デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

バレエ・リュス-踊る歓び 生きる歓び

2008-01-24 15:52:26 | 観覧雑記帳
作品名 「バレエ・リュス-踊る歓び 生きる歓び」
監督・製作・編集・脚本
ダニエル・ゲラー
デイナ・ゴールドファイン
出演
アリシア・マルコワ
イリナ・バロノワ
ナタリー・クラフスカ
フレデリック・フランクリン
2005年 アメリカ映画

ディアギレフ率いるバレエ・リュスを追ったものではなく、ディアギレフが亡くなり、カンパニーが解散したところから、この映画は始まる。解散し、モンテカルロ・バレエ・リュスとして復活したカンパニー(のちにふたつに分裂)の誕生から解散までを、当時ここで活躍したダンサーたちの証言と古い映像で構成していく。ディアギレフが死ぬまでの歴史しかしらなかったので、その意味では非常に勉強になったし、単調な流れなのだが、そこに出てくる老ダンサーがみな魅力的な人たちばかりで、映画自体とても楽しめた。なにより80才・90才になっているダンサーたちの元気なことに驚かされる。映画が完成したときには、亡くなってしまったダンサーもいるが、映像の中でおじいちゃん、おばあちゃんダンサーは、鮮明な記憶力で昔を振り返り、さらには教師として実際に踊って見せたりする。まさに副題となっている「踊る歓び、そして生きる歓び」が、ここに登場する生きたダンサーたちによって、ひたひたと伝わってくる。特にナタリア・クラソフスカヤのチャーミングなこと。彼女の英語は自分にもわかるくらいカタコトに近いものだったが、何十年ぶりかで再会したダンサーとはロシア語で話していた。やはりカンパニーの名前だけでなく、このカンパニーはロシア人たちのものであったのである。証言とともに織り込まれる古い映像も見ごたえがある。バレエというよりは、エンターテイメントにちかいテーストで、作品をつくっていたことがわかる。ダリが衣装デザインした作品「バッカナール」などは、その大胆なセットや衣装に度肝をぬかれた。インタビューの中で誰かが語っていたが、バレエ・リュスの原点とは、バレエというだけでなく、音楽、美術、衣装、振り付けを、ひとつの総合アートとして作品にしているわけだが、その伝統が息づいている。こうしたパースペクティブの広さが、バレエという枠だけにはおさまらず、のちにハリウッドのミュージカルとのコラボレーションを可能にしたのであろう。
ディアギレフのバレエ・リュスも、旅するカンパニーだったのだが、このモンテカルロ・バレエ・リュスも、また主舞台をアメリカに移してからは、専用汽車に乗って、アメリカ各地を旅していたというのも興味深かった。
最後、2000年アメリカのニューオリンズでかつてのダンサーが集まり同窓会が開かれる。みんな年老い、それぞれの道を歩みながらも、踊ることに生きる歓びを見いだした人々の顔の輝きの美しいこと。感動的であった。
満足度 ★★★




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雪が・・・

2008-01-23 14:20:06 | お仕事日誌
6時すぎに起床。さあ今日はジョギングじゃと思って、ストレッチしながらテレビを見ると、雪の予報。うそだろうと思い、窓を開けたら、確かに雪が舞っている。そんな降ってないし、外に飛び出す。ただ吐く息は白くならないので気温はそんな低くもないかもしれない。ただ家に戻るころは本降りになっており、雪だらけ。月曜日の雪防備体制の格好をして出社。
朝一番の電話は、スケジュールがどうなったかの確認、メールをまだ見れていないのだが、とりあえずプロフィールをメールで送る。メールを見たら、ジュロから返事が来ていた。すぐにクライアントさんに電話。
ジャシュからは返事がきていない。ロンドンの大野さん情報によると、BPの新作すごくいいらしい。やらないといけんだろう。今度は荷物が少ないとのこと。帰ってきたらよく話しを聞いて、呼ぶための作業を始めたいものだ。
昼過ぎまで雪が降り続ける。とはいうものの湿気を含んだ雪で、これでは積もらないだろう。
NHKの首都圏ニュースに、吉田町の、知り合いがやっているバーのことが紹介されるということなので、それを見てから退社。
確かに寒い一日であった。


