渋谷の小さな映画館でロシア特集と共に下斗米伸夫・法大教授のトークショーがあることを知って出掛けた。一年半前(2011/9/21)の台風による大雨の日であった。映画「大祖国戦争」は典型的なプロパガンダ映画で、ときたまウツラウツラしながら観ていた。しかし、(筆者にとって)肝心のトークショーでは眠気も覚めて、現金なものだ。
前半は「映画のタイトル、『大祖国戦争』です。『第二次世界大戦』ではない、この差異に先ず注目!」から入り、第二次世界大戦におけるスターリンを中心としたソ連の状況を生々しく描写した。歴史的事実とその解釈に引き込まれた。
続いて後半が(筆者にとって)白眉であった。
「レーニン主義というのを私自身は別な角度から見るようになっています。」「ロシア帝国とソ連帝国という二つの帝国が終わって初めてよく見えたことのひとつに、宗教、とくに古儀式派という異端の潮流があります。」に引き込まれる。
聴いているときは“コギシキハ?”であり、聴き取り概要がネットに掲載され、始めて“古儀式派”とわかった。「ロシア帝国以前の古いロシアの人々は別の儀式で信仰を維持してきた。」
「彼らから見るとロシア帝国は宗教的な裏切り者、サンクトペテルブルグは反キリストの街である。自分たちの本当の信仰はモスクワである。モスクワは第3のローマだ、という考え方を持つ非常に原理主義の流れが二百数十年間生き残り続けます。これが20世紀に再生したのです。日露戦争での帝国ロシアの動揺、そしてロシア革命です。ロシア革命もこの流れを見ないとわからない。」
これにはビックリだ!ロシア革命がロシア正教以前の旧い原理主義、宗教シンボリズムの匂いを漂わせ反ロシア帝国の“コギシキハ”と密接に関わっているとは!「これが20世紀に再生した」との言葉からな永井陽之助のいう“グノーシス主義”が想い浮かんだ(『二十世紀と共に生きて』「「二十世紀」の遺産」(文藝春秋社1985) P32)。
ここから「スターリン体制の“全体主義”的性格の思想的根源にレーニン主義がある。」(『戦争と革命』「現代と戦略」(文藝春秋社1985) P284)までは頭の中で繋がっている。アジアから中南米、アフリカへと伝搬する“現代の革命”の根源!本日の日経の書評に下斗米氏の新著「ロシアとソ連 歴史に消された者たち」(河出書房新社)が紹介され、「ロシア政治史」にパラダイムチェンジを図ると書かれている。
前半は「映画のタイトル、『大祖国戦争』です。『第二次世界大戦』ではない、この差異に先ず注目!」から入り、第二次世界大戦におけるスターリンを中心としたソ連の状況を生々しく描写した。歴史的事実とその解釈に引き込まれた。
続いて後半が(筆者にとって)白眉であった。
「レーニン主義というのを私自身は別な角度から見るようになっています。」「ロシア帝国とソ連帝国という二つの帝国が終わって初めてよく見えたことのひとつに、宗教、とくに古儀式派という異端の潮流があります。」に引き込まれる。
聴いているときは“コギシキハ?”であり、聴き取り概要がネットに掲載され、始めて“古儀式派”とわかった。「ロシア帝国以前の古いロシアの人々は別の儀式で信仰を維持してきた。」
「彼らから見るとロシア帝国は宗教的な裏切り者、サンクトペテルブルグは反キリストの街である。自分たちの本当の信仰はモスクワである。モスクワは第3のローマだ、という考え方を持つ非常に原理主義の流れが二百数十年間生き残り続けます。これが20世紀に再生したのです。日露戦争での帝国ロシアの動揺、そしてロシア革命です。ロシア革命もこの流れを見ないとわからない。」
これにはビックリだ!ロシア革命がロシア正教以前の旧い原理主義、宗教シンボリズムの匂いを漂わせ反ロシア帝国の“コギシキハ”と密接に関わっているとは!「これが20世紀に再生した」との言葉からな永井陽之助のいう“グノーシス主義”が想い浮かんだ(『二十世紀と共に生きて』「「二十世紀」の遺産」(文藝春秋社1985) P32)。
ここから「スターリン体制の“全体主義”的性格の思想的根源にレーニン主義がある。」(『戦争と革命』「現代と戦略」(文藝春秋社1985) P284)までは頭の中で繋がっている。アジアから中南米、アフリカへと伝搬する“現代の革命”の根源!本日の日経の書評に下斗米氏の新著「ロシアとソ連 歴史に消された者たち」(河出書房新社)が紹介され、「ロシア政治史」にパラダイムチェンジを図ると書かれている。