HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

世界の終わり at 京都MOJO 2010.5.5

2010年05月08日 | 世界の終わり/SEKAI NO OWARI
今年の3月13日が彼らの名前を知った最初の日。

京都MOJOにABSTRACT MASHのライブを見に行ったときだ。
ライブが終わって、楽屋前のベンチに座りながら、壁に貼られている
今後のライブ情報の中に「5/5 ABSTRACT MASH 世界の終わり」
っていうのを見つけて、アブストの榊巻さんとかっこいいバンド名だねって
話したときだ。

世界の終わりっていう言葉を見て
おそらく、私のようなチバさんをリスペクトする人間は
まず、ミッシェルガンエレファントを思い浮かべるだろう。

あるいは本の世界で言えば、村上春樹を思い出すだろう。


そのときはまだ音楽も何も知らなくて、
勝手にミッシェル系サウンドを想像してた。


それからまもなく、偶然にタワレコで
タワレコ限定発売のCDを見つけて、
衝動買いといえば衝動買いではあるけれど
音楽をまだ聞いてないのに
どんな人が歌っているかも知らないのに
買った。


家で、CDを聴く。

すると予想外の声とサウンドが流れて来た。

想像していたイメージは木っ端みじんに
されて、そこには新しい音楽の芽を感じた。


なんか、無かったなぁ~こういう感じ。
多少はいくつかのバンドの影響もないことは
ないけれど、それを超えて違う独自の世界がそこにあった。


キーボードがキラキラしているサウンドで
テクノ系の要素もありつつ、限りなく透明なメロディ。
でも
そこに重なる言葉の群れは
とても、せつなくどこか痛い言葉の群れだった。

いったいどんなバンドなんだろう?
そう思いつつ、彼らのHPを探す時間も無くて
ライブまでずっと日々の仕事に追われ続けていた。

最近になって彼らのアルバムが出たというので
やっと買いに行った。サードアイブラインドの
新譜といっしょに。


そして、このアルバムを聞いて、さらにとてつもない
新しい音楽の光を感じてしまった。


新しい出会いを確信した。



そして、これは出会うべくして出会ったのか
私がABSTRACT MASHを好きでなかったら
おそらく、ここで出会うことはなかっただろう。

いや、もしかしてそうじゃなくても
出会う準備はできていたのだろうか?


ライブに行く前にスカパーとかで
彼らの「幻の命」を見るチャンスがあった。

ピエロのマスクをかぶったDJがインパクトがあり、
一方で残りの3人がその衣装のせいだと思うけれど
ホワイト。朝の光のホワイトのイメージだった。

この「幻の命」を最初に聞いたときに
その歌詞が痛かった。

どういう過程でこの詩ができたのかとか
まったく情報がないのでわかんないけれど

これは中絶された子どもに捧ぐ曲なんじゃないかと。


私には兄がいたかもしれないっていつも母が言ってた。
私は本当は2番目の子どもだったんだ。
両親は若くて、とっても貧しくて
だから、最初の子どもをどうしても産めなかった。
だから、この世に生まれる前に星になってしまったんだ。

