英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『家政婦のミタ』 第3話 【追記あり】

2011-10-28 00:00:01 | ドラマ・映画
 内容に入る前に、常々最近のドラマの見せ方に対して思うことを少し。

 ドラマに限らず、テレビ番組は視聴率が第一です。「視聴率に囚われずより良い内容のものを」とか、「良いモノを作れば、自ずと数字はついてくる」という姿勢もあるかもしれませんが、やはり視聴率は無視できないでしょう。
 そういう事情は分かり、視聴率を上げよう、視聴者を放さない工夫は容認したいのですが、それがあまりにも小賢しいので、視聴意欲が減退してしまうことがよくあります。
 例えば、驚異の実録ドキュメント仕立ての再現ドラマを見ていると、非常に先が気になるところで、いったん中断し、「続きは番組の後半で」と進行役が言って、別のドキュメントを始める。
 また、良いところでCMに入り、始まったと思ったら、提供の紹介だけ(映像だけ流れる)でまたCMというパターン。
 ドラマでも、提供の紹介をしながら今後の展開をフラッシュで見せる。視聴者の興味を引くためだろうが、これって、却って、面白くなくしてない。ハッキリ言って、迷惑。もっと、内容に胸を張る、演出をしていただきたいものである。
 上記のような傾向があるので、予告もなるべく見ないようにしている。ところが、面白いドラマはやはり気になって見てしまうことも多い。『家政婦のミタ』もそうだった。
 先週の予告で、家政婦のミタが雇い主の会社で、彼の妻の死の真相(不倫を悲しんで自殺)を暴露するシーンがあった。このシーンは、今週の放送では40分経過したぐらいのところだった。ということは、そのシーンを頭に思い浮かべて、ドラマの8割を見てしまうことになってしまった。ネタばれもいいところで、まったく、面白くなかった。
 今後は、予告は見ないでおこう。(予告の話題はなしネ)


 それにしても、夫、そして、父として、本当にどうしようもない人間だった。真相を知った娘の怒るが、せめて父親の口から真相を放して欲しいという娘の思いも届かず、保身に走る。こういう状況になっても、まだ、愛人に未練がある(愛人には罪はないなんて言っているし)。「愛する家族を守るまち作り」というプロジェクトを進める図太さ、会社で真相をばらされ、自分の地位の転落を嘆く自分本位さ、皆に真相がバレ、「良い父親であろうとしたが、疲れてしまった」という自分勝手な言い訳。

 子どもたちに去られた父親に、ミタは末娘からのプレゼントの折り紙を渡す。その折り紙には「おとうさん、キイのことすき? キイはだいすきだよ」と書かれていた。
 ミタは機械的にそれを渡したが、お父さんと慕われていたのは事実で、あなたはお父さんとして子どもたちを愛さなければならない。愛するチャンスがある」というメッセージが込められていたように思う。
 しかし、この男は、「本当は結婚なんかしたくなかった。でも、結ができて‥(なんだ、「出来ちゃった婚」か)、父親になれる自信なんか全然なかった。あいつら(子どもたち)といっしょにいると、自分の正体を見破られているみたいで、息苦しくて、心が休まるのはトイレにいる時と、車に乗っている時(おいおい、自分の時間て、『ブルドクター』の旦那かい?しかも、子どもを4人もこさえて!)」と、愚痴る始末。最低だ。

 今週は、長女以外の3人が、ミタさんに興味を持ち、尾行。遊園地で二人分の軽食を用意して、じっと座っているだけだった。閉園後、自宅を突きとめようとするが、見失ってしまい、分かったのはそれだけ(あと、モナカが好きらしい)。
 やはり、子どもを亡くしているみたいで、それも、自分のせいで。だから、感情を捨てたのだと推測される。だとしたら、子どもを相手にする機会が多い家政婦という仕事はつらいだろうな。敢えて、家政婦を?
 「私は家政婦です」「家族ではありません」という言葉には、ミタの悲しみを感じる。

 肝心な選択は、子どもに決断させるミタ。感情を表さず、機械的に、過激なことさえ実行するミタであるが、敢えて破壊的な行動に出るが、修復できると信じてやっているような気がする。本人は感情を捨てたと思っているが、無意識にそういう思いが働いているように思う。どうしようもない父親だが、本人も見掛けだけの父親を演じていたと思っているが、実際は父親の役割(不倫は別として)を果たしてきていたと思い、子どもが生きているのだから再生のチャンスは十分あると考えているような気がする。
 前回も書いたが、母親の方にも問題があるのではないか。「子どもをおろすなら自殺する」「あなたに捨てられるなら、私は死にます」って、結局、子どもたちはどうでもよかったんじゃないのかと思います。(娘に浮気の愚痴をこぼしていたし)

 そう言えば、今週、あの嫌味なおばさん、出てこなかったなあ。
 そう言えば、ミタさんの化粧、若干濃くなっているような。

【追記】
 子どもたちが、ミタさんを尾行するシーンがある。
 今回の本筋である父親の不倫、母親の死の真相、家族の崩壊とは一線を画す事柄で、余分なエピソード、あるいは、雰囲気を壊すエピソードとして捉える考え方もあるが、私はそうは思わない。
 タイトルが『家政婦のミタ』であること、主演が松嶋菜々子であることから、ミタさんに焦点を当てるのは妥当である。
 長女が悩み、怒るというシリアスとは対照的な子どもたちのコミカルな行動で、雰囲気を壊しているようだが、真相を知った長女が怒りに任せていきなり暴露するのではなく、父親の口から真相を語ってほしくて、すぐには告げなかったのは、必然であったとも言える。
 ①一家がドラマの中心でミタの(極端な)行動が家族を再生していく主題もありだし、②ミタが中心で、一家のゴタゴタに対応すること中でのミタの行動の特異さが際立ち、ミタがその中で変化していくのかが主題もありだと思う。
コメント (6)
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