宮島観光、私的にはメインの目的が弥山登頂でした。人と神々が共に生きる島〜その頂点には数々のパワースポットが待っているはず。
「日本三景の一の真価は弥山頂上からの眺望にあり」と、この地を愛した伊藤博文の言葉をきっかけに、明治時代に一般登山路が整備されたそうです。
登山コースとして『紅葉谷コース』『大聖院コース』『大元コース』があります。
それともうひとつ、ロープウェーって方法が・・・乗り物好きな私としては迷うこと無くコレで♪
まずは紅葉谷駅から出発です。途中の榧谷(かやたに)駅まで8人乗りのゴンドラ。
循環式で1分間隔で乗れます。途中駅までは約10分。
榧谷駅で30人乗りの交走式に乗り換え、獅子岩駅を目指します。
5〜15分間隔で、乗車時間は約4分です。
ここまでくればもう瀬戸内海の素晴らしい眺望が・・・♪
14分間ほどの空中散歩を楽しんで、獅子岩駅に到着。ここは海抜430m、弥山山頂へはまだ徒歩で40分ほどありますが、まずはここの展望台へ♪
山のあちこちに花崗岩がゴロゴロ露出してます。山頂までの登山路には、富士岩だとか風吹き岩、幕岩、舟岩、鯨岩などなど名前がついていたりします。
これらの奇岩怪石は、岩石中の空洞に石英などの結晶が密集しているのが見られる晶洞群なんだそうです。
獅子岩がどれなのか・・・ちょっと分かりませんでしたが。
瀬戸内海に浮かぶ大黒神島、大奈佐美島、能美島、江田島など、8つの島々や四国、対岸の広島市の眺望が楽しめます。展望台には望遠鏡や島の説明板のところには名前と、何処のことか分かるよう専用ののぞき穴が設置されていました。
さて、いよいよここからは徒歩で山頂を目指します。山頂の標高は535m、ここからだと100mちょいの差なんですが・・・ちょっとした罠?何故か下り坂なんです。一度下ってから登るので実質は140mくらい登ることに?(^_^ゞ
山頂から下りて来る人を見たら、一様にキツそうに・・・10月半ばとは言え晴天。タンクトップに半パン姿のおばさん、赤い顔して汗だく。ちょっとヤバイかなと思いつつ出発。
ここが下りきった辺り、「天然記念物 弥山原始林」の石碑があります。
弥山原始林は、古くから神域として保護され、一万年以上前から手つかずのままの自然が残されており天然記念物、特別保護区、世界遺産に指定されています。その植生は独特で、寒い地域に棲息する種と暖かい地域のものが共存、固有種や希少種もあるようです。
ところで、ここで予期せぬアクシデント。家内の靴にトラブル、口を開けてます・・・靴底が剥がれてあんぐりと!これでは歩けそうにない。と言うことで、家内は獅子岩駅まで戻ることに。私一人、山頂を目指すこととなりました。(-。-;)
長袖のシャツの袖をまくり上げ汗をかきかき、休み休みしばし登って行くとちょっとした広場、境内に到着します。
〈弥山本堂(みせんほんどう)〉
806年、唐から帰国した弘法大師・空海が霊地を探し求めて宮島に立ち寄った際、山の姿が須弥山(しゅみせん:古代インドの世界観の中で中心にそびえる聖なる山)に似ているところから弥山(みせん)と名づけ、御堂を建て100日間の求聞持の修法を行ったのが、この「弥山本堂」だと伝えられています。
ご本尊は虚空蔵菩薩。脇に不動明王と毘沙門天を祀っています。
本堂横には「弥山七不思議 錫杖(しゃくじょう)の梅」があります。八重の紅梅で、弘法大師が立てかけた錫杖が根をはり、ついには梅の木になったという・・・
〈弥山本堂〉
〈霊火堂(大聖院)〉空海が護摩火を焚いて修行したとされる場所。
奥に見えるのは〈三鬼堂〉日本で唯一鬼を神として祀っている。
ちなみに本堂と三鬼堂の扁額は伊藤博文公が揮毫されたものです。
