Mouse(はつかねずみ)の複数かな!?
学会のML(メーリングリスト)で、大阪MICEのセミナー・展示会の案内が配信されてきました。その講演の一つに「IoT、観光・MICE産業、オープンデータ」(講師:坂村健・東大教授)と、霞が関関係省庁課長のパネルがあり、無料なので参加しました。
会場は、ウメキタのグランフロント、ピカピカの現代的ビルの中でした。
坂村先生の講演。 さすがに話し慣れています。
テーマは、IoT。
東京で、2020年に向けて、電鉄会社、バスなど全ての公共交通機関を巻き込んで、運行データや設備地図など公開して、交通系ICカード、デジタルサイネージ、スマホなどを活用してIoTを実現するプロジェクトの紹介でした。
次は、お役人のプレゼンがあり、溝畑宏氏(大阪観光局理事長)のパワフルな講演。
大阪は関西の中心都市として、MICE資源にとても恵まれていると強調しました。
ところで「MICE」とは:”MICE(マイス)は、Meeting(会議・研修)、Incentive(招待旅行、travel, tour)、Conference(国際会議・学術会議)またはConvention、Exhibition(展示会)またはEventの4つの頭文字を合わせた言葉である。ビジネスと関わりがあり多数の人の移動を伴う行事という、企業などの会議やセミナー、報償・研修旅行、国際会議や総会・学会、展示会・見本市・イベントなど、観光および旅行の観点から着目した総称で、・・・” (出典:Wikipedia)
私の経験ですが、約40年前に京都の国際会館を会場にして2000人規模(外国人が半数以上)の学術会議の事務局で実行班を担当したことがありました。当時は、このような支援業務会社はほぼゼロ。唯一、JTBが外国からの旅行手配、ホテル予約、観光イベント手配を担当しただけでした。インターネットもまだなかったので、国際郵便、国際テレックス、国際電報で参加者の登録やビザ支援を実施。論文集(プロシーディング)は電話帳のように分厚く紙に印刷して2分冊ありました。PCも一般的ではなかったので、英文タイプライターでタイプして、指定の原稿フォーマットに糊で貼り付けました。
さて、大阪の現在状況です。
2015年には、大阪を訪問した外国人が急増しました。今年、2016年はさらにそれを大幅に上回る勢いで、上半期だけでも驚くほどだそうです。
講演会が終わって、その後、パーティが始まりました。このパーティは、MICE業者さんの実演も兼ねていました。
まず、福娘の会場入口での歓迎。
可愛くて、華やか。純日本的ですが、・・・
本来のレセプションでは、入り口には「主催の責任者」が、多くは夫婦で並んで、握手しながら歓迎の意を表しますね。
どんと、ビリケンさん。 食べ物の飾り付けと内容は、さすがに大阪です。
出展している飲食業、ホテルが、それぞれ飲食品を出していました。
たこ焼き。 飾り付けは見事でしたが、冷めていて食べるとうまくなかった。
主催者、大阪観光局溝畑氏の熱意のこもった挨拶。もと霞が関官僚の天下りのようですが、その話術はなかなかのものでした。
今回、特別に作成した大阪MICEのロゴを形どったポロシャツをお召になっていて、さっと上着を脱いで、ロゴのご披露をされました。
鏡割りや、何人かの挨拶、観光局の支援機能の紹介がありました。
目玉は、マグロの解体ショー。
その後、マグロの刺身が振る舞われました。
ただし、本マグロではなくてビンチョウだったので、まあシンプルな味でした。
大阪の外国訪問者の急増は、恐らく、関西空港に発着するLCCがアジアから運んでくる人々でしょう。お荷物であった関空が、意外な救世主(LCC基地)とアジア新興国の経済成長に救われたわけです。問題は2,3年後とその先だと思います。
今回の感想、観光庁(霞が関の女性参事官)や大阪観光局理事長の主張は、日本もやっとここまで変わってきて、やっと欧州に追いついてきたかなと。ユニークベニュー(美術館、博物館、文化的建築物など)を学会や企業イベントのパーティ会場に許可することの開始など。
貴重文化財は保護も必要だが、それを活用して収入につなげる(それを財源にして維持管理)、お客さんには宿泊(できるだ長く)してもらってもっとお金を使わせる、特に富裕層むけになど・・・これらの要点は、D.アトキンソン「新・観光力行論」にすでに1年少し前に主張されていることです。アトキンソン氏の講演会も聴きにいったことがあります。