Gikuri

ギクリのブログ。たまに自意識過剰。

ローマと烏孫の深い?関係

2006-11-30 | 読書
ローマの神話』という本を読んでいたのですが、
ローマ建国神話に登場する双子の兄弟
ロムルスとレムスって、烏孫の王の昆莫と同じような
育てられ方だったという伝説になってるんですね。

兄弟が狼から乳を貰ったというのは知ってたのですが
(リウィウス版でもそうです)、プルタルコスの
物語では、もっと昆莫と似ています。
以下はp48より引用、下線は戯玖璃によるものです。
王はテラティウスに双子を殺すようにと命令した。
だが男は双子を川辺に置き去りにしただけだった。
牝狼がやってきて、双子に乳をふくませ、
あらゆる種類の小鳥たちが双子の口に食べ物を
はこんできた。
やがて牛飼いが双子を見つけて
家につれて帰った。成長した双子は邪悪な王を倒した。
で、昆莫はどうだったかといいますと、うちのサイトの
『漢書』張騫伝をどうぞ。
大月氏は難兜靡を攻め殺して彼の土地を奪い、
人民は匈奴に逃亡しました。(難兜靡の)子の昆莫が新たに生まれ、
後見の布就翕侯が(昆莫を)抱えて逃げ、草の中に置いていって
食べ物を探して帰ると、狼が昆莫に乳をやり、
また烏が肉をくわえてそばを飛んでいる
のを見て、神と思って
匈奴に持っていって服属し、単于は昆莫を愛し養育しました。
(略)昆莫は既に強く、自ら単于に父の敵を討たせてくれと願い、
ついに西に大月氏を攻め破りました。
「置き去りにされた子供」に対して「狼が乳をやり」「鳥が餌を与える」
というところが、ローマ建国神話と烏孫の伝説とで一致しています
(敵討ちまで同じですが、私としては『漢書』張騫伝じゃなくて
『史記』大宛伝を採ってるので、本当は昆莫のパパ難兜靡は
大月氏じゃなくて匈奴に討たれたと考えてます。ここでは、
『史記』の訳をうちで掲載してないので『漢書』を使いました)。

これは偶然の一致なのか、それとも文化の伝播なのか。
伝播だとしたら、スキタイとかサルマタイとかその辺の
遊牧民経由で天山地方にまで伝わったのでしょうか?
(スキタイはローマ発展期よりも時代的に早いかな…)

サルマタイといえば、Wikipediaで「オセット人」の項を見て、
「これが本当なら露鵬・白露山兄弟って遊牧民の血が
流れてるのかよ!」と一人興奮したものです(爆)。
モンゴル帝国に征服されたとありますが、以前ロシア語の
番組で白露山と時天空が会話してたそうなので、
特別な嫌蒙感情(?)とかはないのかもしれません。
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