていたので起きて待っていたのですが、ウトウトしていた頃、ドアを叩く音が聞こえました。ドアを開けるとやはり車掌で、ソロの利用については原則1人1部屋の利用なので、4人分つまり4部屋分の料金(この場合ソロからB寝台の差額分)を払わなければならないのかと思っていましたが、私たちの場合2部屋分の利用ですので、2人分の差額分(P333×2人=P666)のみで済んでしまいました。
その後も激しい揺れは続いていたのですが、睡魔に襲われ気がついてみたら、どこかの駅に停車していました。


Sipocot手前でハイケンスのセレナーデが聞こえ、車掌がタガログ語での案内を始めると完全に目が冴えてしまいました。
Libmananに5:45頃に到着し、1時間45分ほどの遅れがでておりました。


Libmananを出るときれいな朝日を拝むことができました。


前回と同じように洗面所で頭を洗うと30分ほどで終点のNagaに到着しました。
Nagaに到着したのは6:15で、予定よりも1時間45分ほどの遅れでした。
時刻通りでしたら4:30の到着ですので、もちろん遅れてもらったほうが私のような日本人にとっては何かと都合が良いのですが。
このあとLegazpiまで行くため、続行のMayon Limited De Luxeか土・日曜日に運行されているコミュータートレインで終点のLigao駅まで乗車することとし、ひとまずはNagaで朝食を取ることにしました。
この続きは次回へ。





PNR203系の近況について

2012年04月28日 19時12分39秒 | フィリピン
フィリピンから帰国後4月13日に1度、フィリピン国鉄について簡単に報告しましたが、詳細については述べておりませんので、写真の掲載とともに説明していきたいと思います。
今回の目玉は何と言っても203系の動向であり、本日は203系について報告したいと思います。
ホリーウィークの4月6日にマニラに到着し、早速、次の日にフィリピン国鉄を訪ねることにしました。訪比する前日にフィリピン国鉄の方に連絡を入れると、7日の列車番号113列車(Tutuban8:05発)に試験的にSucatまで203系を充当させるという情報を入手し、この列車に絶対乗車しようと意気込んでいました。
7日は土曜日であり、ましてやホリーウィークの期間中(日本のお盆のようなもの)ということでマニラ市内は朝でも渋滞がないと確信しておりましたが、それでもホテルからPNRの駅まで予測のつかないこともあるかと思い、Pasay Road駅近くのホテルにチェックインしました。
203系が充当される113列車はPasay Road駅を8:35に発車しますので、10分ぐらい前に駅に行けばよいと思い、ここまで私の計画どおり順調でした。Tutuban方面を目を凝らして見ると前照灯を点灯した列車がこちらに近づいて来るのがわかり、やっと初営業に就く203系に乗車できるのではと期待しておりました。しかし、車両の前照灯がやけに明るく、もしかして単なるRotemのDMUではないのかという予感が涌いてきました。いやな予感は的中するもので列車がPasay Road駅に到着する約500m手前で明らかにRotemの車両とわかると反対側のTutuban方面のホームへ行って少しでも早く車庫のあるTutubanへ行こうと思ったのですが、そのRotemの列車がホームへ入って来ると乗務員室から「井上さん!」と言う声が聞こえ、乗務員室を覗いて見ると地元の鉄道マニアでした。現在のジャカルタのように一般利用者はこのPNRでも勝手に乗務員室に乗り込むことは現在では禁止されていますが、なぜか地元のマニアが乗務員室に乗り込んでおり、運転士も「Pasok ka!(入りなさい!)」と言うので、乗務員室にお邪魔し、Tutubanとは逆方面のAlabang方面へと向かいました。この地元のマニア達は私が訪比する前にFacebook上に7日の113列車に203系が充当されるかもしれないことと、私は乗車する予定と書き込んだため、彼らも初の203系営業列車に乗車したいのかそれともこの変な日本人のマニアに会いたかったのかわかりませんが、妙なところでお会いすることになりました。彼らの話を聞いていると203系は機器の調整中とのことで7日の初営業は無理のようですが、明日8日充当されるかもしれないという情報を入手しました。

