デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

映画の奈落

2015-02-02 13:28:50 | 買った本・読んだ本
書名「映画の奈落-北陸代理戦争事件」
著者 伊藤彰彦  出版社 国書刊行会 出版年 2014

いつも自分の本の装丁をしてくれるフラグメントの西山さんが、去年読んだ本のベストというお墨付き。絶対に読んで欲しいとこの本を貸してまでくれた。やはり間違いなかった。実に読みごたえのある、そして面白い本であった。東映映画「北陸代理戦争」は人気シリーズ「仁義なき戦い」のあとを受けた実録ものなのだが、この映画に携わった人たち(モデルとなった組長ほか組員たち、映画をつくった人たち)が出会ったことによって墜ちる奈落をしっかりと描ききる。なにせこのモデルになった組長は、この映画公開4カ月後に射殺されているのだ。そのきっかけとなったのはこの映画である。映画の中で対立していた組の命を受けての射殺事件であった。これだけの修羅をつくりだしたこの映画に関わった人たちの狂気を見る。著者はシナリオも書いているという業界にかなり詳しいだけに、この映画ができる背景を緻密に描く。制作サイドの意向、映画制作にあたってのこまかい仕組み、そして監督と脚本家のしのぎあいなどなどが濃密に描かれる。特に脚本家高田宏治が見事に描かれている。「仁義なき戦い」を書いていた笠原和夫を追い越すためにいかにこの作品に賭けていたのかを、本人への取材だけでなく、決定稿だけでなく、一稿を読み解きながら、高田の書こうと思ったことの根っこにまで迫っていく。特にその後の高田にとって大きな存在となる女性に関して、実録では姉と弟なのだが、映画では姉と妹に性転換させたところは圧巻であった。
そしてこの本がすごいところは高田宏治の現在について語るところである。まさに映画の奈落に身を捧げた映画人の生きざまが鬼気迫るものとして立ち現れる。
<iframe src="http://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=deracinetuush-22&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=ss_til&asins=4336058105" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レポート到着

2015-02-02 10:55:48 | お仕事日誌
三日間雪のため走れなかったので、身体がなまってしまった。今日はしっかり一時間ほど走る。ベイサイドからきれいな日の出を見ることができた。
春のイベントの出演者の査証申請をしてもらう。春のイベントに出演依頼を引き続き。やっと連絡がとれる。
早稲田の授業のレポートが届く。今年は15件。サーカス学的に考察せよといういままでやったことがない課題だったので、どうかと思ったのだが。ぱっと見た感じ、課題の意図はわかってくれたようだ。ただ採点の仕方がよくわからず問い合わせ。
野毛大道芸のホームページがリニュアルされたということで、見てみたらなんとなんと福田さんと三橋さんと森さんの座談会が出ているではないか。なかなか面白い座談会であった。
面白かったから、デラシネの号外で流す。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カレンダー

2015年2月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

バックナンバー