カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、感染が始まった2020年は低レベルでしたが、2021年2月から急増しました。発端は、陽性だった中国人女性が賄賂を使って隔離を脱走し、クラブ等で感染を拡大したという悪質なケースでした。2月20日市中感染事件と呼ばれるこの事件以降、感染が急拡大しました。このため、2021年4月15日からプノンペン等でのロックダウンが始まりました。その後、ワクチン接種の進展とともに感染は落ち着き始め、9月末から段階的に経済の再開が進められ、12月にはほぼ正常に戻っていました。2022年に入り、オミクロン変異株の登場で、感染者数は増加に転じましたが、5月には落ち着き、死者数、新規陽性者数ともに低レベルとなりました。しかし、7月に入って派生型ウイルスのBA.4株、BA.5株の市中感染が確認され、陽性者数は再び増加しました。9月以降は、陽性者数は減少し、10月~11月には新規陽性者ゼロの日もありました。
12月1日のカンボジア保健省の発表によれば、11月末現在の死者は累計3056名(10月31日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万8106名(同114名増)となっています。死者数は、ここ7カ月間ほどはゼロが続いています。陽性者数も5月から6月にかけてゼロが続きましたが、7月以降一日数名~50名前後で推移しています。なお、PCR検査数が大幅に減少していることもあり、新規陽性者の数字の正確性については議論のあるところです。
新型コロナ対策成功の要因となったのは、早期のワクチン接種であったと見られます。世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、既に、3歳以上~成人については2回接種をほぼ完了していると言ってもよい状況と見られます。11月30日現在で、1522万8456人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の95.2%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.8%に第1回接種を、100.4%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、1037万2705人(うち成人690万6254人)が接種を完了しています。第4回・第5回の接種も進められています。
11月15日、フン・セン首相は、出張先のインドネシアで新型コロナ陽性となったと発表しました。このためインドネシア・バリ島でのG20サミット、タイ・バンコクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)への出席を見送りました。11月11日までプノンペンで開催されていたASEANサミットではカンボジアが議長国でしたが、首相が陽性となったのはその終了後であったため、大きな影響はありませんでした。
11月1日、カンボジアが外国人観光客の受け入れと全ての社会経済活動を再開してから、1年が経過しました。フン・セン首相は、「開国」が新型コロナウイルス禍からの回復と国民生活の正常化につながったとしています。フン・セン首相は、「開国はワクチン接種、治療、感染拡大の抑制、感染防止策への国民の協力等の状況を勘案して決定した」と述べました。「結果として、2020年にマイナス3%に落ち込んだGDP成長率は、2021年に3%回復し、2022年は5.4%、2023年は6.6%に達するとみられている」としています。
カンボジアでは、屋外でのマスク着用義務も解除され、「アフターコロナ」と言っても良い雰囲気となっています。カンボジアへの外国人観光客数は激減していましたが、最近は西洋系の観光客をちらほら見かけるようになっています。ワクチン接種への積極的な取り組みと「ウィズコロナ」の規制緩和が非常にうまくいったものと見られ、今後の経済回復が期待される状況です。
なお、在カンボジア日本国大使館では、「カンボジア国内では引き続き一定程度の感染が継続していると推測されますので、密の回避や手指消毒などの感染対策を引き続きご励行下さい。」と注意喚起していますので、ご留意ください。
(写真は、今年の水祭り。プノンペンのリバーサイドは賑わいを取り戻し、西洋人観光客も見かけられました。)
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12月1日のカンボジア保健省の発表によれば、11月末現在の死者は累計3056名(10月31日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万8106名(同114名増)となっています。死者数は、ここ7カ月間ほどはゼロが続いています。陽性者数も5月から6月にかけてゼロが続きましたが、7月以降一日数名~50名前後で推移しています。なお、PCR検査数が大幅に減少していることもあり、新規陽性者の数字の正確性については議論のあるところです。
新型コロナ対策成功の要因となったのは、早期のワクチン接種であったと見られます。世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、既に、3歳以上~成人については2回接種をほぼ完了していると言ってもよい状況と見られます。11月30日現在で、1522万8456人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の95.2%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.8%に第1回接種を、100.4%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、1037万2705人(うち成人690万6254人)が接種を完了しています。第4回・第5回の接種も進められています。
11月15日、フン・セン首相は、出張先のインドネシアで新型コロナ陽性となったと発表しました。このためインドネシア・バリ島でのG20サミット、タイ・バンコクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)への出席を見送りました。11月11日までプノンペンで開催されていたASEANサミットではカンボジアが議長国でしたが、首相が陽性となったのはその終了後であったため、大きな影響はありませんでした。
11月1日、カンボジアが外国人観光客の受け入れと全ての社会経済活動を再開してから、1年が経過しました。フン・セン首相は、「開国」が新型コロナウイルス禍からの回復と国民生活の正常化につながったとしています。フン・セン首相は、「開国はワクチン接種、治療、感染拡大の抑制、感染防止策への国民の協力等の状況を勘案して決定した」と述べました。「結果として、2020年にマイナス3%に落ち込んだGDP成長率は、2021年に3%回復し、2022年は5.4%、2023年は6.6%に達するとみられている」としています。
カンボジアでは、屋外でのマスク着用義務も解除され、「アフターコロナ」と言っても良い雰囲気となっています。カンボジアへの外国人観光客数は激減していましたが、最近は西洋系の観光客をちらほら見かけるようになっています。ワクチン接種への積極的な取り組みと「ウィズコロナ」の規制緩和が非常にうまくいったものと見られ、今後の経済回復が期待される状況です。
なお、在カンボジア日本国大使館では、「カンボジア国内では引き続き一定程度の感染が継続していると推測されますので、密の回避や手指消毒などの感染対策を引き続きご励行下さい。」と注意喚起していますので、ご留意ください。
(写真は、今年の水祭り。プノンペンのリバーサイドは賑わいを取り戻し、西洋人観光客も見かけられました。)
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