203系初営業に乗車できるのではと期待していた113列車はRotemの車両でした。この113列車は通常どおりAlabangで折り返し、Alabang9:05発のTutuban行きとなりました。


Alabangに到着すると大勢の乗客が乗り込んできましたが、私たちはこのまま乗務員室(今度は列車最後尾)に留まりました。1時間程で終点Tutubanに近づくと列車の進行方向右側に下の写真のようにオレンジ色帯を纏った車両を目にすることができました。
この車両のみオレンジ色帯に変更され、Tcに発電機を搭載した車両で、PNRの203系の中では唯一稼働することができる車両です。
ちなみにこの車両の編成はTutuban←M203-14+T203-113+M'202-119+M203-119+Tc203-107→Calambaであり、各車両の向きは統一されています。



Tutuban駅に到着すると、早速、先程見たオレンジ帯に変更された203系を覗いて見ることにしました。
Tc203-107の後位になぜか発電機が設置され、稼働している時はかなり五月蝿く感じます。前位に設置した方が利用者の利便性や安全性で優位ではないかと思ったのですが、車両担当者にこの件で質問することを忘れてしまいました。


Tc203-107の前位の客室へ入って見ると発電機のある部屋とパーテーションで区切られ、隣に機械室があることを感じさせません。この車両は側引戸3箇所分のスペースがあり、女性専用車として利用するのであれば最適なのですが、現在、Rotemの車両はマニラのLRTやMRTと同じように各列車の進行方向先頭側の車両が女性専用として指定されているため、203系の本格的な営業に際して女性専用車の位置がどのように指定されるのか気になるところです。
機械室とのパーテーション部分には意味もないようなちょっと低いつり革が2つだけ設置されています。


Tc203-107以外の4両の客室へ入ってみると発電機を稼働していたこともあり冷房装置も使用されており、車内はRotemの車両よりも冷えていました。私は電気のことについては詳しくないのですが、車両担当者の話しではM’202に搭載されているMGを使用せず、この発電機から1両あたり直接20KVAが供給されていると話されていました。


側引戸のガラス部分は全て潰され、投石防止ネットの設置とPNRのロゴマークが車両番号の上に貼付けられております。
このオレンジ色帯5両以外のエメグリ帯の車両でも投石防止ネットやロゴマークの取り付けが行われておりますので、発電機の搭載や帯をオレンジ色に変更する工事が順次実施されるのではないかと思います。車両担当者の話しでは発電機はもう1つあるものの壊れており、5台分を早々に購入する予定とのことです。


下の写真は発電機の搭載されているTc203-107とは逆方向(M203-14)から見た姿です。
M203-104のパンタグラフが畳まれているものの形状が崩れています。


エメグリ帯の車両も順次整備が行われていますが、発電機の搭載には少々時間がかかるものと思われますし、ディーゼル機関車も限りがありますので、本格的な営業に際してはいろいろな問題をクリアしなければなりません。


車両担当者の話しとして、現在12系ボロボロ客車によって運行されているTutuban~Binan間のCommexをとりあえず203系に置き換えるとのことで、運用区間をBinanからマニラからさらに郊外にあるCalambaまで延ばす予定とのことです。早くて4月9日の週から実施することを述べていましたが、実際にはいまだに実施されておらず、203系の運行に際して多少時間がかかるのではないかと予測しております。なお203系に置き換わってもこの12系客車はすぐにスクラップにしないようです。(とりあえず予備車的な存在となるのでしょうか)

下の写真3点は地元のマニアの方から許可を得て入手した写真で、4月8日に初めて203系が試験的にTutuban~Sucat間に充当されました。私は残念ながら7日夕方、Bicol Exp.でビコール地方へと旅立ち203系初営業のシーンを見ることができませんでした。乗客にとっては好評のようであったようですが、運行するほうとしては現在ではAlabangでの機回しが出来ず、機回しの可能なSucatなどの駅に限られ、機回しに時間がかかり危険性を伴うこと。ホーム有効長が足りず、ホーム上に停車していない車両での乗り降りに際しては子供や女性は困難になることなど、いろいろな問題が発生するのではないかと思っております。



