HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

卒業

2007年03月20日 | インディーズ
卒業というのは学校とかの卒業ではない。とあるアーティストの試行錯誤の道からの卒業だ。

私がこのブログを始めた時、Chairというインディーズバンドのことを何度か書いた。昔から見て下さっている方なら覚えていてくださってるかもしれない。そのバンドが解散し、その後、ひとりで試行錯誤しながら、ソロアーティストとして動き始めた山口茂という京都のミュージシャンについて少しづつではあるけれど書いてきた。おそらく、知らぬ間にその軌跡をここに書き留めていたのかもしれない。

そんな彼がようやく初めて自主製作といえども、CDを出した。3曲入りだ。その中に彼がソロになってから書き上げた曲の中で私が一番好きな『月 満ちる間に』をメインに『終着駅』『FLOW』という曲が入っている。これ以外にも心に響く曲が彼の心と指先から何曲も生まれてきた。

どうしてこの3曲を選んだのかはわからない。でも、この曲には私の毎日の生活の中でよぎる一瞬が詰まっていて、もちろん私だけではなく聴く人それぞれの日常がこの曲から感じられるんじゃないかと思う風景がある。


私は実のところ、日頃取り上げているミュージシャンの雰囲気から想像できるように、日本のアコースティックのソロミュージシャンで好きな人はそれほどいない。あえてあげるなら山崎まさよしぐらいかな?


でも、不思議なんだけど、バンドをやっている、あるいはやっていた人がソロでアコースティックライブをやるのを見るのは好きなんだ。なぜか違うんだよね。バンドをやっている人はどこか最初からソロの人とは違う激しさやロック魂というのかビートがあるというのか、違うんだ。

だから、山口さんもアコギでソロなんだけど、そこに心を揺らすビートやらエモーショナルな感情が存在するんだ。そこが素敵なんだ。


彼は昨日レコ発ライブをした。これはある意味「卒業式」だ。

ソロになって不安いっぱいで、どうしようって思いながら、歩き続けて、歌い続けて、作り続けた彼。

私は最初、そんな彼のことが心配で、まるでどこかのおせっかい教師のような、あるいは子どもを思う母のようなそんな感覚で、「何か応援しなくちゃ」「何か自分ができることでお手伝いしなきゃ」って頭はいっぱいだった。

彼が音楽を辞めるのが一番恐かった。


だから、とにかく歩き続けてくれるように応援し、励まし、新曲はすべて聴くようにした。仕事をした後に平日ライブに行くのはかなりヘビーだった。でも、それでも、できるだけ新曲は聞きにいこうと思っていた。

それが、彼が歩くのを辞めないようにするために自分ができることのような気がしたからだ。でも、それは私の勝手な考えであって、実際は彼にはすごくたくさんの友人や音楽仲間やそして次々に増えていくファンがいた。私なんて、そんなにたいした存在ではないのだ。


でも、それでもいいと思えるんだ。彼が今こうして、CDを出し、それをすごく多くの人が買ってくれていること。ライブハウスでの売れ行きはすごかった。


ファンの人や気のおける仲間たちと談笑する彼を見ていたら、なんだか泣けて来た。


よかった。ほんとうによかった。

おめでとう。心から言うよ。

おめでとう。


私ももう「心配性なおせっかい」は卒業だ。


彼はもうしっかり一人で、あるいは彼のファンとこれからのファンといっしょに歩いていける。


次のステップに入ったんだ。スタートしたんだ。


彼の夢はまだまだ先が長い。でも、ここまでひとりで結局は自分自身の強さでやってきたんだから、もう大丈夫。


私はこれからももちろん、彼を応援し続ける。でも、もう無理はしない。自分の身体のことも考えて、ほんとに行ける時にだけ、彼のライブに行くから。彼の音楽を聴きにいくから。


そして、いつもどこにいても彼の夢がきっと叶うように祈っているから・・・



もう一度


卒業おめでとう。

そして、新しいスタートに乾杯!
コメント (2)
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