ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

ちょっと怖くなりました。

2014-09-03 07:54:56 | 日記
NHKテレビ小説「花子とアン」。
女性作家の宇田川先生は、従軍作家として戦地におもむく事になりました。

連子さまの夫・宮本龍一は、仲間と大陸へ渡るという計画(和平工作)の一件で、
憲兵に連行されてしまいます。
連子の一家は、突然おこった龍一の連行・家宅捜索に、ただ仰天するばかり。
憲兵の一人である花子の兄・吉太郎の帽子の下の目つきが、何とも暗く怖く感じられました。
「こんな戦争はさっさと止めさせるべきなのだ」
と言って連行されて行く龍一へ、
『非国民』
『売国奴』
と、近隣の人たちからの罵声が飛び交います。

これは、かって見た光景です。
怖くなりました。
あの時代、国民は挙国体制に加担させられ、また加担したのです。

宇田川先生が、従軍作家として戦地におもむく報告会の席で、軍歌「婦人従軍歌」が
流されていました。
   ♪ 火筒(ほづつ)の響き遠ざかる
     跡には虫も声たてず
     吹きたつ風はなまぐさく
     くれない染めし草の色 ♪

『くれない染めし草の色』
この部分の歌詞を聞いただけで、私は70年近く前にタイムスリップしてしまったのです。
愛国少女だった私は、この歌をよく口ずさんでおりました。
早く大人になって、従軍看護婦になってみたいと思っていたからです。

教育とは、大切ではありますが、また恐ろしいものです。
70年経った今、軍歌のワンフレーズを聞いただけで、歌詞のすべて、感情までがよみがえって
来てしまうのですから。

でも、今の私は、
『非国民』
『売国奴』
というような言葉で、国策に異を唱える人たちを排斥するような時代・世の中にさせては
いけないと思っています。
それが、70数年生きてきた私の、心の履歴書です。

PS
安倍首相は、「女性の活躍推進」を掲げています。
女性・男性を問わず、社会は その能力が生かされるべきでしょう。
ただ、大臣であれ、企業の役職者であれ、選ばれた女性が、かっての「愛国婦人」のように
だけはなって欲しくありません。
間違っても、
「今は非常時です。国策を重んじましょう」などと言わないで欲しいのです。
                                    〈ゴマメのばーば〉
コメント
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