でも、母は忘れられなかったんだろう。
最近こそ言われないけれど、
まだ小学生頃まではときどき何かのときに
「お兄ちゃんがいた」みたいな話をした。

なぜに兄なのかわかんないけれど、
どっちか性別はわからなかったはずなんだけれど。
母は兄だと思っていたんだね。

たまに思うんだ。
ふと出会って、なぜか懐かしく思える人。
それは兄の生まれ変わりかもしれないって。

きっと音楽が好きなはずだ。

すっごく苦しいときに
私に音楽を運んでくれるのは
もしかしたら、UFOに連れ去られた
その幻の兄だったのかもしれない。

この曲を聞きながら
私は母を思った。
そういえばもうすぐ母の日だね。

この京都でのセットリストは

青い太陽
インスタントラジオ
死の魔法
幻の命
虹色の戦争


私は「青い太陽」がすごく好きで
ライブ前に何度も聴いてたので
それが最初に始まったとき
すごく心が震えた。

♪僕らの世界は太陽を無色の色とみなす

♪世界の終わりに青い星が降る
僕らの空に輝く青い花

そこの言葉が好きだ。

そう思っていても
それを言葉にされたのを
初めて聴いて
私はそう思っている人がいたんだと
それがなんだか自分を安心させた。

幼稚園のときに、
太陽の絵を描くのに赤とまるで
お決まりのように描くみんな
それが当たり前のように
赤い太陽が並ぶ


でも、私には赤く見えなかった。
昼間なんて太陽見えないし

そして、たまにうっすら見えるときは
うす青だった。

だから、青い空に白くまるを描いたら
変だと周りから言われた。

もちろん、日の出や夕焼けのときは
赤くみえるけれど、
昼間の太陽は赤くない。
それがずっとずっと幼稚園児のときの
自分の中の疑問だった。


不思議だなぁ~


彼らの歌を聴いてたら
ずっと記憶の底に沈んでいたものが
プカリプカリと浮かんで来たよ。


MCはそれほどなかったけれど
ボーカルの深瀬さんが

「今を大切にっていうけれど
今はすぐに過去になるのに
どうして大切にできるのって思う。
未来はすぐに今になってすぐに過去になる。
どうすればいいんだろうって。でも、そんな今を
この歌に閉じ込めてみました。」
っていうような(このとおりではないので
これはそんな感じに聞こえたという私の記憶ですので)
ことを言って、「死の魔法」を歌い始めた。


そうだよね。
今っていったいどれくらいの範囲までオーケーなの?
今を大切ってほんとうに難しいよね。

この前のJet Lily Starのライブでそれを嫌というほど
感じたもの。

今はどんどん指先からこぼれおちて留めることはできないもの。

それに比べて過去はずっとあり続ける。過去は長く長く繋がっている。
だから、今は未来と過去のつなぎ目であって、大切なのは
過去に大切がどれだけたくさん存在しているかじゃないかって。
振り返ったときにそれが素晴らしい思い出になってたら
今をしっかり生きた証拠だって思えば、今を必死で捕まえようと
しなくてもいいかもしれないってなんか深瀬さんのMCを聴いて思った。

だから、私はこぼれ落ちた今日を過去でしっかり受け止めてるって思えるんだ。


最後の曲「虹色の戦争」

♪花に声があるなら何を叫ぶだろう

すごく印象的なフレーズ

なんだかハッとした。

もしかしたら、道ばたに咲いている花だって
いつも戦火の元にいる人たちみたいに
爆弾が落ちてこないかとおびえているように
いつ人間の手で根っこからもぎとられてしまうか
わかんない恐怖の中で咲いているのかもしれないなぁ~て

そう思ったら、むやみやたらに花を摘めないし、
みやみやたら虫を殺したりもできなくなりそうだ。

きっと誰もがそう思えたら
動物への虐待もしなくなるだろうし、
最近ニュースで聴く、幼児虐待の悲しいニュースも
聴かなくなるだろう。

花は咲くということはそこにやっぱり命があって
この地球にあるすべてに細胞というものがあるなら
それはすべて命だから
それを大切にしていけば
人の命を大事にしていく人が増えていくだろう。
そんなことをこの歌を聴いてて思った。


彼らはバンドだけれど、ドラムがない。
打ち込みを駆使して、DJLOVEがビートを
操る。一方でキーボードもそんな打楽器としての
役割もしっかり担っている。

テクノ系と歌ものロック系がミックスされているけれど
すごく新鮮だ。

どこかダフトパンクっぽいテクノアレンジ。
ダフトパンクは私の好きなテクノサウンドだから
それの香りがちょっとするのがうれしい。


でも、なぜか彼らのアルバムを聴いてて
思い出したのはアリス・クーパーのアルバム。
「From The Inside」

ここをご覧の方や私を知る人もおそらく想像できないほど
私はほんとうに半端じゃないぐらい音楽を今まで生きて来た人生で
聴いて来た。洋楽邦楽問わず、ジャンル問わず。それほど
音楽無しでは生きて来れなかった人なんだ。
そんなたくさん無数に聴いて来たアルバムやシングルの中から
なぜにこのアルバムを思い出したのか不思議だ。

