僕と僕の母様 第45回
「どこが良いのって、どこからどう見ても カッコイイじゃない。 ははーん、自分よりカッコイイ人間は 認めたくないわけだ。 心せまー」 そのことに関しては 僕も反発した。
「友達でそういう奴がいるから 僕はそうならないぞ って思うように努力してるから そんなことはない。 じゃあ、どこがカッコイイんだよ」 あんな奴と一緒にされたくない。 一層声が大きくなった。
「全部、顔も声も立ち方も座り方も、何もかも全部」 開き直った。
いつもは「うーん、どこだろう」 とかって考えるのに。 でも一つだけ触れていない所がある。 そこを突いてやろう。
「ああ、身長は低いもんね さすがに身長とは言わないんだ」 少し落ち着いて言った。
このボーカルは170センチあるかないかなので いつも母様は「これで身長さえあればなー」 と、よく言っているのだ。
「陵也みたいなおチビよりずっと高いです。 羨ましいでしょ」 確かに僕よりかは高いけど もう少し大人の話し方が出来ないのか。
「ふん、僕だってあの年齢になると 少しは伸びてる。 いや、ずっと伸びて抜かしてる」 そう言ってやった。 すると
「ふん、不可能」 そう言って僕を斬った。
確かにこの時点において 156センチの母様を ほんの少し抜いたくらいだ。
この先に伸びたとしても 170センチ以上は無理だろう。
そんな事はどうでもいい。 危うく母様の低次元な 会話につられる所だった。
そう言う事じゃなくて 僕の感情は 斬られたことにも腹が立つ。 身長のことを そのボーカルと比べたことにも腹が立つ。
こうやってこのボーカルを 好きだ好きだという母様にも 腹が立ってムカムカしてくるけど 母様を好きにさせている このボーカルにはもっとムカムカする。
大体、僕の母様だろ。
なんで話したことも無ければ 会ったこともない、相手は母様の存在さえ知らない訳だ。 そんな人間相手に どうして母様は世の中で一番好きというのだ。 馬鹿じゃないかと思ってしまう。
「相手はお母さんのことを 知らないんだからね、いくら好きでも会えないよ」 イヤミを込めて言った。
「ふん!」 ふくれてそっぽを向いてしまった。
勝った! 斬られてばかりじゃいられない。
でもそれからも 母様のそのバンドへの集中、そのボーカルへの想いは 全く変わらなかった。
本当に人の気持ちの中を 考えるということが出来ないんだ。 少しは大人になれって言うんだ。
でもこういう気持ちを あからさまに言葉に出来ないのは、こう思ってしまうことが 人には言いにくい事、言うならば クラスの連中が言ってた マザコンのような気がするのだ。
でも誰だってきっと口には出さないけど 母親のことをこんな風に思っているに違いないと僕は思う。
こんな風に 僕の心の中で色んな想いが渦巻いたり、母様との小さなバトルをやっている内に 部活の方は淡々と コンクール予選に向かって走って行った。
曲が決まったのだ。
今日も最後まで読んで頂きまして有難う御座いました。
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有難う御座いました。
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「友達でそういう奴がいるから 僕はそうならないぞ って思うように努力してるから そんなことはない。 じゃあ、どこがカッコイイんだよ」 あんな奴と一緒にされたくない。 一層声が大きくなった。
「全部、顔も声も立ち方も座り方も、何もかも全部」 開き直った。
いつもは「うーん、どこだろう」 とかって考えるのに。 でも一つだけ触れていない所がある。 そこを突いてやろう。
「ああ、身長は低いもんね さすがに身長とは言わないんだ」 少し落ち着いて言った。
このボーカルは170センチあるかないかなので いつも母様は「これで身長さえあればなー」 と、よく言っているのだ。
「陵也みたいなおチビよりずっと高いです。 羨ましいでしょ」 確かに僕よりかは高いけど もう少し大人の話し方が出来ないのか。
「ふん、僕だってあの年齢になると 少しは伸びてる。 いや、ずっと伸びて抜かしてる」 そう言ってやった。 すると
「ふん、不可能」 そう言って僕を斬った。
確かにこの時点において 156センチの母様を ほんの少し抜いたくらいだ。
この先に伸びたとしても 170センチ以上は無理だろう。
そんな事はどうでもいい。 危うく母様の低次元な 会話につられる所だった。
そう言う事じゃなくて 僕の感情は 斬られたことにも腹が立つ。 身長のことを そのボーカルと比べたことにも腹が立つ。
こうやってこのボーカルを 好きだ好きだという母様にも 腹が立ってムカムカしてくるけど 母様を好きにさせている このボーカルにはもっとムカムカする。
大体、僕の母様だろ。
なんで話したことも無ければ 会ったこともない、相手は母様の存在さえ知らない訳だ。 そんな人間相手に どうして母様は世の中で一番好きというのだ。 馬鹿じゃないかと思ってしまう。
「相手はお母さんのことを 知らないんだからね、いくら好きでも会えないよ」 イヤミを込めて言った。
「ふん!」 ふくれてそっぽを向いてしまった。
勝った! 斬られてばかりじゃいられない。
でもそれからも 母様のそのバンドへの集中、そのボーカルへの想いは 全く変わらなかった。
本当に人の気持ちの中を 考えるということが出来ないんだ。 少しは大人になれって言うんだ。
でもこういう気持ちを あからさまに言葉に出来ないのは、こう思ってしまうことが 人には言いにくい事、言うならば クラスの連中が言ってた マザコンのような気がするのだ。
でも誰だってきっと口には出さないけど 母親のことをこんな風に思っているに違いないと僕は思う。
こんな風に 僕の心の中で色んな想いが渦巻いたり、母様との小さなバトルをやっている内に 部活の方は淡々と コンクール予選に向かって走って行った。
曲が決まったのだ。
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