小津安二郎監督の名作「東京物語」のオマージュ作品を見てきました。
あの原節子が演じた戦争未亡人、瀬戸内・尾道の田舎から上京した朴訥な父親、今では想像のつかない貧しい東京の下町風景、、、そんな時代背景を、現代の東京と家族関係に移し替えて描くことができるのだろうかと。
かの山田洋次監督も、原作のストーリーをかなり忠実になぞりすぎて、時代風俗をあわせるのに無理があったなというのが率直な感想です。
まだ見ていない人にネタバレになってはつまらないので、詳しくは書きません。
老齢化する両親と子供たちの生活との感覚のすれ違いは、現代でも通ずるテーマではあります。
「東京物語」が制作された1953(昭和28)年は終戦後の混乱が一応は収まって、経済成長が始まる少し前でした。
そのころから産業構造が変化していき、地方の人々がどんどん都会に移住してくることが始まったのです。小津が描いた地方に住む老父母の感情は確かに現代につながる心象風景だと思います。
新作は、尾道からさらに離れた瀬戸内海の離島が故郷となっています。その海や畑、集落の景色はとても美しい。でも10年後、20年後にもそんな過疎の小島の生活が維持できるのか、考えさせられました。
念のため、広島県大崎上島町の人口推移を見ると、60~85歳あたりにピークがあり、20~60歳はぐんと少ないですから。(商船高専があるようで10歳代にもピークがありますが、彼ら彼女らは島に残らないだろうし)
~~
「東京家族」では、原節子が演じた出征して未だに帰らない次男の嫁「紀子」を、どう設定するのだろうかと、まずはそんなことに興味が湧きました。もはや、戦死とか健気な未亡人などは無理があるしと。
ま、そのあたりは新作をご覧になる楽しみにしてください。
あの原節子が演じた戦争未亡人、瀬戸内・尾道の田舎から上京した朴訥な父親、今では想像のつかない貧しい東京の下町風景、、、そんな時代背景を、現代の東京と家族関係に移し替えて描くことができるのだろうかと。
かの山田洋次監督も、原作のストーリーをかなり忠実になぞりすぎて、時代風俗をあわせるのに無理があったなというのが率直な感想です。
まだ見ていない人にネタバレになってはつまらないので、詳しくは書きません。
老齢化する両親と子供たちの生活との感覚のすれ違いは、現代でも通ずるテーマではあります。
「東京物語」が制作された1953(昭和28)年は終戦後の混乱が一応は収まって、経済成長が始まる少し前でした。
そのころから産業構造が変化していき、地方の人々がどんどん都会に移住してくることが始まったのです。小津が描いた地方に住む老父母の感情は確かに現代につながる心象風景だと思います。
新作は、尾道からさらに離れた瀬戸内海の離島が故郷となっています。その海や畑、集落の景色はとても美しい。でも10年後、20年後にもそんな過疎の小島の生活が維持できるのか、考えさせられました。
念のため、広島県大崎上島町の人口推移を見ると、60~85歳あたりにピークがあり、20~60歳はぐんと少ないですから。(商船高専があるようで10歳代にもピークがありますが、彼ら彼女らは島に残らないだろうし)
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「東京家族」では、原節子が演じた出征して未だに帰らない次男の嫁「紀子」を、どう設定するのだろうかと、まずはそんなことに興味が湧きました。もはや、戦死とか健気な未亡人などは無理があるしと。
ま、そのあたりは新作をご覧になる楽しみにしてください。