英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2011世界体操 男子個人総合 ~圧倒的な内村の強さ~

2011-10-17 14:45:02 | スポーツ
 最終種目の鉄棒で2回落下しても優勝できる、そこまで差のついた圧倒的な強さだった。
 もちろん、完璧な鉄棒の演技で有終の美を飾った。敵は自分、不安はケガしかなく、自分の理想の演技を目指し続け、全種目ほぼ完璧に実施した。合計得点93.631は彼の設定した目標の93.500を上回り、2位のフィリップ・ボイ(ドイツ)に3.101の大差をつけた。
 それでも、彼のファンである私は難しい技に挑むたびに失敗しないかとどきどきしたが、まったく私の心配を意に介せず(当たり前)、ビシビシ技を決めていく。
 彼の技は、単に「こなす」のではなく「決める」という感じ。この技はこうするのが理想という模範演技を完璧に再現しているかのようだ。他の選手と違い、彼の技には惚れ惚れしてしまう。
 着地を決め、演技し終えた時の彼の「どや顔」さえ、見惚れてしまう。

 私が記憶している名選手、大選手。
加藤沢男…技の切れ、美しさは随一で、私の中では彼を越えるものはいない。五輪での実績はものすごく、個人総合2連覇のあと銀メダル、団体や種目別を合わせると8つの金メダルを獲得している
笠松茂…技のダイナミックさがすごかった。鉄棒の彼の跳び越し技・コスミック(別名・宇宙遊泳)は、まさに宇宙遊泳しているようで、会場から歓声が上がった。世界選手権で優勝し、その次の五輪でも金メダル最右翼であったが、直前に盲腸になり無念の欠場。
具志堅幸司…力強い演技でミスの少ない堅実な演技をした。五輪個人総合金メダリスト
富田洋之…美しい体操の代名詞になりえる演技だった。ほとんど表情を崩さず、求道者の趣があった。吊り輪でも涼しい顔をして力技を決めていた。低迷しかけていた日本体操界をずっと引っ張った功労者。個人総合は世界選手権では金メダルを取ったが、五輪では4位に終わっている。
 アテネ五輪の団体決勝で、刈屋アナウンサーの実況と共に決めた伸身新月面宙返りは今も鮮やかに覚えている

 外国選手では
アンドリアノフ(ソ連)…日本体操最強時代に立ちはだかった最強のライバル。正確無比な演技をピタリと決める。
 加藤沢男の五輪個人総合3連覇を阻んだのも彼。五輪では個人総合、団体優勝を含む金メダル7つを獲得。銀・銅を合わせると15個にも及ぶ大選手。
 その他、シェルボ(ベラルーシ)、ビロゼロチェフ(ソ連)、李寧(中国)、李小双(中国)、ネモフ(ロシア)など多くの名選手が脳裏に浮かぶ。

 いずれも素晴らしい名選手だが、内村選手は彼らを凌いでいるように思える。
 内村君、あとは五輪の金メダルだ!
コメント (12)
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