写真はMichael Chacho氏によるものです。

次回はBicol Exp.でビコール地方へと誘いたいと思います。


フィリピン国鉄探訪

2012年04月13日 02時04分21秒 | フィリピン
4月6日~11日にかけてフィリピンに滞在しましたが、今回は14系寝台車によるBicol Exp.とキハ52新潟色によるMayon Limited Ordinaryに乗車し、Tutuban~Ligao間を往復しました。
仕事のほうが忙しいため、詳細については落ち着いたあとに述べていきたいと思いますが、まずは簡単に説明したいと思います。
今回の訪比で最も目玉であったのが訪比前にも報告しましたように203系であります。
5両の203系がオレンジ色に変更され、Tc203-107に発電機を搭載し、4月3日にTutuban~Calamba間で試運転が行われましたが、私がマニラに到着した翌日7日に早くも営業されるのではないかということで、フィリピン国鉄の方から事前に教えていただいた203系が充当される列車番号113列車(Tutuban8:05発)をPasay Road駅で待っておりました。
しかしながら、充当されたのは単なるRotem製のDMUで、私の大いなる期待に反して初営業に就く203系の乗車とはなりませんでした。とりあえずこのRotem製造のDMUでAlabangまで行き、折り返してTutubanに行くことにしました。
Tutubanに近づくとヤードの中にはオレンジ色帯に変更された203系5両を目撃することができました。
予定ではこの日に運行開始される予定でしたが、各種機器のチェックなどを行っており、営業シーンにあり付くことはできませんでした。


Tc203-107には発電機が搭載され、客室と発電機が搭載された機械室がパーテーションによって区切られています。
M’202の床下にあるMGはどうも使用していないようで、この発電機から供給しているようです。
実際に車内に入ってみたのですが、冷房がRotem製造のDMUよりも効いておりました。


203系の詳細については、後日、報告したいと思いますが、私がBicol Exp.に乗車し、Legazpiを目指していた8日の列車番号113列車にこの203系が充当され、Tutuban~Sucat間で営業が開始されました。しかしながら、カプラーに問題があり、安全上、補助的にDLとこの203系を連環連結器のようなもので連結することが今後必要とされているようです。
今後の予定としては、車両を担当されている方の話として、Tutuban~BinanもしくはCalamba間に充当し、現在、Commexとして運行されているボロボロ12系客車を置き換える予定で、Calambaに運転士の宿泊施設も整備される予定とのことです。
日中においても機回し可能なSucatまで充当することも計画されているようです。

続いて、キハ52ですが、フィリピン滞在中においては、新潟色4両のほうはTutuban~Ligao間に運行されているMayon Limited Ordinaryに充当されています。運行スケジュールについてはPNRのホームページをご覧いただければと思いますが、実際に私もこのMayon Limited Ordinaryに乗車し、以前、東京と大垣を結んでいた165系による夜行列車のような混雑ぶりで大変でした。乗車記、エピソードはまた後日報告します。


国鉄色3両については、ホリーウィークの期間中、臨時列車がTutuban~Ligao間に運行され、8日はNaga~Ligao間のCommuterにも充当されました。普段はおそらくTutubanに留置されているものと思われます。
下の写真はNaga~Ligao間に充当されたCommuter列車で、終点のLigao駅で撮影したものです。


14系寝台車によるBicol Exp.については、ホリーウィーク期間中、ソロ1両が組成され、Executiveクラスとして運行されました。実際に私もソロを利用してみましたので、時間がありましたら簡単に報告したいと思います。
また、こがね(キハ59)はTutuban~Ligao間でMayon Limited De Luxeとして運行されていました。

以上、簡単に報告しましたが、詳細については後日時間のある時に報告したいと思います。

PNRの203系、試運転開始

2012年04月04日 23時09分54秒 | フィリピン
フィリピン国鉄(PNR)の話題がご無沙汰しておりましたが、ここ最近いろいろと動きがありますので、急遽6日からフィリピンへ行くことにしました。今回、フィリピンでは昨年7月に引き続き14系寝台車によるBicol Express乗車と3月16日からTutuban~Ligao間で運行開始されたMayon LimitedのOrdinary(キハ52)に乗車することを予定しております。また、Mayon火山のあるLegazpiにも滞在する予定ですので、現在、休業中のLagazpi駅や線路の状況も確認したいと思っております。

