8月、お盆過ぎの山行を計画し、山小屋へ予約を入れた。ところが、まず第1日目の小屋が「満室」。仕方なくルートを変えたところ、第3日目の小屋が「満室」。じゃあ、ちょっと無理をして、その先の小屋まで歩こうと変更したが、その先の小屋も「満室」。えっ、じゃあ、裏銀座のルートは、ほぼ埋まってるじゃないか。まだ三週間も先の山小屋がこうして「満室」になるというのは、山ブームでも起きているのか。
そんなことはないと、先の「お試し山行・黒部五郎岳」でも承知していたつもり。コロナ禍のせいで、「三密」にならないように山小屋が宿泊人数を制限している。これは小屋利用者としてはありがたいことだ。もうひとつは、スマホ・デジタル時代のせいで、「ともかく、まず予約しておこう」という方が多くなったのではないか。
第1日目の小屋の方の話しでは、1週間くらい前になるとキャンセルが出始める。キャンセル料が発生する3日前の前日に、もう一度アクセスしてくれれば、空きが出ているかもしれないという。
だが、入山すると最低5日、ゆったり歩くと一週間の行程の、一つだけ、あるいは二つだけ「予約」なしに計画して、4日前にOKとなったからといって、山へは入れるか。むろん入ることに不都合はないが、4日目にダメであったら、プラン全部がおじゃんになる。そういう山は、これまで計画したことがない。
ふと思い付いて、変更したプランの2日目の小屋に、3日目にまた戻るというのは、どうだろう。歩行時間は約6時間。裏銀座の最奥の水晶岳もゲットできる。うん、これならいけそうだ。となると、4日目はさらに1日目の小屋に戻るか。槍ヶ岳の眺望がいいという展望台もある。温泉でもある。入山口へ4時間半ほどで帰り着ける。
なんだ、往復おなじルートをとるのか。それはちょっと、つまらないじゃないか。それよりは、4日目に8時間余歩いて裏銀座の入山口に一気に下山するというのはどうだろう。8時間なら、「お試し山行・黒部五郎岳」の3日目にそれくらい歩いてなんとかなった。そうしようかと、一度は思った。
ただ今回は、「お試し山行」と一つ条件が違う。八十路の私の単独行を不安に思ったカミサンが同行者をみつけ、息子と一緒に行くことになった。息子は遠く離れた地で勤め人をしているから、お盆明けのこの時期に、休みを取って付き添ってくれる。50代の息子は、毎日ジョギングをしているというし、山歩きも(仕事の一つとして)ネパールや***スタンという氷河でしている。たまたま今年は、海外へ出向くことができないというので、私につきそうことになった。私のペースに合わせる。
思えば息子と二人連れの山歩きは三十数年ぶりになるか。彼が高校1年の冬に、八ヶ岳の赤岳へ行って以来。そうだね、せかせかと歩くよりも、八十路ペースでゆっくり歩いてワタシを息子に摑んでもらうってのが、今回山行テーマの一つでもある。交わす言葉がそうあるわけでもない。男は黙って**ビールってところだろう。たぶん、これが最後の同行二人になる。その時間を味わってくるか。
山小屋の事情を知るとカミサンは、そりゃあ、8時間も無理して下山するよりも、温泉のある小屋に泊まって、ゆっくり復ってらっしゃいと、コースや日程よりもマイペースを大切にしなさいと、日頃の私の冒険主義的気質を宥めるように口にした。
ま、いいか。山小屋の宿泊受け入れという枠が作用して、山もまた「密」を回避している。人とは、そこそこ距離を置きなさいと、自ずからが口にしているような気配を感じる。なるようになる、なるようにしかならない。ケ・セラ・セラがモットーのワタシ。どうして(山が)混むのかって思うなら、他人(ひと)に問わないで、自分に聞きなさいよと、おもいが湧いてきた。
そんなことはないと、先の「お試し山行・黒部五郎岳」でも承知していたつもり。コロナ禍のせいで、「三密」にならないように山小屋が宿泊人数を制限している。これは小屋利用者としてはありがたいことだ。もうひとつは、スマホ・デジタル時代のせいで、「ともかく、まず予約しておこう」という方が多くなったのではないか。
第1日目の小屋の方の話しでは、1週間くらい前になるとキャンセルが出始める。キャンセル料が発生する3日前の前日に、もう一度アクセスしてくれれば、空きが出ているかもしれないという。
だが、入山すると最低5日、ゆったり歩くと一週間の行程の、一つだけ、あるいは二つだけ「予約」なしに計画して、4日前にOKとなったからといって、山へは入れるか。むろん入ることに不都合はないが、4日目にダメであったら、プラン全部がおじゃんになる。そういう山は、これまで計画したことがない。
ふと思い付いて、変更したプランの2日目の小屋に、3日目にまた戻るというのは、どうだろう。歩行時間は約6時間。裏銀座の最奥の水晶岳もゲットできる。うん、これならいけそうだ。となると、4日目はさらに1日目の小屋に戻るか。槍ヶ岳の眺望がいいという展望台もある。温泉でもある。入山口へ4時間半ほどで帰り着ける。
なんだ、往復おなじルートをとるのか。それはちょっと、つまらないじゃないか。それよりは、4日目に8時間余歩いて裏銀座の入山口に一気に下山するというのはどうだろう。8時間なら、「お試し山行・黒部五郎岳」の3日目にそれくらい歩いてなんとかなった。そうしようかと、一度は思った。
ただ今回は、「お試し山行」と一つ条件が違う。八十路の私の単独行を不安に思ったカミサンが同行者をみつけ、息子と一緒に行くことになった。息子は遠く離れた地で勤め人をしているから、お盆明けのこの時期に、休みを取って付き添ってくれる。50代の息子は、毎日ジョギングをしているというし、山歩きも(仕事の一つとして)ネパールや***スタンという氷河でしている。たまたま今年は、海外へ出向くことができないというので、私につきそうことになった。私のペースに合わせる。
思えば息子と二人連れの山歩きは三十数年ぶりになるか。彼が高校1年の冬に、八ヶ岳の赤岳へ行って以来。そうだね、せかせかと歩くよりも、八十路ペースでゆっくり歩いてワタシを息子に摑んでもらうってのが、今回山行テーマの一つでもある。交わす言葉がそうあるわけでもない。男は黙って**ビールってところだろう。たぶん、これが最後の同行二人になる。その時間を味わってくるか。
山小屋の事情を知るとカミサンは、そりゃあ、8時間も無理して下山するよりも、温泉のある小屋に泊まって、ゆっくり復ってらっしゃいと、コースや日程よりもマイペースを大切にしなさいと、日頃の私の冒険主義的気質を宥めるように口にした。
ま、いいか。山小屋の宿泊受け入れという枠が作用して、山もまた「密」を回避している。人とは、そこそこ距離を置きなさいと、自ずからが口にしているような気配を感じる。なるようになる、なるようにしかならない。ケ・セラ・セラがモットーのワタシ。どうして(山が)混むのかって思うなら、他人(ひと)に問わないで、自分に聞きなさいよと、おもいが湧いてきた。