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『週刊ダイヤモンド』8月22日号 - 文科省は当事者に予算をバラ撒いている、中室准教授が痛烈批判

2015-08-21 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週の『週刊ダイヤモンド』の学校特集はかなり売れているようだ。
「校風」に注目したのは悪くないが、実際には進学先は成績とイメージ、学費で決まるのでは。
そもそも学校関係者は自己客観化できていないケースが多いので、
保護者や当人からの評価や満足度を比較した方が良かっただろう。

それよりも、例の件でクビになってもおかしくなかった下村文科相へのインタビューと
舌鋒鋭い中室牧子・慶大准教授へのインタビューを比較すると大変面白い。

中室准教授は、これまでの教育政策のお粗末さを非常に厳しく批判しており、
○大学改革において、問題点・改善策・将来像が具体的に明らかにされていない
○使われた予算の効果検証がなされていない
○英語教育の充実は、学術研究においては経済発展との相関性が乏しい
○有識者会議における学校関係者の経験レベルの根拠で予算要求が行われる
○教育において効果を判断するための科学的根拠がない
○教育において科学的根拠が乏しいのは、行政がデータを公開しないから
○「グローバル人材び育成」はただのブームで、数年後にはまた根拠のない政策が出てくる
というどれも至極尤もな指摘を行っている。

我が国の初等教育は数値でも証明されるように世界最高水準だが、
教育政策はこのように場当たりで流行にすぐ飛びつく程度の低いものである。
「主体的な学び」や「人物重視」は文科相や文科省こそ真っ先に適用されるべきものだ。

新国立とJSCの問題で文科省が「大炎上」しているのは、
こうした体質の大臣と省庁だから当然の結果だろうと思われる。

大学の粗製濫造による定員割れや法科大学院の失敗は、
間違いなく自民党政権と文科省に責任があるのだが、
一体誰が総括し、一体誰が責任を取ったと言うのだろうか?

『週刊ダイヤモンド』2015年 8/22号


他にメイン特集ではP50の「ビジネスマンが選ぶ学校」、
P64「親が知らない今の人気校」が読者にとって有意義だろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストは就活特集、かなり踏み込み不足の印象あり。
工夫のしようは色々とあると思うので、残念だ。

例えばオワハラで複数大学・学生から名の挙がった企業に
「突撃取材」して場合によってはコメントを求めるとか、
業種・規模だけ明記して匿名のランキング化するとか。

ただ、P90の「職種別ランキング」は面白い。
定員で割って「率」を出せば更に興味深い結果となっただろう。
例えば保育士は正規公務員保育士の合格率を見れば「質」が一目瞭然で分かる。

『エコノミスト』2015年 8/25号


レポート「閉店続出の中国百貨店」は良かったが、
それ以上に、矢張り富国生命の市岡繁男氏の分析(P106)が更に良かった。

直近の10年間で世界の自動車販売は中国を除いて殆ど増えておらず、
今年17年ぶりに中国の自動車販売が前年割れになるとの懸念もある現在、
中国比率の高いVW・GM・現代・BMWは軒並み株価下落となっている。
市岡氏は「年後半の経済は要注意」とタイムリーな警告を行っている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』の中国特集は評価できる箇所が少ない。
ミクロでは爆買いで売上げを伸ばしている企業やセグメントを比較分析すべきだったし、
マクロでは中国経済への見方の変化や人口動態の変化を取り上げるできだっただろう。

日本企業の中国人社員の意識に焦点を合わせているのは悪くないが、
『チャイナハラスメント』の松原邦久氏にもインタビューしておいた方が良い。

あと先週当ウェブログが書いたように「明朝時代を参考に」することをお薦めしたい。
そうすればもっとまともな内容になっただろう。

『週刊東洋経済』2015年 8/22号


意外に良かったのが後半のAWSの記事。
よく聞く名前だったのだが、漸く状況が分かってきた。
クラウド分野でも「黒船」に負けつつある国内勢なのだった。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は違う意味で東洋経済に注目。この特集がバカ売れしてバラ撒き強化なら、日本経済は「終わり」だ。

▽ 主要読者層である中高年に媚び、彼らが1000兆円規模を保有する資本家である点を意図的に伏せている可能性あり

『週刊東洋経済』2015年 8/29号


▽ タイトルは「狙われる「食」」の方がいいと思うダイヤモンド、魚の乱獲も取り上げて欲しい

『週刊ダイヤモンド』2015年 8/29号


▽ マクロ経済・投資の観点では矢張りエコノミストだろう

『週刊エコノミスト』2015年 9/1号

恐らくマクロ面で最も重要なのは、「今世紀のスタグフレーション」だ。
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