ところで本日お届けする話題は地元の鉄道ファンから203系に関する情報をいただきましたので、その情報について簡単に報告したいと思います。
昨年、JRからキハ52やキハ59(こがね)とともにPNRへ203系40両が無償譲渡され、1月頃Tc203-107に発電機を搭載する工事がCaloocan工場で実施されましたが、つい最近203系5両に対し帯をオレンジ色に変更し、投石防止ネットの取り付けなどが実施され、営業開始に向けほぼ準備が整ったためか今月3日、Tutuban~Calamba間で整備された5両を使って試運転が実施されました。


下の写真はCalamba駅に停車するDL919で、編成は Tutuban←DL919+M203-14+T203-113+M'202-119+M203-119+Tc203-107→Calamba という構成になっております。
また、編成中にMGは1つしかありませんが、冷房装置関係には問題がないようで、RotemのDMUよりも冷えていたようです。


下の写真はCalamba南側に聳えるMt.Maquilingで、避暑地で風光明媚なTagaytayもここから30分ほどで行けます。


Alabang以南ではローカルな風景が広がっていますが、Calamba付近までは大都市Manilaの通勤圏内であり、今後、Commuter TrainがTutubanからCalambaまで運行されることが計画されています。


以上、簡単に報告しましたが、7日も試運転が予定されているようですので、時間がありましたら試運転の状況をレポートしたいと思います。
(写真は全てMark Chua氏の提供によるものです。)

Tutuban車庫探検

2012年01月12日 01時25分09秒 | フィリピン
先月の訪比時以降、PNR(フィリピン国鉄)の各車両の状況、運行状況などを簡単に述べてまいりましたが、ほとんど紹介し尽くしましたので、これで最後にしたいと思います。

最後にTutuban車庫の全容をご紹介したいと思いますが、Tutuban駅構内及びヤード内の状況は1月3日のキハ52の記事の中で地図がありますので、そちらを参考にしていただければと思います。
PNRのほとんどの車両がここTutubanに留置され、一部の車両がCaloocan工場に留置されていますが、Caloocan工場へは先月訪問しておりませんので、どのような車両が留置されていたのかはわかりません。

撮影にあたっては以前にも説明しましたようにTutuban駅構内にあるPNRの受付で許可をもらう必要があります。許可を取る際にはパスポートかIDなど身分を証明できるものが必要になります。許可を取らないで勝手に撮影や線路内へ立ち入ると警備員に尋問を受けることになり、許可を取るように促されるかと思われます。


Tutuban駅構内及びヤード内は、昨年9月以降に203系やキハ52など計50両が留置されたため、急に狭くなったような気がします。


ヤードの隅っこには元JR九州のNorth Rail用12系が数両留置されていますが、長年使用されなかったためか、廃虚化しつつあります。これらの車両が再び使用されることがあるのかわかりませんが、使用となるとかなり手を入れないと復活は難しいかもしれません。


修繕庫内にはほとんどの韓国Rotem社製造のDMUが留置され、キハ59(こがね)もこのあたりに留置されているものと思われます。


Tutuban駅から最も離れたところには機関庫があります。この機関庫内に以前PNRで使用されていた気動車1両が留置されています。


以上、簡単にPNRの近況を簡単に報告しましたが、何か動きがありましたら報告したいと思いますし、春あたりにでも訪比することを模索中ですので、帰国の際にはPNRについて近況報告させていただきたいと思っております。

最後にお知らせさせていただきたいと思います。
1つは今月発売の鉄道ピクトリアルで、アジアの鉄道に詳しい斎藤幹雄氏がPNRについてレポートされております。おそらく203系やキハ52などの写真も掲載されているかと思われますので、興味のある方はどうぞご覧いただければと思います。

