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『週刊ダイヤモンド』8月8日合併号 -「年金は貰い過ぎではない」とする豊かな退職世代、自己欺瞞の典型

2015-08-07 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週の『週刊ダイヤモンド』の三世代のお金特集は非常に良かった。
近年益々露骨になってきた所得と学力との相関関係、
公立学校と私立学校との多角的な比較、
(抜け目なく次号予告も行っている)
そしてNISAよりも明らかに有利な個人型DCの記事。
(個人年金保険の馬鹿馬鹿しさもひと目で分かる)
どれも労作であり目を通しておきたい。
山崎元氏に参考となるような相場観が欠けているのは相変わらずであるが。。

そして決定的に重要なのは特集冒頭の現役世代・退職世代への調査で、
日本の退職世代は現役世代よりも明らかに保有資産が2倍以上は多く、
幸福度も高くお金への不安は約半数が「ない」と回答しているのに、
「日本社会は高齢者を大切にしていない」「年金をもらい過ぎていない」
自己欺瞞以外の何ものでもない間違った認識を抱いているのが多数派であるようだ。

日本政府を大赤字にし、EUだったら追放されるような劣悪財政に陥らせながら
30兆円を超える高齢者三経費を受け取って「貰い過ぎではない」と称するその神経が理解できない。
彼ら自身が払った税・保険料以上にどれほどたっぷり給付を受けているか、
毎月太字で報告でもされないと理解できないらしい。
(概ね給付の30~40%が現役世代もしくは未来世代から貰ったカネである)

我々の父祖は、こうした自己中心的な世代よりも遥かに寿命が短く、
苦心して大勢の子供を育て、一生を勤労と次世代育成に捧げた。
そして大して年金も貰えず今より遥かに低水準の医療しか受けられなかった。
この国を築き上げたこうした大勢の先人に対し、どうして顔向けできると言うのか。

今後、この日本が経済危機を迎え、コラテラル・ダメージを受けるのは確実である。
その元凶は、「後は野となれ山となれ」の精神で最悪公的債務と人口減少社会を後代に残す
虚無的で利己的な世代の責任である。従って、反面教師として歴史に記録されるであろう。

『週刊ダイヤモンド』2015年 8/8・8/15合併号


投資面では、当ウェブログが以前から注目している丸山俊氏の市場分析に注目。
東証は当面、軟調で推移し10月以降に日銀の追加緩和でやっと高値超え、との見通しだ。
当ウェブログは追加緩和がなければ東証は6月の高値を超えるのが困難、との立場なので
概ね同意見である。(ただ、当ウェブログは要因として米利上げでの円高を想定している)

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』のお寺と墓特集は予想よりも良かった。
実用性がかなり高く、こちらもダイヤモンド同様、お薦めしたい。
先週同様に日本の老化を感じさせる内容だが、内容は良い。

葬儀費や戒名料の相場が一覧になっているのは非常に有益だ。
墓石や墓地の地域別相場まで掲載されている。

個人的に評価したいのは、過疎地の寺院が深刻な危機にあり、
地方の寺は3割が消える」とのコメントも出ている記事だ。

我が国の指導的立場にある者が少子化対策をサボりまくり、
地域経済を支える施策を全く実行できずに
自民党のようなバラ撒きの買票的政策しか行わない次元の低い党ばかりだからこうなるのだ。

『週刊東洋経済』2015年 8/8-15合併号


またかと思われようが、佐藤優氏のコラムは今回もまた素晴らしい。
佐藤氏は森政権の脆弱さを見抜けなかった自己の「中期分析」の不正確さを告白し、
「権力基盤の弱体化した政権は、外交での逆転を狙う傾向がある」
「10年間、専門家として実務経験を積んだ人を、優秀なジェネラリストは追い抜けない」

といった鋭い言葉を惜しみなく読者に教えている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストを取り上げる予定。

▽ いつも通り、探せば良い記事がある

『週刊エコノミスト』2015年 8/11・18合併号


ロシア経済分析はちょっとがっかりだったが。
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