デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

泣き虫ピエロの結婚式

2015-02-10 16:20:56 | 買った本・読んだ本
書名「泣き虫ピエロの結婚式」
著者 望田美紀子 出版社 リンダパブリシャーズ 出版年 2014

このところ気に入っている川崎駅のDAICEという商業施設にある「あおい書店」でこの本を発見。他の本屋で発見したら、もしかしたら手にしなかったかもしれない。最初のページを見ると「わたしはクラウン。みんなを笑顔にするのが仕事です。そんなわたしには、一番笑ってほしい人がいました。最愛の人・杉山一衛、私の夫だった人です。この本は私と彼との、出会いから別れまでをつづった物語です。二人の新婚生活はわずか50日でした。でもそれは、ほんとうに宝物のような毎日でした。この本を、いまは亡き彼に贈ります。」とあった。これでほぼこの本に何が書かれているかわかってしまう。クラウンのお涙頂戴ものだろうと思った。でもなにか引き留めるものがこの本から漂っていた。いい本だった。なにより正直に心情が語られている。その素直な語り口がとても好感がもてた。クラウンです、笑わせることに使命感を抱いています的な、気負いもなかった。夫が死と闘っているときに、自分がまず笑わないといけないんだというあたりは、気負いをもって書きたくなるところだが、著者はここを実に素直に書いている。クラウンの使命に燃えてなんていうことは一切書かずに、だからこそ笑うことでしかこの場に対峙できないという想いの重さがひしひしと伝わってきた。第一回の静岡大道芸ワールドカップを見て、大道芸やクラウンに憧れて、クラウンになるためのワークショップなどに参加し、そして東京にやって来て本格的にクラウンになるために足を踏み出したとき、彼女はうつ病にかかってしまう。このうつ病と闘うなかで、つくり笑いをすることによってこの病を乗りこえる糸口を見つける。この間彼女は亡くなったご主人と一年付き合いながら、別れている。転機となった彼女のカナダ生活の中で、日本にいる友人たちに発信していくなかで、七年ぶりにご主人と再会することになる。恋も仕事も、大きな挫折を乗りこえて手にしている。こうしたことが、彼女の自然ににじみ出るようなクラウン魂をつくることになったのではないかと思う。
永遠に忘れられないふたりの結婚式のあとすぐに、杉山さんは難病発病のため入院、そしてあまりにも早い死を迎えることになった。このときのふたりの交流についても、著者は決して煽らず、冷静に書き綴る。
クラウンもっちぃのクラウニングを見てみたいものだ。
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