mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

サクラはまだかいな

2024-03-27 08:38:39 | 日記
 24日が開花と予報があったのに、まだ肌寒い。ご近所の友人から花見のメールがあったので、見沼田圃の西縁を歩いてサクラのご機嫌を伺いに行った。いやはや、まだ蕾も硬そう。早とちりしたツグミが何羽か木に群れていて、もう旅立ちかいなと思っていたのも、みている私の早とちり。まだ畑をぴょんぴょんと虫を探して歩いている。
 日曜日とあって、人の群れも多い。近くの小学校が使っている畑一面の菜の花が、その向こうに広がる遠景の霞むような青空を引き立ててか、春が来たという思いを浮き立たせる。柳の青々とした葉が際だってその所在を訴えている。
 風もなく、肌寒さがむしろ歩く身体に心地よい。ノカンゾウの葉が水路沿いに背を伸ばしている。早いねえ。見沼田圃の栽培農家が日曜日の出店を開いている。泥付ネギ、泥つき大根、里芋、人参、青菜などを並べる。お客の女性が「ここの鍋は何?」と聞いている。店の方が蓋を取り、クワイを取り出して両手でつるっと皮を剝き、味噌を付けて「食べてみなさい。おいしいよ。この季節にしか食べられないのよ」と差し出す。私にも同じように出してくれたので、頂いた。うん、おいしい。味噌味がいい。いかにも、この晴れた日曜日に合ってる。小さい方の袋のクワイを買ってリュックに入れた。
 見沼田圃のかかし公園は子ども連れの人で一杯であった。サッカーボールを蹴る親子、キャッチボールをする兄妹、やっと歩き始めたような幼子がとっとっとっと草地の上を進み、その身体のすぐ脇へのびた父親の両手が摑むか摑まないかで後を追いかける。荷物を持った母親が笑いながらそれについて行く。ベンチでは年寄りの母と付き添った娘が、若い親子をみながら話し込んでいる。
 ハクモクレンが沢山の花を付けて緑の草地と常緑樹を背景にすっくと立っているのが見事だ。少し離れてサクラが沢山の花を付けている。葉も出ているから、このサクラはもう終わりのようだ。「河津桜」と、何とかライオンズクラブの何かの記念樹として植えたと標識にある。まだ咲いているんだ、このサクラは。花期が長いなあと感心する。
 と、ぴーぴーぴーひゃらどんどんと、鳴り物が響く。池の向こう、ブルーシートを敷いた上で、笛を鳴らし太鼓を叩く大人と子どもの一団がいる。**社中と記した格子縞の法被を着て、祭り太鼓の練習でも始めたのであろう。いいねえ。いい季節だねえ。
 氷川女体神社へ上がり、拝殿に一礼して、その裏側へ回る。ここまで1時間。同じ道を帰っては能がない。図書館へ本を返し、到着している予約本を受けとって戻る道へ入る。ところが、この辺りの道は屈曲していて、向かっている方向がいつの間にか90度違ってしまう。しばらく歩いてそれに気づき、スマホのgoogle-mapを出して図書館の入っている施設の名前を思い出せず、すぐ近くにある綠区役所を入力する。すぐに所在は地図表示されたが、スマホは「今日は開いていません」と休日であることを告げる。ふむ、何ともご丁寧なことと思う。
 すぐに見当のつく大通りへ出る。まっすぐ行ったことはあるから、今日はその先の道を取っていよう。と、行き止まり。民家の庭に突き当たる。へえ、こんな立派なアプローチの長い民家があるんだと感心する。引き返して、さらに先の道を辿る。ほんの50mさきには片側二車線の大通りが走っているのに、こちらは住宅に囲まれた静かな佇まい。大きく右へ曲がるところで、左へ行って大通りに合流する。やったあ、大通りを横切るいつもの信号が少し先に見える。
 図書館は混むほどではないがいつもより人が多い。本を返し、雑誌の棚を覗く。今月号の山の雑誌が置いてある。手に取ってテーブルに座り、パラパラとみる。花の低山特集をしている。関東近県のも五つくらい載せてある。そのうちの三つは行ったことがある。後の二つはみたことのある山。添えた写真は山桜が咲き誇っていたり、ツツジが一面に広がっている。去年の撮影のようだ。そう言えば雑誌の編集部は、1年先の特集を意識して企画取材撮影をしなくてはならないのだね。それもたいへんだなあ。みているうちにわが身の裡に山へまた行ってみようかという思いが湧いてくる。春だねえ、獅子身中の虫ならぬ我が肚のムシの啓蟄だね。
 家へ帰りお昼のTVをみていると、この寒さでサクラの開花が遅れるという。思わぬ冷え込みに、気象庁の予報官も見通しを誤ったらしい。ま、こちとらは1日2日を争ってるわけじゃないから、大楊に構えている。なんと、東京の開花は29日頃とか。じゃあ花見は、4月に入ってからだ。今日になってご近所の友人に返信メールを打つ。
 サクラはまだかいなと心待ちしているワタシが、可笑しい。