mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

なんとも可愛い高齢登山者

2014-11-07 15:27:17 | 日記

 今早朝に目が覚め、寝床で本を読んでいたら、ピューピューと木枯らしの吹くような音がする。アメリカハナミズキの葉が鳴っているのだ。本をもつ腕が肌寒くもある。そうか今日は、立冬か。いよいよ冬に入る。関東地方は、乾季になる。

 

 冬を嫌う人がいるが、関東地方の冬は、陽ざしをたっぷり受けて、快適に過ごせる。もちろん寒い。でも、重ねて着ていれば寒さはしのげる。近頃は、軽くて暖かいダウンなども安く手に入るから、軽快に動くこともできる。新潟からこちらに出てきて、冬に布団が干せる悦びを話していた友人がいた。雪国を知らなかった私には、その「悦び」がとても新鮮に思えた。人生観が変わるような鮮烈な乾き具合だったのであろう。

 

 冬の山歩きは、お天気が何より。まず、木々の葉が落ちて見晴らしがよい。しばらく前は、笹子辺りから中央線沿線沿いに高尾あたりまでの北と南に連なる連山を集中的に歩いたことがある。大月周辺では「富士山の見える山頂」として、12山を選んで推奨している。実際には、近くにある二つの山頂を一つに数えていたりするから、富士山のみえる山頂の数は、もっと多い。関東にいて「富士山」をめずらしがることはないのかもしれない。だがやはり、歩いていて目に入ると、おつ、と思うほど際立つ。元気も回復するように思える。「お天気がご褒美」と私は口にするが、じつは私がこのところ雨男だからである。困るほどの雨ではなくとも、雲が立ち込め霧に覆われ、山頂の見晴らしが利いたためしがない。それが、乾季の関東地方の山歩きは、毎回ご褒美に与かるほど天気が良いのでお気に入りなのである。

 

 加えて天気が良い冬は、汗をかかない歩き方ができる。下山してから電車に乗るときも、周りの人への迷惑を気にしなくてよい。夏場は、汗臭くてイヤだろうなと、周囲の人のことが気になる。できるだけ汗をぬぐって、ときには乾いたシャツに着替える用意もする。なることなら、温泉に入って汗を流してから電車に乗りたいとプランニングしたりする。その気遣いが無用になることは、これまた心地よい。

 

 積雪を心配する人がいる。もちろんそういう山へ入るには、それなりの用意をしなければならない。だが、歩くのに難儀するほどの雪は、群馬から新潟、長野の日本海側に近づいたり、1500mを超える高山でない限り、大丈夫である。軽アイゼンくらいは忍ばせておいた方がいいが、それとても早朝と暗くなってからの登降がある場合に限る。ピッケルよりもストックの方が持続的な体力には役に立つ。

 

 ただ、何かあると命取りになる。捻挫でも軽い滑落・打撲でも、自分で動きが取れないと、冷えて生死にかかわる。単独行でない方がいい。だが、この年になると、一緒に遊んでくれる山友達は、そうは多くない。仕方なく単独行になるから、家人への連絡を欠かさない。登山開始と下山確認の時間を、ケイタイできっちりできるようにしてある。あとは運を天に任せて、用心して歩くことにしている。早く入山意欲が衰えてくれないかと、心待ちにしている。なんとも可愛い高齢登山者ではないかと、思ってくれるだろうか。 


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