朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

「紅いも」 で、村おこし

2016-07-09 | 国内各地の風物

ミニ観光バスが、昼食のために砂糖きび畑が広がる田舎を走り、「御菓子御殿」なる派手な建物の前で停まりました。

まずは、ランチを。

沖縄ソーキそば、もずく、味ご飯、漬物のセットでした。沖縄そばの麺は、小麦粉で作るのだそうです。 ・・テーブルに置いてあった紅しょうがを入れる前に写真を撮ってしまいました。地元の人は皆さん、紅しょうがを入れるようです。



食べ終わって、館内を散策しました。

まず奥のほうがガラス張りで、お菓子工場になっています。

「モンド・セレクション」なるベルギーの食品協会が表彰する金賞のポスターがあります。

この協会の表彰基準は、「味」やデザインではなくて、もっぱら製造時の衛生条件や技術基準、コンプライアンのようです。したがって、ほとんどの日本企業の真面目な製造方法であれば受賞するのが当然でしょう。 JISやJASに合格するのと同等だと思うのですが、どこでも受賞を強調しています。日本の消費者の「外国あこがれ」、世界遺産とかミシュランとかの連想でしょうか。



オートメーションで、お菓子が次々と完成して流れています。



「紅いもタルト」の製造直売です。試食ができます。

観光バスで入ってくる殆どのお客さんは、これを山程買っていきます。

正面に大きな説明パネルがありました。

”芋栽培に適した土壌の読谷村(よみたんそん)が発祥の地”



真ん中の女性「澤岻 カズ子氏」がその立役者でした。

沖縄が本土復帰した1972年、米軍で働いていた人たちを雇用してレストランを開業し、アメリカ仕込みのドーナッツ、チョコレートケーキ、アップルパイの製造を始めました。その販売努力が実り、お菓子業が拡大。

その頃、紅芋の栽培が始まり、土壌と気候条件がマッチして生産量が増えたのですが、当時は植物検疫の制限で本土へ芋のままでの搬入はできませんでした。

そこで、この紅芋を使ってお菓子をつくることを依頼された澤岻 カズ子氏が工夫して「紅いもタルト」を開発しました。これが、その後、大きく発展しました。

*「紅いもタルト」は商標登録していないことから、過去には類似商品と訴訟事件となったのですが、澤岻氏の会社が敗訴しました。

**「読谷(よみたん)紅いもタルト」で登録してあれば勝訴できたのでは。それに、製造方法、波型のアンコ形態なども特許申請や意匠登録していなかったのです。でも、類似菓子と張り合って経営したので成長できたのかもしれません。



平成26年には、「地域の発展 ~6次産業化~」で、農林水産省から表彰されています。

*「6次産業化」とは、1次産業(農業)、2次(製造)、3次(販売)の3種の産業を統合したので、その数字を合計したもの(1+2+3=)、だとか!

やはり、沖縄は、女性がとても強いようです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする