ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『風』が。

2014-09-17 07:53:27 | 日記
9月14日『日曜美術館』(NHK)を観ました。
【あふれ出る"デザイン" 民藝の巨人・芹沢介】
この番組は、いつも録画で観ますので、何日か遅れてじっくり楽しむことになります。

私は、芹沢介の作品が大好きです。
私の、美術品の評価基準は、単に好きか・嫌いか、この作品を「盗んで来たいほどか」
を自分に問うことが、基準です。
もちろん、盗み出したりはしませんし、出来もしません。
ただただ評価の基準にすぎません。
人間国宝であろうが、幼子のいたずら描きであろうが、私に語りかけて来る作品を「良し」
としています。

番組でも紹介されていましたが、以前、芹沢介の『風』の字 のれんを観た時は、
涼やかな風に包まれたことを覚えています。
「のれん」から、「風」が、のびやかに立ち昇り、軽やかで、舞うように。

「パリの散歩道」のメロディにのって舞った羽生結弦選手を思い出しました。
あの時も「風」を感じたのです。
初々しさ、
憧れと、かすかな苛立ち、
強靭な意志、と悲しみ、
差しだされる伸びやかな上肢、
支え運ぶ しなやかな下肢
あれは、興福寺の阿修羅像に どこか似ていたような気がします。

そして、今春、天に召された敬愛する井上洋治神父さまの「詩」を、思い出したのです。
    『風がひらく』
      あ、
      風がひらく
         風がひらく
      青葉になり
         紅葉になり
      春雨になり
         秋雨になる
      あ、
      風がひらく
         風がひらく

神父さまの葬儀ミサ・告別式の日は、「東京カテドラル聖マリア大聖堂」で行われました。
春一番の日。
強い、強い風でした。
でも、春一番は、春を連れてきます。

そういえば、こんな歌(「赤とんぼ」のメロディ で)も教えていただいたのです。
  ♪ 澄んだとんぼの姿から
    きこえてくるよ子守うた
    ひろい ひろい夕焼けの
    お空を流れる子守うた
    アッバ(※)の奏でる子守うたが ♪

[生誕120年記念・デザイナー芹沢介の世界展]
は、9月23日まで、東京・日本橋高島屋で開かれています。
私は来年の3月、仙台の東北福祉大学・芹沢介美術工芸館で観ることにします。

東京へ行くより電車賃が安いということ。
長男夫婦が住んでいるということ。
愛するもの達が住む町は、「いい町」だから。
だから、その町を選ぶ。
それだけ。

       ※「アッバ」は、アラム語で、「父」の意味。呼びかけに用いる親愛の語。
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