HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

NEW WORLD by FoZZtone

2011年07月06日 | FoZZtone
今日発売のFoZZtoneの2年ぶりの新作『NEW WORLD』を
実のところは昨日タワレコに行って買って来た。
予約していたんだけれど、一刻も早く聴きたいという思いが強く
かなりヘヴィーな日程ではあったんだけれど、強行して
受け取りに行った。
きれいにディスプレイされていて、視聴もできるようになっていて
見ていて本当にうれしかった。やっとこの日が来たって。

昨日はあまりに強行だったもので
家に帰ると身体がもう半分ここにあらずって
感じだったけれども、それでもラジオに
出るってことで、関西でも聴ける番組だったので
それも聴いていた。

なんかdienojiさんと話していると
渡會さんとかもいつもよりテンション高いな~って
思いつつ聴いていた。

以前は昔の男前って感じだったけれど
なんだかたくましくマッチョになったねって
渡會さんが言われていて、くすってしてしまった。

dainojiさんが「インディーズになってさ」
みたいな直球を突然投げて来て、
そういうことをラジオで言われるって
メンバーは想像してたのかな?って
思った。


私が初めてFoZZtoneのライブを見たのは
京都のMOJOだったんだけれど、
その時にフォズが「去年のデビューの日に
ここでライブやったんだ。」って笑顔で
言ってたのが今も忘れられない。
それから月日が経って、メジャーから
インディーズになるってことは
どれだけ彼らが苦しい思いをしていたか
私には想像しかできないけれど
心が痛んだ。

私は正直、すっごくくやしかった。

この国の政治家のように自分たちの利権を優先する
音楽業界のお偉いさんたちに怒りさえ覚えた。

どうして、薄めたようなぺらぺらの音楽を
安売りして、FoZZtoneのような濃い
100%純然たるロックミュージックを
放出してしまうのかって。


きっといろんな不安とか
音楽をやめないといけないんじゃないかとか
葛藤とか悲しみとか苦悩とかなんだか
すべての負の波がきっと押し寄せたに
違いない。

でも、私はこんなに音楽を愛している
良質の音楽を作り上げるバンドを
失うことは許せなかった。

一方で
彼らの所属するアムニスという事務所
なら、絶対に彼らを大事にしてくれるはずだと
信じていた。


それはOMAが企画された時に感じた。
このような手間ひまかかる、手作業となる
ことをやらせてくれるってことだけでも
どれだけ愛情があるかってわかるもの。


苦しみの中で渡會さんをはじめメンバーが
考え出した業界初の企画。

ほんとうに素晴らしいと思った。

そして、そこから全国のタワレコ13支店との
コラボCD。CDショップの人に今度は
選曲してオリジナルのCDを作ってもらうという企画。

まさに同日に13枚同時リリースという快挙も
やってしまったわけだ。


そして、ついに待ちに待ったアルバムがリリースされた。

「ロードストーンズ」と「組曲 白鯨」という2枚組だ。

一曲一曲に対して書くのはまた次の機会として
(なぜなら、まだ昨日今日だから何度も聴けたわけじゃないから)

でも、一度聴いただけで感じたこと。

「彼らはやったんだ!」ってこと。

誰にも真似のできない音楽作品を作り上げたってこと。

頑固までに自分たちで作り上げたものだからこそ
細部に至ってこだわり、ギリシャの神殿の柱のひとつひとつに
彫刻が掘られて、どれにも手抜きなどなく
職人の心が宿っているように

このアルバムの1曲1曲にも
メロディやリズムにも
唄い方やギターの弾き方にも
ベースの鳴らし方やドラミングにも
言葉一つ一つにも
そして、CDのデザイン装丁
歌詞カードの紙質から色合いなど
ソフトもハードもすべてにおいて
心が込められていて、
それは京都の着物職人が染め上げて
筆で色付けした柄の上にさらに
1針1針絹の糸で刺繍を施し、
この世に1つしかない素晴らしい着物を
作り上げるような感じで
この作品は私のもとに
そしてこれから多くの人のもとに
届けられるんだ。


すべての人に
「これは私だけのアルバム」って感じさせてくれるぐらい
FoZZtoneのメンバーの魂が最初から最後まで聴き手に
向かって感じられるアルバムだ。


まだ、聴いてない多くの人に言いたい。


「こんな素敵なアルバムにはちょっとやそっとでは
出会えないよ。是非聴いてください。」って


村上春樹の「海辺のカフカ」にあった

「ある種の不完全さをもった作品は不完全であるがゆえに
人間の心をひきつける。・・・君はその作品を見つける。
別のいい方をすれば、その作品は君を見つける。・・・
その作品にしかできない心の糸の引っ張り方がある。」

というくだり。

これはまさにこの作品にあてはまると思った。

フォズは何かをいったん失った。
そこに不完全さが生まれたけれども
それを受け入れて、そこを音楽で
埋めて行く旅にきっと出たんだ。

いつそのかけらを全部見つけられるかなんて
きっとわからないだろう。
でも、それに絶望することから
受け入れることにしたときに
このような素晴しい作品が誕生し、
そして、不完全な私のような人間を
ある意味見つけて、いっしょに
欠けている何かを探しに行こうって
いってくれているようにこの作品を
聴いていて強く感じた。

まさにフォズトーン号の帆の糸が
みんなの心の糸であって、
いろんな風に吹かれたり、嵐にあっても
凛として帆を支え続けるそんな感じだ。

気品と気高さを忘れない彼らに
心より拍手を!


何を言いたいのかって
読んでいて思う人もいるだろう。

仕方が無いよ。
私だもの。

私みたいな凡人が書く言葉なんだもの。


これが渡會さんがご自身で書いてくれたら
それはもっとわかりやすく、深い言葉に
なるだろうけれどね。


褒めるとか
ファンだからとか
そんな次元じゃないんだ。


純粋にもう何十年も音楽を聴いて生きて来た人間が
心から「ブラボー!」って叫びたくなるんだから
仕方がないじゃん。

本能は意思では動かないから。

好きなものは好き。


それだけ。


素晴らしいと感じるものは私にとっては素晴らしい。


そんなもんさ。

でも、それが一番大事じゃないのかな?
自分の日々を充実させていくうえでね。


長くなったので、このへんで。

また歌については改めて。
コメント (5)
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