カッパのロードスター

幌を開ければFeelin`good。カッパーレッドの
路渡☆くんとの楽しいドライブ日誌。

舌も抜かれそうな・・・

2016-03-25 01:41:22 | しゃじ
家隆山光明遍照院石像寺(かりゅうざん こうみょうへんじょういん
しゃくぞうじ)…名が長ッ!
通称「釘抜地蔵」、くぎぬきさん。
ちょっと駈け足状態でしたが、初めて訪ねてみました。



819年、弘法大師空海が開いたとされるお寺、石像寺(しゃくぞうじ)。
名前に“石像”とあるように、弘法大師が唐より持ち帰った石に、自ら
地蔵菩薩の尊像を彫り、人々を様々な苦しみから救うことを祈願した
のが始まりとされています。



西陣・千本通上立売(かみたちうり)上ルにあるこじんまりした
お寺ですが、京都では知らない人は居ないのでは無いかと思える
ほど名前は知れ渡っています。



人々の諸悪・諸苦・諸病を抜き取る「苦抜(くぬき)地蔵」と
言われていたのですが、「釘抜き地蔵」に変わったのには
こんなエピソードが・・・室町時代に両手の痛みに悩まされていた
商人が苦抜地蔵にすがり願掛けしたところ、夢の中に地蔵菩薩が現れ
「お前の前世が人を恨み、藁人形を作って、その両手に八寸の釘を
打ち込み、呪ったことが原因だ」とお告げになり、前世のしたこと
であり、真面目なお前に報いがあるのは可哀相だからと、両手に
刺さった釘を抜かれたのだとか。
夢から覚めると痛みは消えており、苦抜地蔵にお礼参りに行ったところ、
お地蔵さんの前に血の付いた2本の八寸釘が置かれていた・・・
と言うお話です。

そんなことで「釘抜地蔵」と呼ばれるようになったのですが、
中門の前に置かれた釘抜き、デカッ!
これを使えば、かなり重症の痛みも抜いてくれそうな・・・(^_^ゞ

      〈開山大師堂/観音堂〉

〈絵馬堂?〉床几が置かれ、休憩所になっていました。





八寸釘や釘抜きと釘がセットで括り付けてある板があちこちに見え
ますが、これは願い成就して苦が抜けた暁に、釘抜地蔵菩薩様に
御礼として奉納した絵馬なんです。



〈本堂〉

本堂前にある巨大なブロンズの釘抜きモニュメントは、日本画家・
堂本印象氏がご自身の母親の満願成就のお礼に奉納されたものです。

この釘抜きなら舌でも抜けそうですね。嘘をついたら閻魔さまに
舌を抜かれる・・・子供の頃、そう言われたものです。
データー改ざん、デザイン盗作、経歴詐称・・・云々
今こそそんな 脅し 躾が必要なのでは?




ご本尊は秘仏で地蔵盆の際しか御開帳されませんが、そのご本尊・
地蔵菩薩からは結縁紐(けちえんひも)が伸びており、紐の先には
左手に宝珠、右手に五鈷杵(ごこしょ)が結ばれています。
それを撫でるなり握るなりして願い事を伝えるのかな・・・

住職さんでしょうか、読経されていました。この住職さん、心の痛みを
抱えてお参りにこられる方の力になればと、臨床心理士の資格をとり、
「心の相談室」を開いてカウンセリングされています。



本堂の軒下にも例の絵馬がずらりと・・・
このセット、ホームセンターでは置いてないだろうな。(^_^ゞ



〈阿弥陀三尊像〉【重文】

本堂背後の小堂に安置された石造阿弥陀如来像、脇侍像に観音・勢至
菩薩像が立っています。鎌倉時代、元仁元年(1224)に彫り、翌年に
開眼供養したという銘がある貴重なものだとか。
堂内には石造弥勒仏立像もあり、これも重文。

      〈おさすり地蔵さま〉

〈撫ぜ仏・賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)さま〉

どちらも病んでいる部位を撫でると除病の功徳があるといわれています。




本堂の側面、裏手の壁は・・・!
千枚もの釘抜き絵馬が貼られています。これだけ御利益があったのか?



ね、すごいやろ・・・(^_^ゞ


〈開山大師堂/観音堂の中〉
弘法大師の後ろに、行基作という藤掛観音菩薩」が祀られている。
写真、真っ黒で分からへんけど・・・
ただ、寺院内の西陣織と思われる金襴がやたら目につきました。



手水舎には深い井戸があり、つるべのバケツで水を汲むらしい。
ここには「弘法三井」と呼ばれる弘法大師が掘られた井戸が
あるのですが、それは境内の奥、墓地の中にあります。
加持水といわれるありがたい水が今も涌いているそうです。



不動明王やら十一面観音、ここはいろいろ願掛けができそうですね。




さすが庶民的なお地蔵さんがご本尊だけあって、信仰の場でもあり
地元の方にとっては憩いの場、コミュニティの役割も果たしている
そうです。毎月24日(地蔵尊の縁日)は「地蔵しるこの日」として
住職さんの法話のあと、「おしるこの唄」をみんなで歌うのだとか。
その後、おしるこのふるまいも頂けるようです。
私が訪ねたのも24日でしたが、気がつきませんでした・・・



2016.01.24、釘抜地蔵にて。