朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

ツーリズムと宗教

2011-02-16 | 京都の文化(春)
早くも「都をどり」のニュースが新聞に掲載されました。


引用:京都新聞Web2011-02-15


今年の京都は、法然さんと親鸞さんの遠忌、没後50年ごとに遺徳を追慕して行う法会が営まれます。お二人の逝去にちょうど50年の違いがあるので同年になるのです。

記事を読んで、さすが花街、ビジネスチャンスを捕らえるのがうまいと感心しました。

もっとも、用事も無いのに単純娯楽として旅行に出かける風俗は、近代から現代になって始まったことです。

日本では「お伊勢参り」ならば、神社信仰として、実は慰労も兼ねて長期間の休暇と旅行が宗教行事として幕府にて許容されました。治世でのガス抜きの意味もあったのでしょう。

「東海道中膝栗毛」では、ヤジさんキタさん庶民の道中記が滑稽本として流行しました。これも伊勢、京都、大阪と周遊しています。

目的地とその経過地では、娯楽や飲食も発達したのは当然。

江戸時代から日本最大の行楽目的地の京都で花街や歌舞伎などの庶民のアミューズメントが発達したのも納得です。

因みに欧州でも、カトリック本山(ローマ)参詣目的の「ローマ街道」※など旅行ルートが発達しました。

純粋に娯楽としての外国旅行を「発明」して普及させたのは、トーマス・クック(英国)だといわれています。最初の英国人の観光目的地はスイス。いまだにスイスはイギリス人観光客の憧れ。

それ以前のスイスは、岩山と痩せ地ばかりの貧乏国で傭兵が主要な産業でした。高山、森林や湖など自然環境の価値は19世紀中頃になってやっと認識されはじめました。

※ドイツ語では「ロマンティシュ・シュトラッセ」。ローマへの道という意味が、なぜロマンティック=「現実離れしていて空想的で甘美なさま。小説にありそうなさま」になるのでしょうか? どこかに私の勘違いがあるのかしら。
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