もう1つは近年、東南アジアを中心に新規路線が増え続けているLCCのジェットスター航空がいよいよ成田に3月26日より乗り入れが開始されます。今回、成田へ乗り入れるのは成田-マニラ-ダーウィン線で週4便が開設されます。
スケジュールは以下のとおりで、成田からマニラへ行く時間帯については特に問題ありませんが、マニラから成田へ戻る時間帯についてはマニラ発があまりにも早く、利用しづらいところがあります。セブパシフィック航空も早期に東京へ乗り入れてもらえれば、両者の会社をうまく利用できるのではないかと思いますが、乗り入れがいつ実現されるのでしょうか。
JQ79便 NRT 14時25分発/MNL 18時25分着(月、火、金、土)
    MNL 19時15分発/DRW 翌日01時20分着(月、火、金、土)
JQ78便 DRW 03時15分発/MNL 05時55分着(月、火、金、土)
    MNL 06時55分発/NRT 12時15分着(月、火、金、土)

Bicol Express近況

2012年01月10日 01時39分49秒 | フィリピン
昨年7月訪比時にBicol Expressに乗車し、その乗車記を掲載しましたが、その列車に使用されている車両についてはあまり触れておりませんでしたので、簡単に報告させていただきたいと思います。
と言っても私は客車や気動車には詳しくありませんので、詳細については勘弁させていただきたいと思います。

一昨年9月にJR東日本から譲渡された14系寝台車10両の各形式の紹介からさせていただきたいと思います。
まずはスハネフ14ですが、PNRには4両(スハネフ14-28、29、30、32)在籍し、車体色に合わせた投石防止ネットが取り付けられております。


続いてオハネ14で、この形式も4両(オハネ14-63、82、89、91)在籍し、確認はしておりませんが全ての車両に投石防止ネットが取り付けられていると思われます。


下の写真は1人用B個室寝台(ソロ)車両、スハネ14-750番台で、2両(スハネ14-752、755)が在籍しておりますが、大家族主義のフィリピンではこの車両の出番はほとんどないようです。フィリピン人の行動スタイルとしてはほとんどの人が家族ぐるみや夫婦同士、恋人同士で行動しますので、この車両を使用するほどの需要がなく、開放式寝台車の車両でさえ需要が少ないので、ますますこの車両の使用方法が問われます。ファミリーにも使用できるよう改造してもらうことや、寝台料金を引き下げするなどの工夫が必要かと思われます。


下の写真は12系改造のリクライニングシート車です。Bicol Expressでは寝台車よりも安いことから最も利用率が高く、PNRとしてもリクライニングシート車を必要としています。この車両にはモニターが取り付けられ、7月の乗車記でも紹介させていただいたように映画などが放映されています。


下の写真は12系改造によるダイニングカーで、今のところ1両しかありません。
車内には4人用のテーブルが8つ、3人用が4つ、カウンターと簡素な厨房が設置され、PNRではご自慢の車両ですが、普段、使用されることは少なく、スハネ14-750番台と同様に存在意義が問われています。もう1両ダイニングカーが整備され、Legazpiまで運転再開された暁に使用されると乗客も旅が一層楽しいものになるに違いないかと思いますが、果たして今後使用されるのか気になるところです。
担当者の話しとしては将来的にスナックや酒類、ソフトドリンク、簡単な料理を提供したいとのことですが、この車両が使用されることを期待したいところです。


寝台車には全て車体中央部に「BICOL EXPRESS」とPNRのロゴマークが取り付けられており、窓ガラスには投石防止ネットが取り付けられていますが、タイやマレーシアで活躍する日本からの中古寝台車に比べれば原形を保っています。


下の写真はBicol Expressに充当された12系改造のリクライニングシート車で、妻面の扉がないことからベニヤ板のようなもので塞いでおります。


下の写真はTutuban駅で入れ換えを行っているところを撮影したものです。
先月の訪比時にBicol Expressの列車を確認しておりませんので詳しい情報は提供できませんが、おそらくTutuban~Naga間を毎日運行しているものと思われます。詳しい情報が必要な方は以下のウェブサイトで質問していただくか、直接Tutuban駅にご連絡いただければと思います。(もちろん英語かフィリピン語で)
http://www.facebook.com/pnrailways
電話(Tutuban駅):63-2-319-0048(63はフィリピンの国番号です)

