本年4月から5月までに東京都美術館で伊藤若冲展(生誕300年)が開催されて、数時間もの入場の待ち行列が発生しました。
東京の美術館に行くことができなかったのですが、京都の相国寺門承天閣美術館で7月から動植綵絵の原寸複製図が展示されているので見学に行きました。
元々、動植綵絵30幅は若冲がこのお寺に寄進したものです。同じ時期に釈迦三尊の3幅を奉納していますが、それらは本物が展示されていました。
動植綵絵は、明治時代に廃仏毀釈のために財政的に困難になった相国寺を維持するために、皇室に寄付してその見返りに1万円を与えられました。その資金によって寺院の土地建物が散逸せずに救われました。
複製画は、コロタイプ印刷という技法で作成されたもので、展示場でみる限り本物(三尊像)と区別がつかない精巧な仕上がりでした。
新緑と石畳の通路を進みました。
「群鶏図」 (引用:Wikipedia 動植綵絵)
若冲はこのニワトリを描くために、自宅に鶏を飼ってスケッチに務めました。力強い鶏の顔、鶏冠、羽、足が、彼の絵の特徴をよく表していると思います。
真正面から見たニワトリの顔は、実にユニーク。
「群魚図」 (引用:同上)
タコの足に、小ダコが掴まっています。
この美術館は、常設展示として若冲の墨絵や金閣寺の障壁画があります。
金閣寺も銀閣寺も、実は、ともに相国寺の塔頭寺院です。
若冲の絵を詳しく解説するこの本を売店で買って、反復して鑑賞することにしました。
この通路の両側には、かわった形の石灯籠がありました。
彫刻家や石屋さんの作品でしょうか。
12月まで開催されています。