みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

安倍政権の見え透いた二枚舌と責任転嫁 - 株安は中国のせい、株高はアベノミクスの功績

2015-08-24 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
誰しも小学生あたりの時分には、自慢したい手柄は
針小棒大におのれの才覚と努力の成果として他人に誇り、
恥ずかしい失策や醜態は他人のせいにするものである。

大人になるにつれて、そうした無様な行為は自然と慎んで
幼稚な自慢話と責任転嫁は行わないようになる。

そうした大人が恥じる小学生レヴェルの行いと
殆ど変わらない醜態を晒した政治家達がいる。

それは言う迄もなく、安倍政権の閣僚である。
金融市場に関する彼らのダブルスタンダードは余りにも次元が低過ぎて衝撃的ですらある。

彼らは日経平均が2万円を超えた時には
「株価は経済の先行指標だ」(甘利)
「これからは日本経済は買い」(〃)
「年金の見通しが明るくなっている」(〃)
「アベノミクスの経済政策が評価されて実現できた」(菅)

と思考停止した豪語に終始していた。

これまで日銀とGPIFが何兆円日本株を買ったかすら忘れた痴呆的な放言は論外であるし、
もし意図的にそうした株価操作を目立たないよう情報偽装しようとしているのであれば
面と向かって国民を欺く悪質な嘘である。いずれにしても税金で養われている議員として失格だ。

しかも最近の東証の暴落においては恥知らずにも「中国発の世界同時株安」と言を翻した。
彼らの以前の言葉と完全に矛盾しており、もし以前の彼らの言葉が正しいのなら
日経平均が2万円を割り込んで大幅下落した今は、
「株価は経済の先行指標だ」
「これからは日本経済は売り」
「年金の見通しが暗くなっている」
「アベノミクスの経済政策の正体がバレて暴落した」

となる筈だ。だから国民を欺く彼らの言葉は全く信用できない。
株価と実体経済の関係を単純化するのは、経済リテラシーの低い愚か者だけである。

株価は確かに経済の先行指標の一つであるのだが、
安倍政権下での株価操作による株高と対照的な成長停滞が続いている今の現実は、
株高と経済成長を単細胞かつ能天気に結びつける思考が
根本的に誤っているという結論を支持している。

「GPIFは巨大なリスクを背負い込んだ。株式の変動率は大きいため、
 市況が悪化するととんでもない損失が出るのである。
 しかもGPIFの図体が余りにも大き過ぎるため、「逃げられない」。
 経済危機の打撃をもろに受けるハイリスク運用になった訳である」

「年金運用で大幅に株式のウエイトを高めるのは「ハイリスク・ハイリターン」に相当し、
 「多くの運用益を望めるかもしれないが、多額の損失の可能性も高まる」ことになる」

「だから、「株式運用の比率を高めるとリスクが高まる」のがファイナンスの常識である。
 「株式運用の比率を高めるとリスクが低下する」などと言っていると大学すら卒業できない」

「我が国の株式市場も国債市場も、日銀が操っている官製市場だ。
 公的債務残高が異様な水準に達しているのも有名で、いつ崩落するか分からない。
 しかも異常な速度で人口減少と少子高齢化が進む経済なのである」

「GPIFのポートフォリオは、日本国債と日本株の下落の打撃が大き過ぎる構成だ。
 急激な金利上昇が起きたら歴史に残る巨額の損失発生は必至で、
 塩崎氏は永遠に経済史の教科書で年金制度崩壊の「A級戦犯」として嘲笑される」

「塩崎大臣が全く分かっていない正しい年金改革は、
 まず公的年金控除を全廃するとともにマイナンバーで資産を捕捉し、
 資産家には公費を一切給付しないクローバック制度である」

「次に、配偶者控除と第3号被保険者制度を原則廃止して
 育児・教育支援に全額予算移転し、女性就業率を引き上げる積極的労働市場政策が必要だ」

「また、公的年金控除の高齢者雇用を増やす非営利セクターに予算を移転すべきである。
 年金給付を削減し、社会保険料を納める就業者を増やすのが本道であり、
 GPIFのポートフォリオ程度で誤摩化す小手先改革は低能の証拠でしかない」

としてきた当ウェブログの警告は、意想外に早く現実化しつつある。
そして安倍政権の愚かな閣僚が年金制度の根本改革を怠っている中で、
主要先進国で最も持続可能性に劣る日本の年金は、劣化する一方である。

▽ 安倍政権や閣僚が目先の誤摩化しに終始しているため、高齢者三経費の膨張が止まらない

『社会保障亡国論』(鈴木亘,講談社)


当ウェブログが指摘する迄もなく、現下のGPIFは以前よりかなり「リスクを高めた」運用である。

「ファイナンスの基礎の基礎も理解できない安倍内閣の厚労大臣は、
 GPIF運用見直しによって「必要な積立金から下ぶれるリスクが減る」と
 とんでもない発言を行った」

