術後の初山行へ

　今日これから奥日光へ向かう。山友のカクさんが私の術後のリハビリを気遣って付き合ってくれる。というよりも、付き添ってくれるといった方が精確か。彼が車を出して家まで来て私を乗せ、山へ向かう。
　奥日光は、カクさんのふるさとの山。足尾に生まれ育った彼は、二十歳前から足尾や奥日光の山を歩き回っていたようだ。私より一つ年上だから、まだ山の装備もこれといって調っていない頃だ。
　足尾から奥日光の中禅寺湖へ向かう道自体が、すでに大変な山登りであったろう。今は車道ができて誰も歩かなくなっている。袈裟丸山や社山も登ったろうか。雪の季節に金精峠を越えて難儀した話を聞いたこともある。今ではトンネルも抜け、足尾町も日光市になって一括りに口にするが、山で分かたれ一つ町とは言えないほどであった。
　その縁もあって、20年ほど前に彼をカメラマンとし、今も現役で日光の自然調査やガイドをしているミヤジさんに執筆してもらって、私が編集した『奥日光観察ガイド』を出版したこともあった。以来、ミヤジさんの会社が引き受ける奥日光の「ガイドスタッフ」を２人とも務めたこともある。
　どこをどう歩くかは、往きの車の中で相談しようということにした。昨日は奥日光も強風の雪だったよう。今日は南風が入るので、なだれ注意報が出ている。一応アイゼンとスノーシューの両方を用意するとメールがあったので、雪沓ではなく、山靴にスパッツも用意してフル装備で出かける。といっても私の方は、11月のお遍路の山くらいしか歩いていないから、とても心配。ま、戦場ヶ原を散歩するくらいのつもりで行ってきます。
　ではでは。