世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

リカバリー

2008年11月09日 | 人生
ダウンしていたPCが復活した。

初期化したのだ。

当然、データーが、すべて失われる。



なんだか、不思議な気持ちになった。

一種の脱力感というか、虚無感が吹き抜けたかのような。


そして、フト思った。


自分を 「初期化」 したらどうなるのだろうかと。


「B to B (原点に帰る)」、という言葉がある。

壁にぶつかったら、原点に戻って考える。

コレ、常識。



理念では理解できる。

だがどうしても、過程における概念が邪魔をする。


経験、体験を積み重ねて生きている訳で、その過程で、拭っても拭っても消すことの出来ない、染み付いた柵(しがらみ)がこびり付いている。

そう考えると、本来の意味での原点に帰るなんてことは不可能なのだ。



だが、

初期化は違う。

記憶をなくしてしまうのだから。

その、しがらみさえも。


つまり、生まれた状態、赤ちゃん帰りすることなのだ。

穢れのない、無垢な姿を取り戻す。


反面、また一から、勉強をし、経験をつんでいかなければそこからは何も芽生えないし、育たない。

畑や、宅地を更地に戻し、耕し、基礎造りから始めなければならない状態だ。


ゾッとした。

記憶は消したくはない。

特に、いい想い出は。




パソコンの場合、バックアップという便利な方法がある。

CD-ROM に落としたり、USB や 外付けのハードディスクに移行しておくことが出来る。

そして、好きなときに、思い思いの場所で必要なデータのみを取り出して使う。


はたして、人間の脳が、この機能を持ったら、便利? それとも、恐怖?



われわれは、忘却という名のもとに、記憶を適当に消し去っている。

覚えておかなければならないことまで、消え去ってしまうこともしばしばだ。


すべての記憶が消せない少年の話を読んだことがあるが、彼は不幸だった。

だが、都合のいいことばかりではない。

消し去りたい嫌な思い出も残る。



だが、人間にも、自由に消したり、バックアップさせておく方法がある。


それは、また後日。