in Switzerland  酪農場の国にて

ただいま、復興支援中。
このブログは著者の恩師・知人・家族への近況報告です。

Permanent House

2012年08月02日 | Haiti
ハイチの震災復興関係の話を最近していなかったので、ここらでPermanent House建設の話題を(Permanent Houseは、開発業界の日本語にすると恒久住宅となるみたいだが、復興住宅と訳したほうが自分にはしっくりくる)。

大統領選挙や首相の決定が遅れて、政府がほとんど機能していない2010-11年であったが、昨年後半よりなんとか動き出して、それに伴い復興関連の事業も徐々に姿を見せ始めた。復興興住宅の基準も(何となく)できあがってきた。未だに国の目標戸数がいくつなのか、どこに建てるつもりなのかはっきりしないが、1戸当たり6,000米ドル(約50万円)というあたりまでは明文化され、他国政府や支援機関(世界銀行、国際NGOとか)の予算の目安となっている。

うちの職場でも、いろいろデザインを検討したが、6,000米ドル(工賃は含まれるが、援助団体の職員の給料とか経費は含めない)でできることは限られている、耐震基準も備えないけないし。土地の限られた都心部を対象に、2階建で12,000米ドルを予算とし、各階20m2の家を考えた(小さ!)。まあ、仮設住宅でも標準仕様の18m2が敷地に収まらず、削って12m2の奴を結構建てたので、しばらくこれで様子を見る。

今年4月から案を練り始め、5月から敷地と被災家族を選択肢し弁護士を通して土地問題を解決した後、6月にまず1棟を着工した。今日は2階の床スラブにコンクリを流し込む段階まで来たので、色見本で配色の検討(写真)。あまり選択肢がなく15分ほどで決めた。

ハイチでは被災キャンプを解消するために、仮設住宅を提供する以外の方法に、土地や戻る家がない人には、ある期間家賃を全額支援する事業が赤十字やうちの機関(他部署)で展開されている。日本の「みなし仮設(住宅)」とは、正確には違うけど、まあコンセプトは似ているかな。

で、その賃貸に出せる対象物件が、ポルトー・プランス都心部ではもう少ないということで、うちの機関がこれから建設する事業は、家が壊れた大家に1階(もしくは2階)に住んでもらい、行き場所のない被災家族に2階(もしくは1階)を数年間無償(もしくは微料の家賃)で提供することを条件に家自体を無償(他国民の税金もしくは寄付による)で提供するというものを展開予定。

復興住宅事業に関わると、スリランカ時代のように、赴任期間が長くなる傾向にあるが、まあこれも流れのうちか。日本でもアメリカでも全く報道されていないが、DRコンゴのKivu州(州都はゴマ)で先月より戦渦が激しくなってきて、異動どころではなくなった気がする。