日伊国交樹立150週年記念として、国立西洋美術館で6月12日まで開催されています。東京にて会議があったので見学してきました。
カラヴァッジョは中世の絵画界に大きな衝撃を与えたイタリアの画家です。この看板の絵は酒の神バッカスです。
午前9時半開場なので早い時間に行くのがよいと友人に教えてもらいました。幸い早い時間だったので、3人くらいの列ですぐに買えました。
まずは、10分くらいのビデオで全体の解説をみました。NHK教育の日曜美術館で、4/17にカラヴァッジョ展を放送していました(再放送があるようです)。美術館でのビデオは、NHKの取材映像が一部で使われています。 オーディオガイドを借りました。
これが「法悦のマグラダのマリア」。(出典:公式パンフレット)
世界初公開、2014年までは行方不明だった絵が発見されて、専門家の鑑定によって真筆と認定されました。
この画家は、感情の起伏が激しく、暴力的な行動が多かったことから、諍いを起こして殺人を犯しローマから逃亡する事件をおこしました。
このマグラダのマリアの絵は、恩赦を求めて逃亡先のマルタ島からローマに戻るときに携えていた3枚の内の一つ。恩赦を得るまえに38歳で亡くなってしまします。
会場ではライトに照らされて背景左上に「いばらの冠がついた十字架」がうっすり浮かび上がりました。
NHK教育の放送番組で、ある研究者は「この絵は”モナリザに匹敵する最高の名画”だ」と感想を述べていました。
確かに、彼の初期の作品に比べ、色彩の深刻さ、構図の強烈性が抜きん出ています。
このパンフレットの表紙は、初期の「果物籠を持つ少年」。
カラヴァッジョは、この絵の果物のみずみずしい描写力を得意技にして、ローマで着々と仕事を獲得し、有力な宗教者の庇護をえることに成功します。
「風俗」のセクションに展示されている「女占い師」。ロマの女が占いをするからと若者の手を取って、実は指輪を抜き取ろうとする瞬間です。
イエスの弟子たちが食事をとる情景です。ふと気がついて、キリストの復活に驚く場面。背景を暗くして、光線を計算して主題をハイライトする手法。
こうした「神の光」を描く技法は、同世代から後世にイタリアだけでなく、オランダやフランスで「カラヴァッジェスキ」といわれる追従の画家たちを産みました。
そんな一人、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「煙草を吸う男」。(http://caravaggio.jp/highlight.html)
今回の展示にはないのですが、若い女性が仇の首を切る聖書の場面。『ホロフェルネスの首を斬るユディト』(1598年 - 1599年)
この作品にも、驚かされました・・・・
この絵は「メドゥーサ」、凸状の円形の盾にカンバスを張って、ギリシャ神話に出てくる怪物三姉妹の一人が首を切られた顔を立体感を盛り込んで描いています。驚くほどの飛び出し感覚がありました。
写真では、とてもこの絵の実感を表現できません。
「エッケ・ホモ」 ・・・”この人を見よ” キリストを捕縛に来たローマ総督ピラト(右の人物)がこう叫ぶ場面。
マッシミ枢機卿が3人の画家に競作させた「エッケ・ホモ」のうち2枚が展示されています。
(Ecce homo. ラテン語で「この人を見よ」の意。新約聖書中の次の一節から。 ”ピラト再び出でて人々に言う「見よ、この人を汝らに引き出す、これは何の罪あるをも我が見ぬ事を汝らの知らん為なり」 ここにイエス茨の冠をかむり、紫色の上衣をきて出で給えば、ピラト言う「見よ、この人なり”)