デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

「ロマノフの消えた金塊」

2020-01-11 19:05:31 | 買った本・読んだ本
書名 「ロマノフの消えた金塊」
著者 上杉一紀 出版社 東洋書店新社 出版年 2019

ロシア革命とともに流出したロシア王朝の莫大な遺産のゆくえを丹念に追った労作である。長年ジャーナリストとしてテレビ局で活躍、数々のドキュメンタリー作品をつくってきた著者は、このロマンチックな彩りをつけたくなるテーマを、綿密な調査であくまでも事実を追うという姿勢を貫き、消えた金塊の行方を追っていく。この金塊を追うためにはロシア革命、内戦、尼港事件、日本のシベリア出兵、極東共和国についてももどかしいことを承知の上で、その流れを説明しないといけない。著者はまずはこの歴史的背景を自分の言葉できちんとしかもわかりやすく説明することで、金塊の流れを周囲で動かしていたものを明らかにした。そうすることで金塊をめぐりいままで提示された仮説を一つずつつぶしていくことができ、それによって金塊の流れがゆっくりと浮かび上がっていくことになった。この金塊を請け負い、そして動かしていく中心となるのは、白軍の指導者、コルチャ-ク、セミョーノフであるが、彼らの歩んだ道も丁寧に追っている。これだけ名前が出てくる人物なのだが、その足跡となるといままでそれほど明らかにされなかったような気がする。かなり個性的な人物ではあったようだが、問題は彼らとつながっていく日本の特務機関や軍の要人たちである。これに関しても松本清張たちがいろいろな興味深い説をだしているようだが、あくまでも仮説でしかない。そのひとつひとつを著者はつぶしていく。仮説の面白さに背を向け、事実をあぶりだすというよりは、まさにつぶしていくやりかたで真実に立ち向かおうとする。冷静にロマンに満ちたロマノフ金塊の行方を追うなかで、ロシア革命から内戦、そして極東共和国ができ、それも消滅する歴史の大きなうねりも見えてくるのもこの本の魅力といっていいだろう。

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. 早稲田優勝

2020-01-11 19:03:17 | デラシネ日誌
今日は新国立で大学ラグビーの決勝がある日。国立なんだから自由席でも入れるかとタカを括っていたのだが、とんでもない当日券はないとのこと。テレビ観戦で我慢する。試合開始直後から完全な早稲田ペース、12月の試合にはいなかったセンターの中野の突破、河瀬のラン、何より前回の試合のようにキックをあまり使わず、アグレシッブに攻めたこと、ディフェンスの確かさでなんと前半だけで31対0という大差。後半明治が実力を発揮、ワントライ、ワンペナルティーのところまで追い詰めたのは見事だったが、やはり前半の大差がきいて、早稲田の勝利。まさか明治に勝てるとは思わなかった。福田さんが常々に言っていることだが、ラグビーでは受けに回ったらやられるということを実証したような試合だった。12年ぶりの優勝だという。現場で見れなかったのは残念だが、勝ててほんとうにうれしい。

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