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メルマガACC通信創刊準備号発送

2008-01-22 11:33:30 | お仕事日誌
ジョギングできずに中途半端に早い時間に起きてしまったので、久しぶりに杉田まで歩く。イタリアのジャシュガロンスキイから返事。「下手な英語でごめん、俺はロシア語専門で、君たちが本当のアルメニア人だったら、もっと楽に交流できるのに」とジョークを一発いれていたのだが、しっかり無視される。もうひとり返事を待っているフランスのジュロからは返事がない。というかメールが配達されていないというメッセージ。ニフティーではなく、他のサーバーから3件同じメールを送る。
前からつくっていたメルマガ「ACC通信」を、とりあえず試験的に自分の知り合いを中心に配信。何人からすぐに返事がくる。まだ手さぐりなのだが、発信するだけでなく、これを受け取った人たちからの情報をうまくクロスさせるようなものにしたいと思っている。(これを読んでいる読者の方で配信希望の方は、ACC通信配信希望ということで、info@accircus.com までメールをいただければ、すぐお送りします)
イシャムの番組で知り合ったテレビマンと、溜池で一杯やりながら情報交換。その前にいま企画中の長谷川濬の散文集の件で、FのN氏と軽くお茶を飲みながら打ち合わせ。内容に合うようなフォントを購入済で、きれいな文字になりますよとのこと。楽しみである。万里で、鶏煮込みそば食べましたよと言ったら、いまにでも食べたそうな感じであった。
24時すぎに帰宅。

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しばしのお別れ

2008-01-21 11:53:41 | お仕事日誌
天気予報では完璧雪。朝起きてどれだけ積もっているのだろうと、窓から外を見たら、雪が降った形跡なし、雨さえ降っていない。完全防備の準備をしていたのにちょっとがっくり。
もうダメからと思っていた企画が、突如再浮上。パフォーマーと連絡をとらないといけなくなったのだが、大野さんは、土曜からロンドン。大野さんのパソコンを開いて連絡先を調べ、下手な英語でメールを送る。お昼前サーカス学校の福ちゃんが来社。今日から浜松へ行くという。サーカス学校とはお別れということになる。卒業生として先生の面倒や西田さんのことを手伝っていた福ちゃんがいなくなるのはかなりダメージになる。去年12月の発表会のあとの打ち上げでも、ナージャ先生は福ちゃんがいなくなると困ると言っていた。とはいうものの福ちゃんが決めたこと、しかたがない。旅立ちの前に、元気な姿が見れたのはなによりである。また東村で会いたいね、とお別れを告げる。
夕方モスクワに電話、金曜日不在中に電話があったので、その夜電話したのだが、出なかった。担当の外国部長がいまモナコに出張しているらしい。今度来日するメンバーの何人かパスポートが切れてしまうという件だった。
18時すぎに退社。

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フェリーニのローマ

2008-01-20 16:45:32 | 観覧雑記帳
作品名 「フェリーニのローマ」
監督:フェデリコ・フェリーニ
製作:トゥーリ・ヴァジーレ
脚本:フェデリコ・フェリーニ、ベルナルディーノ・ザッポーニ
撮影:ジョゼッベ・ロトゥンノ
音楽:ニーノ・ロータ
美術:ダニロ・ドナティ
出演:ピーター・ゴンザレス、フィオナ・フローレンス、ピア・デ・ドーゼス
上映時間:119分
1972年 ウルトラフィルム(伊)レ・ザルスタ・アソシェ(仏)

何年ぶりでこの映画を見たのだろう。フェリーリの映画の中で一番好きな作品は『アマルコルド』なのだが、この映画もアマルコルドの延長にある映画といっていいだろう。最初見たときの一番の衝撃は、地下鉄工事の時に空洞部分にぶちあたり、工事を中断し、この空洞の壁の一部を壊して中を見ると、この世のものとは思えない奇蹟としかいえない古代ローマの壁画が彫刻が現れる。工事の模様を撮影していたグループと工事スタッフが中に足を踏み入れ、その2000年前の素晴らしい美術作品にうっとりしていると、突然触れた外気によって、その壁画の色が消えていくというシーンだった。今回見てもやはりこのシーンはすごかった。フェリーニの映画の底にいっかんして流れる儚さを見事に映像化している。
このシーンが強烈すぎて、正直いってこのシーンしか覚えていなかったのだが、いまあらためて見ると、他にもいろいろ面白いシーンがたくさんある。
この映画は、世界の若者たちが体制に対して、政治的だけでなく、文化的なもの、社会的なものにノンを表現していた時代に制作されているわけだが、その当時のローマの現在と、第二次世界大戦下のローマの人々の生活が交錯しながら描いていくのだが、戦争下のミュージックホール、そして売春宿の場面が、抜群に面白かった。あのミュージックホールで演じている芸人さん群像もそうだが、あの猥雑な観客群像の描き方は、アマルコルドに出てくる庶民と重なりあう。
やはりフェリーニである。少しも色あせていない。
満足度 ★★★★

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