これはもう日本では廃盤だろうし、
実際にCDで出たのかどうかもしらない。
私は実はレコードという過去の音楽メディアで
持っている。まるで絵本みたいにいろいろ扉があって
開くといろんな人がそこにいる。

これはアリスがアル中の治療のために
精神病院に入ったときの経験をアルバムにしたものだ。
それが名曲ぞろい。

あのアリスの目の周りをパンダのように黒く縁取りして
異様な容姿と格好からは想像できない透明なメロディと
悲しい歌詞が散りばめられていて、白い部屋に何もないところで
彼が感じた「静」と「無」があって、それは夜ではなくて
いつも朝のイメージだった。
自分が自分自身と向かいあって対話したところから生まれた曲。

まったく声もサウンドもジャンルが違うし
見た目なんかまったく世界が違うのに
どうして、思い出しちゃったんだろうね。

残念ながらYOU TUBEでも私が好きな曲は見つけられなかった。
でも、このアルバムは輸入盤では見つけられるので
もしチャンスがあれば聴いてみてください。

まったく違うじゃないって思う人の方が多いだろうけどね。


ボーカルの深瀬さんはスカパーのPVで見た印象と違った。
実際の方がより素敵な方だった。
どこかスパイダーマンのトビー・マグワイアを彷彿してしまったけれど
勘違いかもね。

ふわふわした安らぎを与えるオーラが出てた。
彼が歌っているのを見ているだけで癒される感じだ。

特に精神的にくたくたになっている今の自分には
癒しそのものだった。

キーボードの紅一点の彩織さんはきれいな人だった。
もう1人のギタリストの中島さんもやっぱり素敵な人だった。

DJ LOVEさんはずっとマスクしてるから
どんな人なのかわかんないけれど
体格はすごくがっちりした人だった。

ライブ後、凄かったようだけれど
私は少し、それが引いたころにほんの少しだけ
お話した。

世界の終わりっていうバンド名には9万個ぐらいの
意味があるんだって。

でもその中に
ミッシェルも
村上春樹も
ロンドンのワールドエンドも
入ってないって

そうなんだって。

世界をすべて終わらせてしまうときこそ
すべての始まりじゃないかっていうことから
そのバンド名にしたのもその9万個の理由の
ひとつだって。


なんかそう思うと

終わりに希望が持てるね。


ABSTRACT MASHとともに
この世界の終わりとともに
また新しい音楽の夜明けを
迎えられそうだ。





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ABSTRACT MASH at 京都MOJO 2010.5.5

2010年05月08日 | abstract mash
ゴールデンウイークの最初はJet Lily Starの関西ファイナルで
とてつもない喪失感を味わって、しばらくは新しい音楽のガソリンは
いらないやって、Jet Lily Starの音楽の渦にただただ無になって
あえて巻き込まれ、空っぽになるまで回り続けた。

しかしながら、
ゴールデンウイーク最終日の5月5日(水)にABSTRACT MASHという
もうひとつのハイオクガソリンのような音楽に「元気だせよ!俺たちがいるぜ」と
エンジンをかけられて、空っぽの日を返上した。

たった一度だけ、このアブストとジェリスタは同じイベントに出た。
それがせめてもの救い。これからもっと共演が見られるかと思ったのに。
大好きな2バンドだからこそ、いっしょの場所で見たかった。