弘法大師・空海が去った後も弟子たちに護られた火は、約1200年経った今でも「消えずの火」として燃え続けています。
広島平和記念公園の「平和の灯火」の火はここから採火されたものだそうです。
〈霊火堂(大聖院)〉
恋人の聖地なんだそうです。燃え続ける愛の炎・・・ってことかな。
大きな釜で霊水が沸かされており、自由に飲んでもよかったみたいです。
飲めば万病に効くとか幸せになるとか・・・飲み損ねましたが。(^_^ゞ
「家内安全」の蝋燭を1本供えて来ました。永久に燃え続けることは無いでしょうが、宮島を出る頃までは消えないでしょう。
そうそう、家内は傷んだ靴で駅まで無事に戻れたかな・・・
黒く煤けて古い堂宇に見えますが、実は2005年に焼失、翌年に再建されたものです。火を消さないのはよいですが燃やし放しってのは危ないですね。ま、山への延焼や怪我人も出なかったのは、やはり空海のご加護のおかげかな?(^_^ゞ
〈文殊堂〉
本堂と霊火堂のある境内でしばし、いや結構休憩していたかな。飲料水の自動販売機はここより上には無いので、水分補給。もちろん獅子岩駅で買ったペットボトルは持っていましたが、もう半分以上飲んでしまっている。
頂上まではもうひと息・・・でもなさそう。すでに体力は消耗しているが、頑張ってみよう!てっぺん目指して♪
平安時代、空海によって開山された真言密教の修行の地(阿波の大龍嶽・土佐の室戸岬とともに、真言密教の日本三大道場となっています。)を過ぎると、いよいよ巨岩がつくる類い稀な光景の中を進むことに。
〈不動岩〉石洞の中には不動明王像が安置されています。
〈くぐり岩〉
巨大な岩が折り重なってできたトンネルで「くぐり岩」と呼ばれている。
ここまで来れば、山頂はもう間近。途中、くじけそうにもなったが、下山の人達と声を掛け合いながら・・・何が何でも。写真では伝わらないだろうダイナミックなこの自然の造形にも励まされながね。
ついに、遂に!山頂です。ふぅ〜ッ! この記事も長いなぁ、ふぅ〜ッ!
山頂といっても尖ってない、広場みたいになってます。「弥山山頂展望台」が天辺のよう。
世界各国から観光客の方が訪れていました。ミシュランガイド三ツ星の絶景を堪能しに?ここも世界遺産の範囲内ですからね、見える景色は瀬戸内海国立公園だし♪
360度遮るものがない大パノラマ、頂上にたどり着いた者だけが目にすることができるご褒美の絶景♪
展望台は3層構造、3階屋上で大パノラマを堪能し、2階ではしばしお休み。休憩所のようになっています。ここでも素晴らしい景色が見られ、日陰で風も通るので、お弁当を広げたり昼寝したり・・・
2014年にリニューアルされたとかで、設備はバッチリ。1階にはトイレが完備、ただし自動販売機やカフェなどはありません。(^_^ゞ
山頂広場?一番大きい岩は神が鎮座するといわれている「盤座石」。
初代内閣総理大臣・伊藤博文も登頂されたようですが、当時は登山路も整備されていなかったろうし、展望台もなかったでしょうがこの眺めこそ真骨頂だと感激されたのでしょうね。
・・・現在は、こんなんで見れるんですが→
『Googleストリートビュー』
ロープウェー獅子岩駅を確認することができます。あそこから歩いて来たのかと思うと、改めて達成感がふつふつと・・・
それはそうと、家内は大丈夫だったかな。駅まで下りて無事に合流することができました。駅で親切な人に靴を応急処置してもらったとか。麻縄でグルグル縛っただけですが。(^_^ゞ
結局、ロープウェーを降りて、できるだけ歩かずにすむようシャトルバスに乗り、商店街で簡単な履物を買ってその場で履き替えて、底の抜けた靴は破棄してもらいました。まだまだこの後、厳島神社や、もう一つ訪ねたいお寺もありますから歩き回らないと・・・
2017.10/9、宮島・弥山にて。