カンボジア経済

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自衛隊の護衛艦 カンボジアを親善訪問 2022年11月

2022年12月02日 | 経済
 11月18日から20日まで、海上自衛隊の42次派遣海賊対処行動水上部隊の護衛艦「はるさめ」がシハヌークビル港に寄港しました。シアヌークビル港ではカンボジア海軍による歓迎式典が開かれ、カンボジア政府の担当者から花束が贈呈されました。日本が国連のPKO(平和維持活動)の一環としてカンボジアに自衛隊を派遣してから今年で30年となるため、カンボジアとの親善を図るため、ソマリア沖での海賊対策からの帰路に立ち寄ったということです。
 11月12日のバイデン米国大統領とフン・セン首相と首脳会談で、バイデン大統領は、シアヌークビル近郊のリアム海軍基地問題を取り上げました。米国等は、カンボジアと中国がリアム海軍基地の利用に関して秘密合意を行っていると批判しており、中国軍の拠点拡大の兆候として警戒しています。リアム海軍基地は、シアヌークビル空港の南の海岸にある小規模な基地で、現在は、桟橋が1本あるだけです。また、周辺海域は、水深が浅く、大型船舶の入港は現状では困難と見られます。直ちに中国軍の軍事拠点となるのは難しいものの、タイ湾の湾口を押さえる重要な戦略拠点となりうる場所にあり、万が一にもこの基地が中国の手に落ち、中距離ミサイル等を配備された場合、タイや周辺諸国との海上サプライチェーンの安全保障に重大な脅威となりかねません。また、3300メートル級の滑走路を有する空港が近いこともあり、航空輸送で展開可能な電子戦部隊の進出等も危惧されます。
 カンボジアが中国との関係を重視するなか、日本としては寄港を通じてこの地域で影響力を強める中国をけん制する狙いもあるとの見方も出ています。米中冷戦が厳しさを増している中で、カンボジアが日本に寄せる信頼感は増しているものと見られます。日本としては、「親中派」と呼ばれているカンボジアが中国に傾き過ぎないよう、様々なルートにより粘り強い外交を継続していくことが重要となっているものと見られます。
(写真は、海上自衛隊のサイトより)



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