マニラ首都圏のコミュータートレイン近況

2012年01月06日 23時44分26秒 | フィリピン
先日に引き続きPNR(フィリピン国鉄)の話題ですが、本日はマニラ首都圏のコミュータートレインについて、簡単に報告させていただきたいと思います。
Tutuban~Alabang間(28.09km)は、先日も述べましたように基本的に韓国Rotem製造のDMU3両編成が使用されていますが、朝一番列車の1往復(101:Tutuban5:05発、102:Alabang6:05発)のみキハ52が使用されるようです。
また、Tutuban~Binan間(39.76km)のCommexは12系車両4両編成が使用されています。


2011年9月20日ダイヤ改正時刻については以下のとおりです。
列車番号Tutuban→Alabang(下り)
101 5:05→6:00(キハ52)
103 5:35→6:30日曜・祝日は運休
105 6:05→7:00
107 6:35→7:30日曜・祝日は運休
109 7:05→8:00
111 7:35→8:30日曜・祝日は運休
113 8:05→9:00
115 8:35→9:30日曜・祝日は運休
117 9:05→10:00
119 9:35→10:30日曜・祝日は運休
121 10:05→11:00
123 11:05→12:00
125 12:05→13:00
127 13:05→14:00
129 14:05→15:00
131 14:35→15:30日曜・祝日は運休
133 15:05→16:00
135 15:35→16:30日曜・祝日は運休
137 16:05→17:00
139 16:35→17:30日曜・祝日は運休
141 17:05→18:00
143 17:35→18:30日曜・祝日は運休
145 18:05→19:00
201 18:45→20:30(12系客車Binan行き:時刻はBinan着)

列車番号Alabang→Tutuban(上り)
202 4:50→6:35(12系客車Binan発:時刻はBinan発)
102 6:05→7:00(キハ52)
104 6:35→7:30日曜・祝日は運休
106 7:05→8:00
108 7:35→8:30日曜・祝日は運休
110 8:05→9:00
112 8:35→9:30日曜・祝日は運休
114 9:05→10:00
116 9:35→10:30日曜・祝日は運休
118 10:05→11:00
120 10:35→11:30日曜・祝日は運休
122 11:05→12:00
124 12:05→13:00
126 13:05→14:00
128 14:05→15:00
130 15:05→16:00
132 15:35→16:30日曜・祝日は運休
134 16:05→17:00
136 16:35→17:30日曜・祝日は運休
138 17:05→18:00
140 17:35→18:30日曜・祝日は運休
142 18:05→19:00
144 18:35→19:30日曜・祝日は運休
146 19:05→20:00

時刻表を見ると非常にシンプルなダイヤが組まれており、平日・土曜日においては朝夕のラッシュ時が30分間隔、データイムが1時間間隔の運転間隔であり、日曜・祝日においてはCommexを除いて終日1時間間隔で運転されています。
将来的には約20年前の報告書でもあるように朝夕のラッシュ時が15分間隔、データイムが30分間隔で運行を計画しているものと思われますが、現在稼動できる車両ではこの列車密度を維持できませんので、少なくとも203系4編成分の整備が必要ではないかと思われます。もちろんAlabangでの機回し線の整備が必要ですし、場合によってはSucat~Alabang間の複線化も前提となることも予測されます。(203系についてはSucat折り返しとなることも予測されますが)
その他、203系運行に際しては1編成5両であるため、ホーム有効長がDMU3両分にしか対応しておらず、各駅でのホーム延伸工事もしくは各車両の側引戸下部に乗降用のステップが必要となります。Buendia駅においては現在のホームがなぜか2つの踏切に挟まれたところに設置されているため、これ以上のホーム延伸は不可能であり、移設工事が必要となることが予想されます。(最初から考えてホームを設置すればこのようなことが起こらないのですが)

車両状況については先程も説明しましたように韓国Rotem製造のDMU3両編成×6編成分が担っていますが、DMU6編成(DMR-11 ITR-06 DMR-12)についてはAlabang付近で発生した衝突事故により故障中のため、現在も使用はできません。
Binan発着のCommexは走るバラック小屋と言われるようにボロボロの12系客車4両が使用され、1日でも早い置き換えが望まれますが、下の写真(昨年7月撮影)のように塗料は剥がれ落ち、車内もほとんど電灯が点いてなかったり、シートがないところもありますので、普通のフィリピン人でも乗車することを敬遠します。