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『週刊エコノミスト』9月1日号 - 自称「世界で最も厳しい規制」は嘘八百、お粗末な原発の安全対策

2015-08-28 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集「物価大停滞」は良かったが、
日本の場合は70年代、80年代まで調べると「成長率とCPIの相関が弱い」こと、
そして生産年齢人口の増加率の方が遥かに影響が大きいことを明記すべきだろう。

その点では矢張り、富国生命の市岡繁男氏の分析(P94)がより勝っている。
安倍政権下で実質賃金ばかりか可処分所得の割合も低下しており、
アベノミクスのお粗末さは明白である。

尚、メイン特集では「失業率改善でも上がらない賃金」と
「データで見る世界の低インフレ度」が良い。
(ただ後者は、スウェーデンの成長率と賃金を加えて欲しい)

『週刊エコノミスト』2015年 9/1号


巻末の東海東京調査センター・隅谷俊夫氏の市場分析には驚嘆した。
歴史的にこの時期は米株が下落しやすく、
東証の外国人買いが少ないこと等から東証の軟調を予想し、
「日経平均2万円割れ」の可能性を完璧に言い当てている。
これは本当に完璧に言い当てているので、是非参考にされたい。

尚、エントリーのサブタイトルはP82、泉田裕彦・新潟県知事の寄稿から。
原発敷地内の消防車も免震重要棟も新潟県が中越沖地震の教訓を踏まえて
申し入れて設置されたものであること、それがなければ
福島事故で東京に人が住めたかどうかすら分からないこと、
米国と違い航空機テロへの備えが考慮されていないこと、
事故後ですら過酷事故時のマニュアルがないと東電がIAEAに指摘されたこと。
安倍政権や規制委の言う「世界最高水準」が全く信用できないものであることは明白だ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊ダイヤモンド』の特集は悪くないが、
矢張りタイトルは「狙われる「食」」の方が正しいと思われる。

お薦めはP42のネスレ分析、
P45のカルビー松本会長や高岡ネスレ日本社長へのインタビューだ。
ともに業界関係者には必見だろう。

また、20兆円もマーケットが縮小したのはどう考えても少子高齢化の悪影響だ。
人口動態劣化を軽視して問題を先送りしたから危機的状況に陥ったのである。

『週刊ダイヤモンド』2015年 8/29号


政策関連ではP58「食の国際標準に遅れる日本」が良い。
安倍政権の「輸出1兆円計画」が毎度お馴染みの口先政策で、
早くも国際標準や食品表示、添加物の面で壁にぶつかっていることが分かる。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』の「下流老人」特集は良くない意味で予想通りだった。
我が国の金融資産の大半が高齢層に占有されている事実、
高齢者三経費に30兆円以上の巨額公費が投入されている事実を全く書いていない。

日本の金融資産の殆どを握っている富裕高齢層は「下流老人」を助けようとの意思は皆無だろう。
ミドル高齢層は「下流になりたくない」と思うばかりで自己防衛に走り、
結果的に困窮する同世代との連帯を放棄し、政府に責任を押し付けることとなろう。

「この特集がバカ売れしてバラ撒き強化なら、日本経済は「終わり」だ。
 主要読者層である中高年に媚び、彼らが1000兆円規模を保有する資本家である点を
 意図的に伏せている可能性あり」

とした当ウェブログの悪い予感は的中したと言えよう。

『週刊東洋経済』2015年 8/29号


ただ、「防止マニュアル」はなかなか実践的で、
P72の「清掃、タクシー、警備員がトップ3」「「管理職」への再就職は狭き門」は的確だ。
(矢張り、非営利セクターで雇用創出しないと高齢層雇用は増えないと確信した)
P80「知っておきたい医療費負担」も有益である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は久々にエコノミストに注目。話題のトランプ氏についても触れているようだ。

▽ 他誌も特集しているが、市場分析に関してはエコノミストが優っているのが通例

『週刊エコノミスト』2015年 9/8号


▽ ダイヤモンドは先週の東洋経済と比較したい

『週刊ダイヤモンド』2015年 9/5号


▽ 東洋経済は「政府放出株 本当の投資成績」に期待している

『週刊東洋経済』2015年 9/5号

池上氏のNHK分析の方が興味深いかもしれない。(「激辛口」を期待したい!)
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