久しぶりに
海溝の深淵に落ち込んだように
眠ってしまった。
目覚ましをかけず
自然に目覚めを迎えた時、
とろけるような全身の虚脱化が
また好きだ。
布団の温もりからなかなか抜け出せずに
そのまま微睡(まどろみ)に体を委ねる。
再び目が覚めたとき
あっという間に
一時間が過ぎていた。
新しい年をむえた
緊張感が
一瞬にして解(ほど)けてしまった。
ベッドの温もりを抱えたまま
熱めのシャワーを浴びる。
一気に
全身が覚醒する。
そういえば
昨日は
街のいたるところで
着物を着たたくさんの若者を見たし
結婚披露宴にも行ったっけ。
今朝の目覚めで
お祭りのような
非日常の連続の中から
ふと現実に引き戻された。
そこへ
この虚脱感だ。
それは
孤独や寂寥感とともに
さわやかな解放感を伴っている。
人の気持ちとは
我儘なものだ。
多くの人といる時は
一人になりたいと思うし
いざ
一人っきりになると
妙に人恋しくなる。
だが
雑踏の街から
半時間余りで
一人自然の中に身を置ける立場を思えば
この上なく贅沢なのだろう。
いま、
一人の時間を持つことすら
難しい世の中になっている。
同居人がいると
寂しさはまぎれても
時に鬱陶(うっとう)しくもなる。
一人になれる空間は
トイレとお風呂だけという方もおられよう。
だから勢い
その時間が長くなる。
それでも
ささやかな解放感を味わっていると
「いつまで入ってんの」
などと
急かされる始末。
時に
一人でいるより
二人でいる時のほうが
寂しさを感じるのは
なぜだろう。
大勢の人に囲まれているとき
時に
フッ~と孤独感に陥ることがあるのは
なぜだろう。
都会の中で
雑踏と喧噪が
自分の周りから
スーッと消えていく瞬間がある。
まるで
写真の中で
自分以外のものに
暈(ぼか)しが入っているような。
逆に
自然の中に
一人ぽつんといる時、
草木や
小鳥たちが取り巻いて
一緒に遊んでくれている
情景が鮮やかに浮かんできて
笑顔でいっぱいになる。
そういう時は
決まって
静かなエネルギーが
体の芯から湧き上って来ている
鼓動のようなものを感じる。
そうしてまた
雑踏と喧噪の街へと
帰っていくのだ。
海溝の深淵に落ち込んだように
眠ってしまった。
目覚ましをかけず
自然に目覚めを迎えた時、
とろけるような全身の虚脱化が
また好きだ。
布団の温もりからなかなか抜け出せずに
そのまま微睡(まどろみ)に体を委ねる。
再び目が覚めたとき
あっという間に
一時間が過ぎていた。
新しい年をむえた
緊張感が
一瞬にして解(ほど)けてしまった。
ベッドの温もりを抱えたまま
熱めのシャワーを浴びる。
一気に
全身が覚醒する。
そういえば
昨日は
街のいたるところで
着物を着たたくさんの若者を見たし
結婚披露宴にも行ったっけ。
今朝の目覚めで
お祭りのような
非日常の連続の中から
ふと現実に引き戻された。
そこへ
この虚脱感だ。
それは
孤独や寂寥感とともに
さわやかな解放感を伴っている。
人の気持ちとは
我儘なものだ。
多くの人といる時は
一人になりたいと思うし
いざ
一人っきりになると
妙に人恋しくなる。
だが
雑踏の街から
半時間余りで
一人自然の中に身を置ける立場を思えば
この上なく贅沢なのだろう。
いま、
一人の時間を持つことすら
難しい世の中になっている。
同居人がいると
寂しさはまぎれても
時に鬱陶(うっとう)しくもなる。
一人になれる空間は
トイレとお風呂だけという方もおられよう。
だから勢い
その時間が長くなる。
それでも
ささやかな解放感を味わっていると
「いつまで入ってんの」
などと
急かされる始末。
時に
一人でいるより
二人でいる時のほうが
寂しさを感じるのは
なぜだろう。
大勢の人に囲まれているとき
時に
フッ~と孤独感に陥ることがあるのは
なぜだろう。
都会の中で
雑踏と喧噪が
自分の周りから
スーッと消えていく瞬間がある。
まるで
写真の中で
自分以外のものに
暈(ぼか)しが入っているような。
逆に
自然の中に
一人ぽつんといる時、
草木や
小鳥たちが取り巻いて
一緒に遊んでくれている
情景が鮮やかに浮かんできて
笑顔でいっぱいになる。
そういう時は
決まって
静かなエネルギーが
体の芯から湧き上って来ている
鼓動のようなものを感じる。
そうしてまた
雑踏と喧噪の街へと
帰っていくのだ。