in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

Abduction

2008年08月08日 | Weblog
昨日の訃報のニュースはショックで、今日一日ぼおっとしていた。そんな時に、連絡の途絶えていた技術職員から連絡があり、急遽ある場所で会った。

この国で職員が失踪することは過去に何回かあったので(多くは海外移住が理由)、今回もそのケースかと、最近はそのスタッフを懸念する思いが転じた失望感でいっぱいだった。しかし、予想は全く違った。1カ月ぶりに会った彼は、頭を丸刈りにし、トレードマークの髭も無くなり、痩せて別人のようだった。

理由を聞くと、先月初めに突然軍人たちが自宅にやってきて、約20年前に数ヶ月ほど軍に入隊していた際の規約に違反していたとかで、軍の駐屯地に連れて行かれ拉致されていたとのこと。かける言葉もない。どうやら貧しかった彼は当時、軍の「働きながら勉強できる」という勧誘にのせられたようだった。

遠い過去の出来事に、軍が今ごろ躍起になっている背景には、政府軍の人手不足がある。退役軍人も戦場へ送り出そうとする大統領命令に従って、この国は動いている。人権侵害もへったくれもない。

身も心もボロボロになった状況の人間に自分は何ができるのか。なんとか彼が職場に復帰できるように動くことにする。

オケ同期の訃報

2008年08月07日 | Japan
出張から帰ってきてメールを見ると、「大学同期のFが亡くなった」との訃報が届いていた。

は?

しばらく思考停止になる。

気を取り直して、最後まで読み通すと、家族4人で今月4日のドライブ中に事故に合い、奥さんと二人の子供は無事だったが、運転していた本人だけ亡くなった、とのこと。

大学時代は土日も含めて、同じパート(楽器)で、毎日のようにオーケストラの練習場で会い、年に3回はそれぞれ一週間の合宿といった時間を一緒に過ごしていた。コンビニやレストランでバイトしていた奴には、よくおこぼれのパンをもらった。4番ではなかったけれど、ブラームスの曲も一緒に練習した。

卒業してからは会う機会はめっきり減ってしまったけれど、こつこつと幸せな家庭生活を積み上げている様子が毎年届く年賀状から手に取るようにわかった。

そういえば学生時代に、走り屋というあだ名がつきそうなくらい、攻めの運転をしたいたことを思い出す。家族残して先に逝くなんて何やってんねん、お前。いや、家族だけでも守ろうとして、必死にハンドルを切ったんやろう、そうに違いない。あほたれ。

避難キャンプ

2008年08月06日 | Weblog
学校建設の現場帰りに、2年前にBatticaloa市内で建てた避難キャンプを訪ねる。うちのスタッフが維持管理に定期的に入っているので、特に仮設住宅自体に大きな不具合はないが、彼らのこの生活があとどれくらい続くのかわからない現状を考えると心が曇る。

簡潔に状況を説明すると、戦争が始まるにしたがい、政府軍基地周辺の住民は住居を追い出され、住み場所も生活の糧も失った。政府は昨年から代替地の提案をしているが、とんでもない僻地であったり、水の便が悪かったりととても受け入れられる条件ではない。

2年もの避難所生活をしながら、どうして子供たちはこんなに屈託のない笑顔で迎えてくれるのだろうか(写真)。

Ghost Town / 陸の孤島?

2008年08月02日 | Weblog
今日もSAARCサミットの話になるが、首脳会談が開かれる会議場の通りと、その経路になる道りが、昼間のほとんどの時間、閉鎖された。自分の家がある通りは、それら大きい通りに挟まれ、通行止めにはならなかったものの、一度外に出たら家になかなか戻ってこれそうになかったので、大半の時間を家で過ごす。

ジムは同じ通りにあるので、昼過ぎに行き汗をながす。ダンベルを持ち上げる時には、集中しないと上げられらないので、余計なことを考えず気分転換になる。行き帰りの道では、大使館の警備員や交差点に立つ警察官らを除いて、人が歩いていないまるでGhost Townのようだった。

夕方から、以前手に入れたお気に入りのDVD、カルロス・クライバー指揮&ベルリン・フィルのコンサートを斜目で見ながら、書類の整理をしていた。しばらくしてメインプログラムのブラームスの4番が、物悲しい裏拍の旋律で始まった。

不意を突かれたように涙が出てきて、しばらく呆然とした。オーケストラで演奏していた頃の平和で満たされていた時間が無性に懐かしい。半年近く練習して本番を迎えたことのある曲は、その当時の情景がありありと目に浮かぶ。皆元気かな。それにしてもこんなに敏感になるとは、最近疲れていたんやろう。

SAARC休暇

2008年08月01日 | Weblog
SAARCサミットで要人の来国が大詰めを迎える今日、政府は、役所や民間に職場に来ないことを推奨し、ほとんどの場所が急に休みになった。そんな簡単に休みになるくらい、真剣に仕事をしている人は少ないということかなー。
ちなみに、コロンボの学校は来週からの夏休みが前倒しになって、今週初めからずっと休み。

うちの職場も半分休業状態で、でも自分は月曜から国内出張なので、仕事を片付ける。自転車に乗って普段着で来たら、職場のガードマンに止められる。そんなに外見が普段と違った?

アフガニスタンの同僚のレポートのリンクが送られてきて読む。
アフガニスタン復興支援-セレナホテル襲撃・恐怖の夜
内容が結構ハードで、この業界で働き続けることに躊躇した。そういえば、戦闘映画とか、最近つらくて見られなくなった。