デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

松田美緒トーク&ライブ

2015-02-24 11:20:59 | 観覧雑記帳
松田美緒『クレオール・ニッポン』発売記念トーク&ライヴ
日時:2月23日(月) 19:00開演(21:00終演)
会場:古書ほうろう

まったく何の予備知識を持たずに聞いたライブだったが、なにか自分に近いという匂いのようなものを感じた。旅をする人たち、さらには海を渡った人たちへの共感がにじみでているのが、なによりも心に響いた。彼女が今度発売したCDブックス「クレオール日本」は、日本各地に残っている歌を拾い上げながら、その歌が歌われた土地に実際に行って感じ取ったことを歌にこめ、さらには言葉にしたものだった。今回ここで歌われたのはこのプロジェクトの出発点となった秋田鹿角の山子歌(秋田県・)
はじまり、徳島の祖谷、キリスタンの文化がいまだに残る伊王島の歌、ブラジルの移民節、ハワイの労働歌、小笠原、そして福岡行橋のトコハイ節、ブラジルで移民の人たちがアレンジして歌った五木の子守歌と歌ってくれた。そのひとつひとつの歌に、歌が生まれたところの風土、そこで生きた人間の息づかいが、じっくりとあぶりだされてくる。なによりそれが感動的だった。伴奏した渡辺さんのパーカッションというか、さまざまな楽器の演奏も歌をひき出すものでとても好感がもてた。彼女のこのプロジェクトに関わっていくなかでの、取材姿勢にもとても共感を覚えた。それは彼女のトークのなかで明らかにされたものだが、最初に秋田の資料館にいっぱいあったという日本各地の歌を集めたカセットを片っ端から聞きまくり、そこで一番気に入った曲のふるさとである徳島を訪ね、そこでこの歌に関わった人たちの話を聞き、そこの風土にどっぷ、り浸かり、その中で何か発酵するのを待つ。そうした中からいにしえの歌は彼女のものになっていく。その流れで感動的だったのは、ブラジルの移民節をつくった佐々木さんのふるさとが宮城県古川だと知って、古川に行って、何のあてもなく(古川のどのへんに住んでいるかということだけを手がかりに)佐々木さんの縁者をという人をいきなり訪ねたというトークである。この移民節がよみがえったということはブラジルで大きなニュースになったというが、移民した人たちがこのような歌をつくった想いが松田という歌手によって、また伝えられるということ、この意義はとてつもなく大きいと思う。
でき得ればロシアに漂流した東北の人たちが向こうで歌い続けた盆踊り歌などを歌ってもらいたいものだと思う。

http://www.miomatsuda.com/blog/news.html

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