英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2011世界体操 女子個人総合&さらに残念なフジテレビ中継

2011-10-15 15:49:28 | スポーツ
 私の好みもかなり入っていると思いますが、ロシアのコモアとアメリカのウィーバー、体操としての評価はコモアのほうが上でした。ただ、体操競技としてはウィーバーが上回っていたという結果が出ました。
 一つ一つの演技はコモアのほうが綺麗です。これは、二人の体格の差による印象によるものかもしれません。現在の体操の採点方式は、技の難度の積み重ねのD得点と、技の熟練度のE得点の2要素で決まります。
 D得点は加点方式なので、技をこなすほど、難しい技を決めるほど高くなります。また、E得点は、技の失敗(着地の動きや、足の曲がりなど)を10点満点から減点してきます。
 一見、技を多くこなせば得点が伸びるように思えますが、技が多ければその分減点要素も増えるので、そう単純には行きません。それに、技を多く繰り出せば、疲れて技の質も落ちます。難しい技だと、綺麗に決めることが困難なのでE得点が低くなります。
 なかなかうまく出来た採点方式だと思います。しかし、人が決めた方式、しかも、人が判定するので、完璧ではありません。
 通常、技が綺麗に見えれば、減点が少ないのですが、その評価はやはり個人差が生じます。もちろん、国際審判員なので、正確に均一に判定できると思いますが、それでも誤差が生じます。また、同じ技を同じように決めても、その体格によって印象も差が生じます。
 逆にA選手とB選手が同じ評価(得点)でも、A選手の方が質が高いこともありえます。また、身長がある方が物理的に回転するのが大変です。確か、「モーメント」云々と物理で習ったような……なので、同じ技でも身長や体格によって難易度は異なります。
 逆に、身長のある方が実施は難しいのですが、決まるとスケールが大きく見えます。筋力がある選手は演技に綺麗さを感じることは少ないですが、その分高く跳べます。
 なので、本当に適正な採点をするのは難しいです。それでも、以前の10点満点の採点方式より、現行の採点方式の方が遥かに優れていて、よく出来ていると思います。

 長々となってしまいましたが、体線の綺麗さ、着地のこなし方などの点から見ると、コモアのほうが質が高いように見えます。今回、体操の神様が判定したら、コモアに軍配が上がったかもしれません。本当に僅差の戦いで、運が悪かったとしか言うしかない銀メダルでした。

 しかし、実は、それ以外に勝敗を分けたものがあると感じています。それは、二人の体操に対する思いの違いです。
 コモアは多分、幼いころから両親の英才教育を受け、完璧な技、完璧な体操を目指していたと思われます。一方、ウィーバーは体操で世界チャンピオンになることが人生の成功の手段で目的だったと思われます。あ、ここまで言うのは決め付けすぎかもしれません。でも、世界チャンピオンになることが目標だと思われます。
 この両者の思いの違いが、勝敗を分けたように感じます。つまり、失敗を犯した時、コモアは失敗したことにがっかりして、その後の演技に影響します。それが如実に現れたのは、個人総合の最終種目の床運動、着地が決まらず跳ねてしまったのですが、そこで彼女はがっくりうなだれて仕方なく決めのポーズを取ります。こういうシーンが2回ありました。
 対するウィーバーは、失敗してもそれをカバーすべく、その後の演技やポーズを必死に決めます。この違いが、金と銀の色の違いに現れてしまったように思います。


 それにしても、フジテレビの中継には本当にがっかりです。
 余計なキャスターや応援席ゲストの言葉はなくし、また、デモンストレーションビデオも要りません。レイズマン(アメリカ)、チューシャン(中国)、ポルグラス(ルーマニア)、アファナシエワ(ロシア)、ウィーラン(イギリス)、ヤロシュ(ドイツ)……もっと、世界各国の選手の演技が見たかったです。
コメント (8)
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