先日TVドラマ ”妻たちの新幹線” を、その題名に惹かれてみてみました。伊東四朗氏の総裁らしき演技と 中村雅俊、南果歩氏らのさらっとした演技も よかったが、最後になって題名の意味が分かって、日本のビジネス社会のある暗部がえぐり出されて、よくできていたドラマでした。
最後とは、新幹線の出発式に、新幹線の開業に(最も)尽力した 第四代国鉄総裁と 彼と進退を共にした技術責任者島秀雄とが 招待されずに行われたシーンと 家のテレビで出発式をみる夫 島秀雄を 誇りを感じる妻のシーンでした。
人の評価は、事業達成に尽力したものが受けるとは限らない。むしろ事業に批判的であったり、大局的には 取るに足りないことを大仰に指摘して、事業の立ち上げにブレーキをかける者が、日本では 評価される傾向にある。根回し重視、罰点評価主義、事業の本質をそぐ野心や 妬みが まかり通るためでしょう。裏を返せば、家庭での 妻の励ましや理解(だけ)で踏ん張っておられている方が多いというのでしょう…
奥さんも頑張っている、頑張った… そんな余韻をあたえてくれたドラマでした。
因みに 島秀雄氏は後に文化功労者として顕彰され、文化勲章を受章していますが、これもドラマの主題に味を添えているのでしょう。