さて、ここからは京都MOJOでのアブストのライブについて

この日全部で6バンドが出た。
最初のバンドは見れなくて
2バンド目のパンタブラウンの途中から入ったんだけど
すでに人が多くてびっくりした。かなり入ってる。
3バンド目がALL NUDE FASHIONは結構いい感じだった
ように思う。
4バンド目はProf.Moriarty& Smiley-Toddという京都のバンド。
彼らの存在はもう随分前から知ってたけれど、タイプ的には
私的ではない。ボーカルさんのソロライブも実は過去のMOJOの
イベントで見たことがあったけれど、申し訳ないけれど
関西でよくありがちな音楽で、聞きやすいけれど、私のタイプでは
ない。おそらく関西では好きな人が多いタイプの音楽なんだろうなぁ~。
メンバーさんの雰囲気はすごくいいんだけどね。
あくまで、音楽的嗜好が私的ではないっていうだけ。


さて、この次が世界の終わり。
彼らについては別に書こうと思う。


トリがABSTRACT MASH。

彼らは今 ”Save the world " TOUR中で
全国を回ってる。

で、今回京都もその中に入れてくれた。
彼らを初めて見たときから思うと
なんてでかくなったんだろうって思う。

これからもっとでかくなると思うと
手が届かなくなっちゃうのかなぁ~って
それは寂しいけど、うれしいことなのかなぁ~って

セットリストは

I am
Aches
Turn Your Reason
Save the World
Inside the running soul
white schedule

en)
immタール


私の大好きな曲 I amから始まるなんて
いっきに身体がフル充電になったよ。
ウルトラマンがピコピコと胸のランプを
赤く光らせて倒れそうになったときに
またエネルギーをもらってそのピコピコが
消えたような感じかな。


とにかくメンバーの動きが見るたびに
激しくなるし、特に村松さんなんて
最初の頃とは別人のように、会場を
しっかり見据えて,煽るかんじが
すっごくいいし、パワーを感じた。

つい最近NCISでアラバキロックフェスに
行って帰ってきたばかりだから
あそこでの会場の風景と
ここでの会場の風景は
どんな風なシンメトリーとなって
彼の目に映っているのかなぁ~って
思ったりした。

笑顔がいっぱいあって
じっと見つめる目が
凛としてて
堂々としたステージパフォーマンスに
圧倒される。
そして、その魅力的なボーカルが
会場を席巻する。

ベースの梨本さんはなんだか
出会った頃よりずっと大人っぽくなった
気がしたんだけど
そのベースは相変わらず
すっごく動きが激しくて、でも安定感は倍増して
一段とかっこよかった。

小林さんのギターすっごく好きだし、
彼の紡ぎ出すメロディは本当に心に溶け込む。
きっと彼の好きな音の模様は
私の好きな音の模様と一致して
だから、その音でできた服を
まとって会場に立っているような
気持ちにさせてくれる。


そして、ドラムの榊巻さんは
やっぱり笑顔でドラミングし続ける。
いつもキラキラしてるし、すっごく
ライブを楽しんでいるのが伝わってくる。
私が数年前に最初に出会ってお話して
そしてふたたび再会してアブストのもとに私を
戻してくれた榊巻さん。


アンコールはMOJOでは初めてって
村松さんが言ってたけど、私も彼らを
アンコールで迎えるのが初めてだったので
なんだかうれしかった。


彼らはまたwinnieとやる場所もあるし
今度はあのエルレの高橋さんのバンド
スカボロやノーザンとも対バンする。

好きな人がやっぱり好きな人と繋がっていく。


私は小林さんの紡ぐメロディも好きだけれど
村松さんの書く詩も大好きだ。

そんな彼の書く詩で特にインパクトが
あり、曲においてもアブストの代表曲といえる
1mmタールをアンコールにやってくれたのが
最高にうれしかった。

これ聞かないと帰れないって曲だから。

終演後もらった前進ピックをお守りに
また始まる日々との戦いに負けることなく
前進し続けようって思った。



コメント (4)
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