「市場運用においてはハイリターンはハイリスクと同義であり、
 市場環境によって運用成果が大きく左右されるという現実すら分からないで、
 よくもこうした単細胞な発言ができるものである」

「自民党政権の次元の低い政策が日本経済に甚大な打撃を与え、選挙に大敗した後に
 現厚労相は国会に呼び出されて吊るし上げを食らうことになろう」

「より専門的な観点で言えば、現下のGPIFのポートフォリオは
 ホームカントリーバイアスが以前と殆ど変わっておらず、
 債権比率を下げて国内株比率を高めただけに、
 以前よりもリスクが極度に高まっている」

「2015年の運用益は何とかなるであろうが、問題は翌年以降だ。
 大和証券の試算が非常に重要で、GPIFの運用資産は140兆ほどだから、
 あと1.3%、つまり日本株買い余力は2兆円を下回ったと考えられる」

「「日本経済新聞は当然のことながら塩崎厚労相よりも
 運用リテラシーが高い(と言うか、「まとも」)ので、当然のことながら
 今のGPIFのポートフォリオのリスクの高さをはっきり指摘している。
 この程度のことすら理解できない閣僚は、すぐさま辞めさせるのが当然であろう」

ダウと上海の市況次第では、下手すると今年の内に運用利回りがマイナスに転じる危険性すらある。

 ↓ 参考

日本の年金の最大の病巣は政治家の無知、株式運用拡大は明白なリスク要因 - 塩崎厚労相は大学生以下
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/73718c14db864fe1feec33058e467dde‎‎‎

GPIFに30兆円もの巨額損失リスク、元凶は安倍内閣のハイリスク運用方針 -「クジラ」は逃げられない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8323de03576dc44b4dcd56d8fa891af7‎‎‎‎

株高でも日本の年金に未来なし、田村厚労相は制度を理解していない - OECDは支給年齢引き上げを勧告
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/da56727d3885056089e7d79ff6f6500f‎‎

▽ 日本の年金は「持続可能性」が著しく劣っており、カナダやスウェーデンと比べると話にならない劣悪制度

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


経財相「中国経済、各種施策で落ち着いてくる」(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF24H1B_U5A820C1EAF000/
”甘利明経済財政・再生相は24日午前の参院予算委員会の質疑で、同日の株式市場で日経平均株価が一時1万9千円を割り込んだことに関連し、「中国発の世界同時株安」との認識を改めて示したうえで、「中国当局による各種政策効果で、中国経済も落ち着いてくる」との期待感を示した。
 日本経済については「外的要因に左右される面が少なくなるよう、内需で成長する強い経済をつくるべく取り組んでいきたい」と述べた。”

これがダブルスタンダード丸出しの甘利発言。
株が上がるのはアベノミクスのお蔭だが、下がるのは中国のせいだという訳だ。
(駄目になる会社にはこういう身勝手な二枚舌を使う人間が多いのである)
但し、「内需で成長する強い経済」を今の安倍政権が実現できていないと認識だけは正しい。
逆に言えば、それ以外は殆ど誤った認識だということではあるが。


投資家「日本経済は買い」判断=甘利経財相(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201504/2015041100231
”甘利明経済財政担当相は11日、川崎市などの街頭演説で、日経平均株価が10日に2万円の大台を一時、回復したことについて「株価は経済の先行指標だ。『これからは日本経済は買い』と、国内外の投資家が厳しい目で分析した結果だ」と指摘した。
 また、株価上昇に伴う公的年金の運用改善、公的年金積立金の株式組み入れ比率拡大を挙げて「国民の資産が増えている。年金の見通しが明るくなっている」とアピールした。”

これが4ヵ月間の甘利発言。当人は既に忘却しているのだろうか。
直近の大幅下落で「国民の資産」が急激に減ったが、
この責任は間違いなく安倍政権のリスクへの無知にある。


政府・与党「アベノミクス評価」 日経平均2万円台回復で(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE22H0N_S5A420C1PP8000/
”日経平均株価が22日、終値で約15年ぶりに2万円台を回復したことに政府・与党内からは「アベノミクスの経済政策が評価されて実現できた」(菅義偉官房長官)などと歓迎する声が相次いだ。
〔中略〕
 菅長官は「これからも(アベノミクスの)3本の矢を着実に進めていく」と強調した。自民党の細田博之幹事長代行は景気回復で「企業や個人も豊かになっていく」との見方を示した。公明党の山口那津男代表は「単なる金融緩和の効果ではなく、経済の基調が着実に良くなったことを反映している」と評価した。
 民主党の長妻昭代表代行は、政府の意向を受けた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などが日本株を買い支えていると指摘し「舞台裏は危うい官製相場だ。足場は脆弱なのではないか」と指摘した。

ここに出てくる閣僚や与党政治家は、マーケットの怖さを全く分かっていない。
異常な資産価格の上昇は、経済改善や経済成長の成果などではない。
人間の強欲と狂気、愚かさや傲慢の醜悪な反映である。
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