goo blog サービス終了のお知らせ 

in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

避難所訪問

2014年09月26日 | Iraq
アルビルから北(トルコ方面)に1時間ほど車で行ったShaqlawaという町の避難所にドナー(活動資金支援団体)を連れて行った。訪ねた建物は宗教施設と呼ばれていたが、内部のしつらえからすると普段は多目的ホールのような使い方をしていたのではないかと思う。600平米ほどの平屋建に、約30家族(聞く人によって数が異なった)が2ヶ月ほど過ごしている。

今年6月頃からイスラム過激派武装組織ISISがムスールなどを占拠し、国内避難民の数が一気に増えた。訪ねた避難所の人々はカラコシュの町から着の身着のまま逃げてきたそうで、支援団体から支給された生活用品や寝具で日々を暮らしている。

戦火が迫ってくる中、住み慣れた家と土地、そして仕事のある場所を捨て、避難することを決断する瞬間はどういったものか。ここに集まった人々は知り合いの車やタクシーで逃げ出したそうで、足の悪いお年寄りも一緒に逃げられたそうだ。一方、先週会った人は身ごもった妻を一緒に連れて何日も歩くわけには行かず、まずは自分が先に行って解決策を探してから戻ろうとしたものの、既に戦火の広がった場所に戻ることができず、なす術もないと一人で塞ぎこんでいた。

話を聞いていて、スリランカでの内戦終結前後にお会いした人々のことを強烈に思い出した。どんな理由であっても、武力行使は絶対にあかんと思う。