散歩から探検へ~政治を動かすもの

自己認識の学・永井陽之助の政治学を支柱に、自由人による主体的浮動層の形成を目指し、政治状況の認識・評価・態度を語ります。

浮遊する改革志向層、小泉、民主から維新・みんなへ~過去3回・衆院選挙の“票”~

2012年12月24日 | 国内政治
今回を中心に過去3回の衆院選挙の結果を、昨日「表」で示し、小選挙区制が良く機能していることを議論した。昨日の記事では、小選挙区制は政治統合の機能であって、多数派を政権に就けることが狙いになる。一方、実際の国民の意識を直接的に反映しているのは、“票数”そのものだ。ここから、国民の意識として“改革志向”が著しく増加していることが判る。しかし、改革志向層において、その方向が漠然として、統一感がなく、政策が具体化しない処に問題を感じる。既存政党も改革の方向を提案ができず、マスメディアも批判的報道だけなのだ。

自民党の得票は前々回2,600万票から今回1,600万票と大幅に減少している。しかし、議員数は300名弱と見事に一致している。これが第1党のマジックであるが、守旧派の復帰により、小泉改革への期待が萎むと共に、1,000万票が減少したと解釈できる。前々回は、当時の小泉首相が「自民党をぶっ壊す」と叫んで郵政改革を旗印に選挙へ突入したからだ。一方、改革に関する具体的な政策として、「ぶっ壊す」という「否定」以外に何があったのか?

民主党の得票は、これも前々回2,100万票から今回960万票と1,100万票が減少している。前回の選挙において3,000万票もが、民主党へ政策的に何を期待したのか?今回の選挙では、マニフェストを実行しなかったとの批判が強いようだ。しかし、「行政のムダ」を省き、費用を捻出、との話は事業仕分けの結果から無理と判り、かつ、構造改革、成長戦略は題目だけになった段階では、子ども手当、農家戸別所得補償、高校無償化などは単なるバラマキと化す。そこで、消費増税は筋が通らず、マスメディアも批判が先に立ち、改革に対する個々の国民の声も強くはなかった。即ち、期待は漠然とした“痛みなき改革”だったように思える。

第三極としての維新の会、みんなの党は今回の選挙で合わせて1,800万票を獲得した。自民党と民主党が減少した分とほぼ釣り合いがとれ、改革票が回ったと考えられる。維新の会は、グレートリセットとの言葉で枠を広げ、構造改革・福祉政策見直しを掲げてはいるが、何でも改革だとの構えで、逆に優先順位は不明確だ。また、太陽の党を飲み込み、54名の議員としての活動が始まり、個々の政策に対する取組が具体化しない限りは、その姿は明確にならないであろう。この未知数に対して、漠然と改革を期待した投票も少なくはないように思える。

改革を期待する国民の意識が、小泉改革、民主党から第三極へ流れ、その間、明確な姿にならないのは何故だろうか。当然、現状維持層がいる。今回の選挙での自民、公明、民主支持層が中心だ。今後、自民党・公明党はインフレ政策、大型補正予算等を実行する。旧来の路線だ。

今後は現状維持に対し、対立軸を示せる政党が改革層の受け皿として必要になる。その最大のポイントは高齢化・人口減における社会目標、また、それを支えるグローバル経済へ対応する“構造改革”及び巨額な政府債務に対する“財政規律”、それに伴う“福祉政策見直し”である。具体策は痛みを伴い、また、その効果も時間がかかる。従って、政治家のリーダーシップ、マスメディアの検証・評価の冷静な報道が必要だ。改革志向層は、リソースの質的向上・配置最適化による経済全体の底上げを図ることを、現状維持層に対して説得する姿勢が大切だ。

        
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