HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

『東京タワー』

2006年01月25日 | 音楽・映画・本
リリーフランキーという人は不思議な人だ。もともとはイラストレーターとして認識していたんだけど、結構文章も書いていた人なんだね。最近は「ココリコミラクルタイプ」に出ていたり、NHKでアニメ化された「おでん君」という漫画を描いていたり、安めぐみさんと「リリメグ」というユニット組んで歌ったりとほんと多才な人だ。ふんわりした安めぐみさんのことは前にもこのブログで書いたけど私は好きで、この2人はお似合いだな~って思う。年令はかなり離れているけどね。

そんなリリーさんが書いた、今もベストセラーの『東京タワー』これを今日やっと読み終えた。「泣ける」というのが宣伝文句のようで、『世界の中心で・・・』とか『今、会いにいきます』とかの類いかと思ったら大間違い。同じ泣けるでも違う。

リリーさんの「泣ける」気持ちは万国共通、世界中のどの国の人もあるいは命あるものはすべてもつかもしれない「気持ち」なんだよね。誰しもが絶対に経験する「涙」がそこにあった。だから、押し付けがましく無く、でもぐっと出てきそうな涙をこらえてしまうような言葉がそこに散りばめてあるんだ。

おかん・・・そうお母さん。なんか私自身の母ともダブることがあった。

人が来たら「お腹すかせているだろう」といつもごちそうを振る舞うおかん。

私の母もそうだ。今も健在だけど、自分も年なのに「老人のためのレストランを作りたい」なんぞ言って父を困らせている。ひとりぼっちの老人にご飯を食べさせたいそうだ。でも、そんな資金はまったくない。

私が子どもの時も社会人になっても、誰かを家に連れて来ると必ず何かを作って友達なんかにふるまってくれた。近所の人にもいまだにおすそわけといってお惣菜をいろいろ作ってもっていく。私が会社の人とテニスをして結構たくさんの人がちょっと休憩に立ち寄った時も夕食を作って皆にごちそうしてくれた。そんな家だから、食器数も多いし、炊飯器もでかい。そして、料理の腕もかなりのものだ。ほんとうは料亭の女将なんかになりたかったようだ。でも、サラリーマンの父と結婚して、しかも途中父の病気のために苦労して、そんな夢は叶うはずなかった。

できの悪い子もこうしているからね(笑)

リリーさんのおかんのエピソードを読んでいて、私の母も福岡だし、リリーさんとこも福岡だから、なんか共通するものがあるのかな~って思った。

私自身はそんなに料理の達人ではなく、ふつうのものを作るばかりだけど、やはり遺伝なのか人に食べさせたいというのは昔からあるようで、大学の時は彼と遊園地に行く時はカフェに寄ればいいのに、お弁当持参でいって、遊園地のベンチでその彼はお昼を食べることになったわけだけど、迷惑だったかな~。「おいしい」とは言ってくれたけど・・・どうなんだろう。今となっては聞く術もない。

近所の小学生が家が留守で外で待っているのを見て「お母さんが帰るまで家で待ってたらいいよ。」(よく知った中なので大丈夫なんです・念のため)といって、家でフレンチトーストを作って食べさせてあげたりしたし、先生時代は生徒が来るたびになにやら作って食べさせていたな。

別にすごい料理ではないんだけど・・・というか簡単なものばかりだったけどね。

そんな私がインディーズバンドを知ってまだ間もない頃、ついついリリーさんのお母さんの言葉をお借りするなら「インディーズバンドの人は皆お腹すかしちょる」ではないけど、そう思いはじめるとどうしようもなくなり、一度だけ作ってもっていったことがあった。

しかし、この頃のインディーズバンドの中にはそんなに飢えている人もいないわけで、失敗したかな~ってすごく落ち込んだ。きっと全部は食べてもらってないんだろうな~。って思うと悲しかった。

迷惑だったかもしれない。そんなにまだ知らない人からの手料理なんて気持ちのいいもんじゃないものね。でも、衛生管理はかなりしっかりしていると自分では思っているんだけど・・・

とりあえず、ひとりでも食べてくれたのなら、私は幸せだ。その人に「食べてくれてありがとう」って言いたいな。

話がそれたけど、この『東京タワー』に出てくるお母さんは本当に素敵な人だ。私は絶対にこういう人にはなれないけど、この本を読んでいるとなんか希望がもらえるんだ。不思議だけど・・・

子どもを愛し、そして別居してほとんどいっしょにいなかったのに生涯ずっと旦那様を愛し続けたリリーさんのお母さん。苦労があってもなんか明るいイメージの人・・・もちろん本から感じたイメージだ。好奇心なんかも結構旺盛な人だったんだと思う。

評判どおりというかそれ以上に私にとってはいい本だった。

コメント (2)
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